第15章 伯爵の城 2日目
第15章 領地視察という名の旅行(伯爵の城 2日目)
「…あい。亜依」
琉斗が私の名前を呼ぶ声で起きた。
「…ん?なに??」
「そろそろ、ベッドから起きて朝食に行かないか?今日はここ(伯爵の城)のすぐそばにある街を見に行く予定だからな」
そう言えば、昨日、そんな事も言っていたなと私は今、思った。
「うん。今、起きるね。」
「ああ。そう言えば亜依の今日の服はどうなってるんだ?」
「服なら、零か晴が選んでくれるはずだよ。今日、私が視察に同行する事も知ってるはずだしね。まぁ、私としては自分で選んでも良いと思ってるんだけどね。」
「そうか。亜依、とりあえず誰かが来る前に夜着で良いから着てくれないか?」
「えっ」
私は思わず今の自分の格好を見た。
…それは昨日、琉斗とどんな時間を過ごしたかがわかるような姿だった。
「ゴメン。すぐに着る」
「ああ。そうして」
「琉斗も服着て…」
少し恥ずかしくて顔を赤くして私が言うと
「わかった」
琉斗はその場で服を着た。
「亜依、ちょっと待ってて」
琉斗はそう言うと、私を置いて部屋を出で行ってしまった。
…数分後…
「お待たせ」
そう言って部屋に入ってきた琉斗はその手に美しいガウン(この世界では、公式な式典などで着用するものをガウン、私的要素の強い場面で着用するものをドレスという)というか、丈の長いワンピースと言った方が良いのか。
どちらにせよ、とても美しい服があった。
「それは?」
私が尋ねると、
「今日の亜依の服。選んできたから、着てみて」
「琉斗が選んでくれたの?」
「ああ。一通り視察が終わったら2人で街を歩いてみないか?」
「はい。喜んで」
2人で街を歩く。つまり、デートのお誘いだ。
「あ、後ろは俺が閉まるからとりあえず着てみて」
「えっ、大丈夫だよ。自分で多分できると思うけど?」
「できても綺麗にとはいかないだろう?俺がやるから」
「わかった」
そして、琉斗に言われた通り、途中まで自分で着る。そして、後ろを閉めるときになった。
すると、琉斗が私のことをうつ伏せにベットに押し倒した。
「り、琉斗!?」
「この方が俺は後ろを閉めやすい」
そう言うと、琉斗が下のボタンから徐々に閉めていく。ただし、同時に私の体に舌を這わせながら…。
琉斗の下が臀部に来たときに今まで抑えていたのに思わず声が漏れてしまった。
「あっ…、ぁ…。」
「フッ。言葉できかなくてもお前が良いってことがわかるな。」
「琉斗」
私が彼の名前を呼ぶ頃には彼は私の後ろのボタンを最後の1つまで閉めていた。
私が彼の名前を呼んだことに応えるように、琉斗は私の口にキスをした。
「さあ、琉斗。ご飯いこ?」
私がえがおでいうと
「あぁ。そうだな」
そう行って、ベットから2人で起き上がると琉斗がさりげなく手を出してきた。
「行こうぜ」
「うん」
そういて、2人で手を繋いで伯爵の城のダイニングに行った。
そこにはフェン=リルや晴、玲がもう来ていた。
玲・晴「おはようございます。殿下、妃殿下」
フェン=リル「はざす。ナディア、姫さん」
亜依「おはよう」
琉斗「おはよう」
すると…
晴「殿下や妃殿下にはもっと正しいお言葉でご挨拶してください」
フェン=リル「ゲッ。り、了解しました。」
玲「殿下、妃殿下。どうぞ、お座りください。」
そう言うと玲は私の椅子を引いてくれた。
そして、殿下との朝食を終えた。
ちょうどその頃。伯爵がダイニングに現れた。
伯爵「おはようございます。殿下、妃殿下」
亜依「おはようございます」
琉斗「あぁ、おはよう。君が来ないので先に朝食は頂いたよ。」
伯爵「あ、申し訳ございません。」
琉斗「私とアーネストはこれから街を視察してくる。夜は遅くなるかもしれないが気にしないでくれ。」
伯爵「承知しました」
琉斗「では。行こうか?亜依」
亜依「はい」