表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常の壊れる最悪の非日常  作者: ネツアッハ=ソフ
非日常との出会い
1/27

プロローグ

 俺の視界は赤く()まっていた。世界が真っ赤だ。世界が真っ赤に染まっている。


 ···いや、真っ赤に染まっているのは俺の方か。俺は今、血で真っ赤だ。鉄臭い血の臭いが鼻をツンと刺激する。正直、血を流しすぎた。身動(みじろ)ぎ一つ出来ない。


 ···俺は、死ぬのか?こんな所で?(ひと)り?


 誰かの高笑いが聞こえる。誰かが泣き叫ぶ声が聞こえる。誰かの怒号(どごう)が聞こえる。


 しかし、そろそろ考える事も覚束なくなってきた。どうやら、もう死が近いらしい。


「············」


 ···死にたくない。こんな所で、独り死ぬのは(いや)だ。


 どうして、こんな事になったんだろう?俺の日常は一体、何時壊れた?考えても分からない。


「························」


 ···死にたくない。まだ、俺は生きていたい。こんな所で死んでたまるか。


 確かに、日常が退屈だと感じていた。確かに、刺激を求めていた。しかし、果たして此れが本当に俺の望んだ物だろうか?こんな非日常が?


 徐々に意識が薄れていく。寒い、血を流しすぎた。それに、何故か(さみ)しい気持ちが俺の心を満たしてゆくのを感じた。寂しい、寂しい、寂しい。嫌だ、独りは嫌だ。


 一体、何故俺はこんな事になったんだろうか?俺は(うす)れゆく意識の中、思い返してみた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ