第12章 伯爵の城
第12章 領地視察という名の旅行(伯爵の城)
王都を出発してから1週間ほどが経った。
私たちは今、今回1番最後に視察する領地の伯爵の城に着いたところだ。
「王太子殿下、妃殿下遠いところをようこそいらっしゃいました」
「ああ伯爵。1週間ほど世話になる」
「とんでもございません。宴の準備が整っていますので中へどうぞ」
それから2時間ほど経った頃…
「やっと終わった〜」
「お疲れだったな、アーネスト」
「お前ほどじゃない。ナディア」
そういうとベットの端に腰掛けていた私をナディア(琉斗)がベットに押し倒した。
「りゅ、あっ、ナディア!?」
「シッ。静かに聞いてくれ。先ほど近衛に紛れ込ませていた私の密偵をこの城に放った。」
「えっ」
「おそらくこの城にも客室には覗き穴が作られているはずだ」
「だったら、おとなしく早く寝ようじゃないか」
「ああ、俺もそうしたいのは山々だが、伯爵に密偵が見つかると私の密偵は私の名を出す前に自ら死んでしまうだろう。だからこそ、伯爵をこの部屋の覗き穴の前に留めておかないといけないのだ。」
「じゃあ、どうやって…」
「アーネストの誕生日にやったことをするだけだ。俺に全て任せておけばいい。」
「えっ」
(私は一瞬にして自分の誕生日に何をしたかを考えた。朝から夜まで…ん?夜??)
「お前、まさか!!」
「ああ、今みたいに俺とお前がベットですることだ。」
「はぁ〜!?お前、正気か??」
「もちろん」
ナディア(琉斗)はそう言うと私の唇に触れるだけのキスを落とした。