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第14章 伯爵の城 2日目の早朝
第14章 領地視察という名の旅行(伯爵の城 2日目の早朝)
朝、私は体に伝わってくる鼓動で目が覚めた。隣で穏やかに寝息を立てて眠る琉斗は私と向き合い私のことを抱きしめて眠っている。
その寝顔が以前向こうの世界にいるときに出かけた際に見たものと似すぎていて、こちらの世界では琉斗は27歳であるのにもかかわらず、幼く見えてしまう。
「ん…亜依、俺はどんな世界に…住んでても、お前とずっと、いたい…。」
驚いて琉斗のことを見たがどうやら琉斗は寝言で言っているらしい。
「琉斗。私も一緒にずっといたい。」
私がそう言って琉斗の胸に頭をつけると、琉斗が起きた。
「亜依?」
「琉斗。おはよう」
「おはよう」
私は、挨拶をすると琉斗の頬に遠慮がちにキスをした。
「亜依…」
琉斗がキスを深くする。
「ん…。琉斗…そろそろ起きないと。」
私がそう言ってベッドから起きようと上半身を浮かせると、琉斗が私のことを抱きしめて、ベッドに押し倒した。
「もう少しだけ、こうしてたい。ダメか?」
「えっ、わかった。」
そして、私は琉斗に抱きしめられたままもう一度眠りについた。