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日常の壊れる最悪の非日常  作者: ネツアッハ=ソフ
激しくなる戦い
14/27

憤怒

 流石に、俺は困惑(こんわく)していた。痣火の怒りが全く理解出来なかったからだ。京やマキも意味が解らないのか困惑している様子だ。一体、これはどうすれば良いのか?


 全く理解出来ない。というより、正直怒りの理由(りゆう)が解らない。


「えっと、あの・・・?」


(こた)えろ・・・今の話はどういう事だ・・・・・・?」


「え?ええ?」


 痣火は俺の胸倉を(つか)まん勢いで、詰め寄ってくる。しかし、俺はいまいち状況が理解出来ない。というよりも今の痣火が本気で怖い。理解出来ない恐怖が其処にあった。


 しかし、マキの居る手前無様(ぶざま)な格好をするわけにもいかない。流石にどうすれば良いのか、困惑する俺の前にマキが立つ。どうやら、俺を(かば)う気らしい。その姿に、思わず目頭が熱くなる。


 マキが俺の方をちらりと見て、笑みを浮かべた。その笑みが、とても心強かった。


「マキ・・・其処を退()け」


「いいえ、退きません。師匠、少し落ち着いて下さい。それでは(おび)えさせるだけです」


「今の話が、かなり重要な意味を持つとしてもか・・・?」


「それでもです。(ソラ)が怯えているじゃないですか・・・」


 マキの言葉に、痣火はじっと俺を睨む。その鋭い視線に、俺はびくっと(ふる)える。


 ・・・何故(なぜ)か、京もびくっと震える。


 痣火はそのまま視線をマキに戻す。その鋭い視線に、マキは僅かに震える。しかし、その肩に俺は手を置き抱き締める。マキは僅かに安堵(あんど)した息を漏らし、強い視線を痣火に返した。


 自然、睨み合うマキと痣火。空気が、それだけで重圧を増す。重苦しくて、息苦しい・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 その緊迫(きんぱく)した空気に、京は怯えているのか僅かに後退した。そのあまりの緊張した空気に、周囲の重力が倍に増したような錯覚(さっかく)さえ覚える。ああ、空気が重たい・・・


 やがて、痣火が溜息を一つ吐く。自然、空気の緊張がゆるむ。


「・・・すまんな、少し落ち着きが()りなかった」


「・・・・・・は、はぁっ」


 俺は、気の抜けた反応を返した。しかし、まあ・・・(こわ)かったぁ・・・

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