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DeathDays  作者: 雪城ぴゅあ。
3/26

Morning

銃声の音を聞いたと思った、その後直ぐ…

じりりりりりっ‼︎

「うわっ!!」

前日の夜にセットして置いた目覚まし時計が凄まじく、大きな音を立てて鳴り響く。

その音に驚いて、思わずびくっと、飛び起きた。

(びっくりした!)

更に、その後、スマホに設定しておいたアラームが、着信音と同じ曲のメロディーをリズミカルに奏でて鳴る。

僕の好きなアーティストの癒し系の音楽だ。

普段ならば、これを聞いて目を覚ますと朝から気分よく、目覚める事が出来るのだけど…。

(つ、疲れたな。朝から凄い疲れた気分)



今日は何時になく、かなり気分が悪い。

(嫌な夢を見た。)

夢見が悪かったのもあるし、こうして、目覚まし時計とスマホのアラームの両方をセットしたのが間違いだった。

(何時もなら目覚めると大体、気分が良いけど、今朝は気分よく目覚める事は不可能だったな)

変な夢を見た事に加え、自分でかけたアラームと目覚まし時計に、まさか、驚かされる事になろうとは…。不覚だった。



夢で銃声を聞いたのと、目覚まし時計の音が鳴り響くのはほぼ同時だった。

何方も、重なり合う様に鳴った。

だからこそ、余計にびっくりしたのだが。

二つもかけておくべきではなかったなと、今更ながらに後悔した。

自分でした事なのだが、酷く驚かされた。

僕自身、目覚まし時計とアラームの何方もセットしたのをすっかり忘れていた…。

(寝る前にした事は、何時もならちゃんと覚えてるんだけどな。)

うっかり自分でした事も忘れてしまっていたのは、リアルで、奇妙でやけに長い変な夢を見たせいもあるのかもしれない。

(本当に夢で良かった。)

銃声を聞いた時は死んだと思った。

だが、こうして生きている。

生きていて本当に良かったよ。

それにしても、酷い夢を見た。

凄い悪夢だった。

まさか、夢の中でリアルに死ぬ感覚を感じなければならないなんて。

あまりにも現実的で、それが本当に夢であるのか疑問を抱く程。

夢の中である事を忘れてしまう様な夢。

そんな悪夢。

けれど、こうして結果的には目が覚めたのだから、夢であったという事だ。

心底安心する。

まだ微かに眠い目を擦ると、涙で睫毛が濡れていた。

(ひょっとして泣いていた?)

でも、こうして涙で濡れているというなら、きっと僕は泣いていたのだろう。

(眠りながら泣いていた?)

「……。」



悪夢から目覚めた僕は泣いていた…。

無理もない。

あの1人、恐怖心に蝕まれる悪夢の中、確かに僕は殺されたのだ。

痛みもはっきりと感じていた。

気持ちの悪い感覚だった。

それから、今も実に不思議な感じがする。

死の痛みや恐怖を味わいながら、僕は夢の中とは言え、死んだのだ。

それでも、目が覚めたらこうして肉体があり、生きている。

とても、不思議な感じだ。

生きている事が酷く謎に思う。

だけど、良かった。

(生きている‼︎目が覚めた。)

友人も、大事な”彼奴”を遺して死ぬ事もなかったし…。

こうして、朝を迎えられた。

通常通りに学校にも登校できるのだ。

(本当に良かった…!)



スマホを手にして、僕はちゃんと生きているなと感じる。

触れた感触もしっかりしてる。

恐る恐る不自由に縛られていた足を、ゆっくりと動かせば、足も自由に動かせた。

確かに夢では死んだが、こうして足も自由に動かせて、五体満足で、身体の感覚もあり、それらを自由に動ける事が今はとても嬉しかった。



普段ならば、それは特に気にも留めない、当然な事かもしれない。

でも、それが今は嬉しくて仕方ない。

自由が奪われているあの感覚は、恐ろしくて堪らなかった。

命の危険を感じて、それを強く脅かされる夢。

防ぎようがない死を受け入れなければならないあの瞬間も…

(怖くて堪らなかった)

だから、スマホを手にしているこの感覚すら、愛しく思える程である。

(自由である事は、素敵な事だよね。)

改めて、そんな風に思えた。

(これからはきっと何も起きないし、変な夢も見る事はなく、大丈夫だよね。)

偶々、夢見が悪かっただけ。

特別気にしなくてもいいだろう。

あんな夢を見たのも、きっと年始の試験で疲れていたからだと思う。

(安心した。本当に良かったよ…)

安心感から大きくため息を吐き出す。

「はぁ…、大丈夫。僕は生きてる」


スマホで時刻を確認する。

時刻は、AM5:00。

現在、午前5時である。

寝起きだからまだ其れなりに、若干ぼうっとしていた。

然し、目覚まし時計の大音量により、大体目は覚めていた。

(…まだ少し眠い感じがするな)

瞼も僅かに重い。

けれど、今朝も朝食と弁当を作らなければならないので、二度寝する選択は選ばない。

いや、選びたくとも選べない。

二度寝などしている暇も”僕ら”の生活にはないのである。

作るお弁当は毎日2人ぶん。

料理担当は僕である為、毎朝早起きして僕が朝ご飯を作り、弁当を作っている。

(”彼奴”のぶんと僕のぶんの二つぶん。

今日も元気に1日を過ごせる様に美味しくて、ボリュームがあってお腹いっぱいで、幸せになれるお弁当を作らなきゃな)

それから、一応見た目も重視!

まぁ、キャラ弁とまではいかないけど。


唐突ながら、此処で、僕の名前を軽く自己紹介しておこうと思う。

僕の名前は、柊木愛琉だ。

読みは、ひいらぎあいる。

我ながら、少し変わった名前だと思う。

だが、両親が付けてくれた大切な名前だ。

俗に言う、流行りのキラキラネームだ。

アニメや漫画のキャラクターも、皆個性的で、キラキラした名前を持っている。

それに近いものが、名前にややあると思う。

また、若干、名前が女の子みたいな感じがするので、幼い頃は少し苦手だった。

同級生などに、女の子染みた名前だと揶揄われる事もあった為だ。

それでも、今はこの名前を気に入ってる。

それは僕自身がそんな事は、気にしない程度に成長したからなんだろう。

何だかんだで、大人に少し近付いたのかもしれない。

「あれだけ嫌っていたのに、今では寧ろ好きなんだから。

人の心って変わるものだよなぁ」

そんな独り言を言って、改めて感心する。

まだ朝の5時だというのに、悟りの様なものを開き始める。

やはり、あの夢のせいだろう。




それにしても、目覚まし時計とアラームの両方をセットしたのは何故だったか…。

ただ、二代セットでかけただけとは考え難い。

寝起きのまだ少し眠い頭で昨夜を思い出して考える。

(どうして、二つもかけたんだっけ。

ああ、そうだ。)

何故、アラームと目覚まし時計の両方をセットして置いたのかと思考を働かせていたら、漸く思い出した。

(そうだった。)

以前、目覚まし時計だけを設定しておいたら、疲れていた為か起きられず、すっかり寝坊してしまい、朝ご飯と弁当を作る時間を失ってしまい、朝は適当にパン一枚を”彼奴”に食べさせて、自分は食べ忘れて、お弁当は途中にあるコンビニ等で、適当にパンでも買って食べて貰うようにと、”彼奴”には頼んだ。



慌てて学校に2人して登校したのを思い出す。

そして、お腹が空いたまま昼まで耐え忍び、授業を受けて、自分もその日は、学校の学食に友人らと一緒に行って食べたのだった。

お腹が授業中に鳴りそうで大変だったな。

鳴ってしまうのはかなり恥ずかしい。

授業中は皆会話する事もなく、静かに勉学に集中している為、誰のお腹が鳴ったのかなど、すぐにバレてしまう…

空耳にしてくれれば、此方としては、大助かりだけど。



(本当にあの日は、彼奴にも悪い事をしてしまった…。)

何より、”彼奴”は朝が弱くて、起きられず、僕より少し遅めに起きる。

手伝ってもくれるのだが、やはり少し遅めに起きて、リビングへとやって来る。

あの日の朝は、2人とも疲れていて朝寝坊してしまったのだった。

普段はお互いに頑張り、気をつけている為、滅多にそんな状況には陥らないのだが、その前日の夜には試験期間が近付いていた為、テスト勉強する為に徹夜をしてしまい、結果的にはそうなってしまった。



(そうだ、やっと思い出した!)

その為、特別に心配性なワケでもなかったのだが、同じ過ちを繰り返さない為にもアラームと目覚まし時計の二台を設定しておいたのだった。

「だけど、凄い音だったな…爆音。」


然し、あの日の朝は本気で焦ったな…。

まさか、2人して朝寝坊して起きられなくなるなんて。

何時もはあんな過ちを犯したりはしないんだけど。

「徹夜なんてするべきじゃないな。」

試験期間も近く、僕は追い込みで勉強をしていた。

気付けば、ウトウトしてそのまま机の上に伏せる様にして、眠りに就いてしまった。

目を覚ましたら、朝の7時半。

焦ったし、後悔した朝だった。

それに、徹夜をして勉強した内容は翌朝になると、あまり覚えていなかった。

(徹夜での勉強は意味が無いのかな?)

テスト期間は迫っていた。

あまり、時間がないからと焦っていた。

だから、夜遅くまで起きて、勉強をしていた。

然も、起きたらシャーペンを右手にも左手にも、まるで「僕のだ!手放さないぞ!」と、でも言う様に力強く、握り締めていた。

一体、何があったんだって感じがしたな。


徹夜をして勉強をしていた僕だが、普段、全く勉強していない訳ではない。

何時も学校から帰宅すると、予習復習等の勉強はしているのだが、今回の範囲は広い上、何時もよりも難易度が高い為に勉強をより多くしないと不安だった。

テスト前日の夜に焦ったりするのは嫌だし。

先延ばしする事や後でやろうとか…、

僕の性格上、あまりそう言うのは好きじゃなかった。

それにしても、今回の範囲はどの教科も広いし、難しい問題傾向だった。

「今回のテスト範囲…。

先生、ちょっと意地悪だったな…

まだ小テストも残ってる。」


だけど、徹夜は出来ればもうしない様にしたい。

僕が高校生である間は、難しそうだけど…。

努力を続けるから、それなりの結果に繋がるのだと思う。

寧ろ、僕も勉強しなければ全く出来ないし。

勉強しなければ出来ない。

普通の人間ならそれは当然である。

それが、スポーツでも同じ事だと思う。

普段やらない事を突然やろうとしても、やれない。

テストで、行き当たりばったりなど上手くはいかないだろう。

結果は言わずとも分かる。

どんな未来かは見えて来る。

その為の保険が努力という物なのだろうと考えているので、勉強をする。

授業だって、寝たりはしない。

休む事は病気以外ではない。

サボりたくなる日も僕にもある。

人間なのだからそんな日だってある。

けれど、そんな日にも、渋々行くのは自分の為だ。

将来の為。

後、母さんにも出来るだけ心配かけたくないからだ。



だから学校には必ず行く。

生憎、僕は高校2年でもある為、塾に行ってまで勉強したりはしていない。

だからこそ、自分のやれる限りで、全力を尽くす。

それをテスト返しで、結果として発揮されていると自信になるし、嬉しくもなる。

達成感とも言えるだろう。

努力して良かったと思えるから、また次にも頑張ってみようかな?という意欲も湧く。

だが、僕も普通の男子高校生だ。

勉強はやるが、特別好きなワケではない。

ただ、自分自身の将来だったり、今置かれている環境の為にもやるしかないのだ。

塾に行くとしたら、受験生を控える高校三年になってからだろうな。

人から比べたら、遅いスタートダッシュかもしれないけど。

ここ最近で、家庭環境の変化もあったのだ。

仕方のない事である。



そんな事を考えながら、すっかり覚めた頭で、スマホのカレンダーのスケジュール等をチェックしていた。

朝、起きたら大体はその日の予定をチェックしてからベッドを出るようにしている。

カレンダーの暦は四月。

特に予定なし。

「だけど、今日は、帰り道に買い物しなきゃな。

何が必要なんだっけ。

後で、冷蔵庫を確認しなきゃ。」

弁当の材料と朝夕の食材等を買わなければならない。

それは、僕が料理担当である為と毎日ちゃんと食べる為だ。

健康第一。

それに食べ盛りの”彼奴”にも、しっかりお腹いっぱいに食べて貰いたい。

それから、料理担当である為、冷蔵庫の食材等の管理も僕の仕事なのだ。

食材がなければ料理も出来ない。

食べる為にも、買い物必須!

それでも、大体、何がなくて何を買えばいいのかは把握している。

然し、確認してから買わなければ忘れたりもする。

それであると思っていたら無かったり…

なんて事もある。

それで、また急いで買いに行くのは二度手間というものだ。

そうならない為にも、メモに書いたりして、そうならない為に気をつけている。

何だか、今では僕はオカンみたいだ。



(それと、徹夜はしない、あの日の過ちを繰り返さない為にも…)

本当にあれは大変な朝だった。

バタバタして、急いで制服に着替えたりして。

(だから、今日は気をつけないと)

あの時は、生憎、翌日の教科の教科書はバッグの中に用意してあったから良かった。

それは、唯一の救いだったな。

自分でも、それに関しては褒めてやりたい。

前日の夜に必ず翌日の教科の教科書は、鞄に入れる習慣がある為、そのおかげでもあった。

ノートや文房具等も、うっかり、自宅に忘れても大丈夫な様にルーズリーフと予備のシャーペンも数本鞄に忍ばせている。

勿論消しゴムも。抜かりないのだ。



年始のテストは1週間前に既に終わった。

だが、ミニテスト(小テスト)がまだ残っている。

季節は春だ。

桜が咲いて、ふんわりとした春の香りを感じる季節。

小風が吹くたび、薄桃色の桜の花弁が舞って綺麗だ。

薄っすらと花々が咲き始めて、鮮やかに色付く季節でもある。

そんな季節で、より忙しい朝だが、春で学年が上がった事もあり、クラス替えやら何やらで慌しい時期でもある。

毎度、朝はいつでも忙しいから、色々大変なんだよな。

常に気が休まず、急いでる感じだ。

何より、手が足りないんだから。

(それにしても、あの校長の話、やたらと長くて疲れたな。

もっと短くてもいいのに…

周りの生徒も聞き飽きて欠伸してたな。)


今朝も早く起きたのだが、登校時間までなんて時間が経つのは早いのだ。

モタモタしてる暇もない。

寝ぼけてもいられない。

家事等もやらなければならないから。

(そうすると時間が経つのはあっと言う間なんだよな…)

僕の家庭環境は色々と複雑だった。

その為にも、目覚まし時計とアラームの二台をセットしておいたのだ。

誰かが起こしに来てくれる訳ではない。

寝坊しようと自己責任。

誰も起こす人はない。

僕が「早く起きてよ〜」と、彼奴を起こしに行く事はあっても…

だから、僕は常日頃から、気を張っていなければならないのだ。

安らぐ時間はあまりなかった。

休みの時、家にいる時間も。

学校から帰宅してからも。

何もしていない時間などないくらいだ。

(気を張る…

そうしないと頑張れない)

気を張り続けて頑張る事や、やれる事は全てやる事…。

使える物は全て使ってフルスロットル!

時には疲れる。

然し、それが、長男としての義務や責任の様にも僕は感じていた。

肩の荷が若干、少し重く感じるが、別に嫌ではない。

料理は得意だし、かなり好きだ。

今朝の朝食は何にしようかと考える。

卵を使った料理は何にしようかと考えて、ワクワクしていた。

(今朝は何を作ろうか?

目玉焼き?スクランブルエッグ?卵焼き…

あ、そうだ。パンと合わせて…)

「パンはクロワッサンがあったはず」


料理は好きだ。

別に嫌々しているのでもないし、家事等も好きかどうかで言うなら嫌いではない。

特別、大好きでもないが、得意だった。

多分、割と好きな方だろう。

一人暮らし…

いや、実質2人暮らしだが、いつか、一人暮らしになる日が来るとしても、その時には今の暮らしが役立つはずだし。

そこはポジティブに考えている。

確かに大変なのは変わらないんだけどね。

だけど、彼奴を守ってやれるのも今は僕しかいないのだから。

僕が責任を持って守ってやらなきゃ。

だって、彼奴はまだ中学生なんだから…

今も、まだベッドの上で眠っているのだろう。


「よし、僕も朝ご飯と弁当作りの為にも、そろそろ起きなきゃな。」

体を起こし、ベッドから出る。

その際、ベッドメイクも、勿論行う。

(ベッドメイクベッドメイク〜)

それは、その夜もまたしっかりとした睡眠を取る為にも必要なので、日々欠かさない。

洗面所に行って、身嗜みや洗顔をする為にも、自室から出る。

その後、パジャマから制服へと着替えるつもりだ。

クリーニングに出してから、まだそんなに経たない為、埃もそんなに付かず、綺麗な制服へと。

僕は階段をゆっくりと下りていく。

その際、音を立てない様に気をつける。

疲れてる彼奴をまだ起こさない為にも。


僕の自室は二階にある。

彼奴の部屋も同じく二階にある。

この家は三階まである。

ただ、三階は物置になっていてあまり使う事はない。

部屋は合計三室。トイレ一室。

客間として使う事があるくらいで、大体使うのは、一階と二階の室内のみ。

客間として使う時は、布団を敷けるように選択され清潔な布団を用意してある。

換気をしたりする事もある。

(普段は時間無くて、大掃除の時くらいだけど…)


この家は、広めの空間になる様に造られている。

もう15、6年くらいは経ったが、未だに新築と変わらないくらいの綺麗さだ。

いつも思うけど、新築みたいだなぁ。

母が丁寧に手入れをしたり、整った環境になる様にと、清潔感を維持して、努力を続けてきた賜物だ。

そんな我が家を愛しく思う。

二階に上がって、直ぐの所に大きめな本棚がある。

母さんが本好きな僕の為に買ってくれて、設置してくれたのだ。

其処には、著名な作家の小説等がずらりと並び、いつでも、誰でも好きな時に本を開ける様になっていた。

僕にとってはプチ図書館だ。

本棚に並べてある書籍を見るだけで、心が踊る。

それ程に僕は読書が好きなのだ。

文は追いかけるだけで、ワクワクする。

ストーリーの世界に浸るのも楽しい。

水中に深く潜り込む様にして、僕も本の世界に潜り込み、本の世界で水を得た魚みたいになって、時間など忘れて夢中になる。

僕の悪い癖は集中すると、時間など忘れてしまう事かもしれない。

それは本に限らず、料理も同じ。

好きな事であれば、時間の経過などどうでもよくなってしまう。

本の世界では縛られる事なく、魚のように泳ぐのだ。

文の羅列を目で追いながら、その間、本の世界に引き込まれ、自由に泳ぐのだ。

(それは何より楽しい時間なんだよね)


そうそう、こんな事を考えてる場合でもなかった。

急いで、洗顔を済まそう。

髪の毛も身なりも整えなくちゃ。

きっと、寝起きで髪はボサボサだ。

普段も寝起きはボサボサなのだ。

今日も変わらずにボンバーしてるはずだ。

例えるなら、頭上で、激しく静電気が発生してる感じ。

子どもの頃、よくやったが下敷きで頭を擦り、摩擦を起こして酷い静電気でボサボサヘアーに変えてみたりして、それが何故そうなるのかを知らない幼い頃に、それがやけに変で面白くてケラケラと愉快げに笑ったりもした。

友人同士で、互いにその様な事をしては、笑い合ったのが、今では懐かしい。

子どもの頃の楽しい思い出の1ページだ。

話は逸れたけれど、頭部に下敷きを擦り付けて、激しく摩擦を引き起こし発生した静電気で、ボサボサになった髪みたいな…まぁ、あんな感じ。

修学旅行等では、友人らから「スゲー!バンドってんじゃん!」「おまっ!ひよこみたい!いや、寧ろ威厳のある鶏のトサカ!」などと、若干、いや、大分頭の中で、疑問符のはてなマークが浮かぶ様な言葉を言われたりしたものである。

兎に角、髪の毛が跳ねまくりで凄いらしいのだ。

(うん。自分でも分かってるはいるんだ。)

だから、毎朝必ず、直さなきゃならないのは理解している。

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