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35 うごめく首なし、舞い散る爆炎

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 ドリアがいつのまにか出現させていたのは「種ポンポン」と名付けた新植物。


 ユリに似たその植物を手にしたドリアは、国民を襲う首なし騎士に向けて構えた。

 ぼんっ、という発砲音と共に植物から種が飛び出し、首なし騎士の胴体へと直撃する。


 硬化された種は見事に甲冑を貫いたが、


「うげぇ! まだ動いてるし!」


 ドリアの言う通り、首なし騎士は問題なく動き続けていた。


 首なし騎士は強い。

 首なし騎士1人に対し、武装した国民5人がかりで攻撃するものの全員が成す術なく攻撃を捌かれ、反撃されていく。勝利に喜んでいた国民へと一気に動揺が広がり、先ほどまでの勢いが嘘の様に広場は逃げ出す人で溢れてしまった。


 革命家である赤影へと首なし騎士が接近している。


 さすがは元騎士団長だけあって、赤影は迫り来る首なし騎士達をその剣で叩き切っていた。

 だが、腕を叩き切っても首なし騎士達の動きは止まらない。

 あろうことか切り離された腕を拾い上げて胴体へと繋げてくる。


 不死身の敵に対し、赤影も徐々に包囲され追い詰められていた。


「簡単に大将は取らせないって!」


 そんな赤影の元へブランカが一瞬で駆け寄り、迫り来る首なし騎士達を、


「はあああああっ!」


 回し蹴りで蹴散らした。


 ブランカの怪力によって胴体ごと粉々にされる首なし騎士たち。

 甲冑の破片が広場へと散る。


「ふーん。いつかのロックリザードみたく再生はしないみたいね」


 ブランカの言うように破壊された甲冑が直る様子はない。

 周囲に魔法使いがいる気配もなく、王宮の最上階にいる王子が何か操作している様子でもない。


 どうやら首なし騎士は魔法で作られているのではなく、普通の甲冑に魔石を組み込んだ自動人形の様だ。


「ドリア、胴体部分全体を攻撃するんだ。魔石さえ破壊すればこいつらは止まる」


 俺の指示を受け、ドリアは考える仕草をしてみると、


「じゃあ、こんな感じの攻撃はどうだ!」


 種ポンポンでの攻撃を再開した。 

 植物から放たれたのは1発ではなく、大量の小さな種子弾。

 放射状に広がった種子弾によって首なし騎士達は胴体全体を破壊され、機能を失った。


「ドリア! 味方に当てない様に気をつけろよ!」


 ドリアへと注意しながら俺も光弾を練り、打ち込んでいく。


 逃げ惑う人々を迂回しながら光弾は甲冑の隙間から首なし騎士内部へと入り込み、組み込まれていた魔石を破壊していった。


 俺たち3人の参加により、再び革命側に勢いが出てきたのだが、


「くそっ! 多過ぎるだろ!」


 王宮内部からは次々と首なし騎士が現れる。すでにその数は広場で捕らえられていた生身の騎士達を超えていた。俺と国民達も首なし騎士に阻まれ王宮へと進撃できないでいる。


 ふと、俺は上空から気配を感じ空を見上げた。

 1枚の紙切れが空を舞いながら落下してきている。

 どうやら上階にる王子が撒いている様だがその意図が分からず、俺は思わず立ち止まってしまった。


 紙切れの1枚がブランカの近くにひらりと落ちた。

 地面に触れた瞬間に紙切れが赤く発光する。そしてーー


 ーー爆音と共に火柱が上がった。


 国民達は突然の爆発にパニックを起こし、広場から逃げようと騒ぎ始めた。

 人混みに押されつつ俺は爆発現場に向かって走り出した。


「うー。びっくりしたぁ」


 爆発現場にはすり鉢状の凹みができている。

 その中央付近で無傷のブランカが瞬きを繰り返しながら、周囲の様子を眺めていた。


「さすがブランカだな。あの爆発をまともに受けて無傷とは」


「あのくらいの爆発なら平気だよ。でも今のは何? 攻撃の気配なんてなかったんだけど」


 首を傾げるブランカに対し、俺は上空を指差した。

 再び紙切れが宙を舞っている。今度は10枚近くばら撒かれていた。


「くたばれ! 愚民どもが!」


 王子の汚い大声が聞こえてくる。

 風に乗って不規則な動きをしながら紙切れは国民へと迫っていた。


 光弾を練り、俺は上空を舞う紙切れへと攻撃する。

 撃ち抜かれた紙切れは空中で爆発を起こした。が、3枚ほどが光弾の攻撃を免れ、


「「「「うわああああああっ‼︎」」」」


 地上にて大爆発を連発してしまう。


 爆発の衝撃で地面には穴が空き、衝撃と熱で国民達は吹き飛ばされ傷ついていった。


「おらおら、どうしたぁ! 革命ってのはその程度なのかぁ!」


 王子の声が広場へと響き、それと同時に再び紙切れがばら撒かれた。


 ーーなんだあの紙は? 魔法なのは間違いないけど、あれほどの爆発力を備えるなんて。あれが王子の切り札か?


 疑問が頭へと浮かぶ中、俺は光弾を再び発射する。

 ブランカも地面から砂利を拾い上げると、強化魔法を込めて上空へと放った。


 俺たちの攻撃を受け、上空で紙が大爆発を引き起こす。

 だいぶ和らいでいるとはいえ、衝撃波と熱が地上へと襲いかかるのはよくない事態だ。


 不思議なことに、王子のいる王宮上部には爆発の影響がないらしい。窓が壊れている様子もなく魔法によって保護されているように見える。


 王子は次々と爆弾紙をばら撒いている。その数は50枚近いだろうか。

 爆風によってさらに不規則な動きをする爆弾紙たち。

 木の葉のように舞う紙に対してもはや狙いをつけている余裕はない。

 俺もブランカも光弾と砂利を手当たり次第に撃ち込むしかなかった。


 俺とブランカの攻撃をすり抜け数枚が地上へと降りようとする。


「あたいに任せろ!」


 ドリアが地面に向けて手を広げると、地面から巨木が勢いよく生えてきた。

 枝を広げ、葉を茂らせ、どんどん巨木は成長する。

 あっという間に巨木によって広場の空が覆われた。


 巨木へと接した爆弾紙が大爆発を連発する。

 木の葉や小さな枝が広場へと降ってくるが、爆発の熱と衝撃波はほとんど地上へは届かない。


 爆発を凌ぎ俺がほっとしていると、王宮の門から首無し騎士達に混じってローブを纏った人間が10人ほど出てきた。


 俺は『魔物図鑑』を取り出し、攻撃力のある魔物数体を召喚する。


「ドリアは他の魔物と一緒に国民を守ってくれ。魔法使いたちが王宮から出てきた。国民側だけじゃあ厳しい戦いになるだろうからな」


「ナイトはどうするの? わんわんは?」


「俺とブランカで王宮内部を攻める。まずは王子を止めないと有利が取れないからな」


 俺はブランカを呼び寄せると、


「ブランカ。正面玄関を通ると時間がかかる。お前の力で上階まで俺を運んでくれ」


「分かった。じゃあ、行くよ!」


 そう言うや否やブランカは俺を肩に担ぐと、掛け声とともに跳び上がった。

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