表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常の壊れる最悪の非日常  作者: ネツアッハ=ソフ
非日常との出会い
4/27

師匠登場

「と、とりあえずっ‼貴方には一緒に来てもらうわよ!!!」


「・・・?何処(どこ)に?」


「っ、良いから来るのっ!!!」


 マキは赤面しながら俺を引っ張っていく。拒否する理由も特に無いので、俺は黙って付いていく。俺の手を引きながら、マキは真っ赤に顔を()めている。


 しかし、まあ・・・・・・


「可愛いな・・・」


「っ!!?」


 マキの肩がびくっと震えた。きっと目を吊り上げて俺を(にら)む。


 ん?マキの顔が余計に真っ赤になった?真っ赤な顔で、マキに睨まれる。いや、何故だ?俺、一体何をしたと言うんだ?うーん、解らん。


 ・・・まあ、良いか。俺は思考を放棄(ほうき)する。マキも、溜息を吐きながら俺を引っ張っていった。


 マキの手を握り締めると、マキも俺の手を握り返してきた。マキの手は、温かかったさ。


 やがて、俺とマキは廃墟の一室に着く。其処には、一人の女性がソファに座っていた。女性の傍には一振りの日本刀が立て掛けている。女性は俺を見て、にやにやと笑っていた。


 一目で俺は理解した。この女、俺の苦手なタイプだ。


「やあ、少年。よく来たね」


「はぁ、貴方は誰ですか?」


 女性に俺は気のない返事を返しつつ、名を問う。女性はかははと楽しげに笑い、頷いた。


「失礼、私の名は痣火(あざか)。剣神と呼ばれたしがない剣術家でその娘の師匠だ」


「はぁ、俺の名は遠藤宙です。・・・・・・って、師匠?」


「うむ、師匠だ」


 マキの師匠を名乗る女性、痣火は(ほが)らかに笑った。えっと、この女性が師匠?俺はマキの方を見る。


 マキは静かに頷いた。どうやら、本当に師匠らしい。


「ええ、その人は私の剣の師匠よ。ちなみに、剣の腕は私の千倍は強いわ」


「せ、千倍っ!!?」


 俺はぎょっとして、痣火の顔を凝視した。痣火はにこやかに笑いながら、それに頷いた。全く信じられないと俺は一瞬、否定的に感じた。何故なら、マキの剣の腕は異能者とも充分渡り合える物だからだ。


 その千倍と言われても、全く予想がつかない。というか、理解が出来ない。


 当の痣火はかははと楽しそうに笑いながら、それを肯定(こうてい)した。


「まあ、(うそ)じゃないな。というか、マキは正直まだまだ弱すぎるんだよ」


「私、一応剣道五段くらいの実力はあるんだけど?」


「かははっ、たかが五段くらいで甘い甘いっ。私の弟子を名乗るなら、剣道の段持ちくらい余裕で瞬殺するくらいは無いとなあ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 ・・・・・・うわぁ。


 剣道の段持ちを余裕で瞬殺って・・・。やべえ奴じゃねえか。俺は引き()った顔で笑う。


 マキも、口元を引き攣らせて黙り込んでいる。この女、色々ヤバい奴かもしれない。俺は、こっそりとそう感じたのだった。そんな俺達を他所(よそ)に、痣火本人はかははと楽しそうに笑っていた。


 もう、何がそんなに楽しいんだか?理解出来なかった。

剣の師匠、痣火登場。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ