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異世界放浪記 ダンジョンマスターの憂鬱

 神々の箱庭6


「もう直ぐ、チュトリアルとか言うのの時間だよ。シャキッとしな。」

 カルディアはかなり機嫌が悪そうだ。当たり前と言えば当たり前か、出来レースに強制的に参加させられたのだから。しかもチップは自分自身と最低な賭けを強いられればふてくされてもおかしくない。

 「じゃ、説明は飛ばしてバトルまで進めてくれ。」

 俺はアリスから貰った小太刀を帯剣しているだけというラフな格好だ。ここが最初の運試しになる。

 「時間じゃ、モンスター召喚。」

 カルディアの鋭い掛け声に気合を入れる。

 「げ、いきなりオークとかクソゲーじゃん。」

 全速力で走る俺にオークはこん棒で襲い掛かる。勿論、策は講じてある。  

 俺の手のひらに隠して火遁の術 火炎玉を発動させている。それをいきなりオークに投げつける。

 チャンス、予想通りオークは頭をガードする。小太刀を左手に持ちオークの腹を全力で殴る。

 「ボディが、がら空きだぜ。そのまま死ね。」

 腹を殴られたオークは前屈みになり思い切り小太刀で攻撃するのに良い辺りに頭が来た。

 俺の全力攻撃でオークの首が転がる。最初の賭けには勝てた様だが、ここからなんだよね。

 「ガチャ起動。」

 オークを倒したら、宝玉みたいな物が浮かんでいるのでそう唱える。

 宝玉が砕けると10個の破片に分かれて点滅を始める。青から赤に銀、金、虹と変化を続ける。

 「これはなんじゃ?どうなってをる。」

 カルディナは混乱してこちらに問う。

 「色によって貰える物が変わるんだよ。最低でも銀、出来れば金か虹が欲しいな。」

 俺たちは黙って成り行きを見守る。

 最初の欠片の色が止まる。・・・銀・銀・銀・銀・銀・金・銀・銀・銀・銀・・・あれ、金1個だけ?

 クソ、どうやらイカサマはされてなかった様だ。出て来た物は

 ・ミスリルの剣

 ・ミスリルの鎧

 ・ミスリルの盾

 ・精霊の指輪

 ・魔導士の杖

 ・未来の大天使(使徒LV1)

 ・魔導士のローブ

 ・癒しの杖

 ・聖なるローブ

 ・・・おいおい、勇者様とお仲間用のブツばかりじゃねえか。しかもRクラスのはずがSRクラスの装備ばかりってどうなってるんだよ。

 そんな状態で最後の破片を見ると輝きだす。・・・レア演出ね。

 銀から金に、そして虹にそして白に。・・・・白?って何、装備か仲間か。

 しかし白に変わった破片はそのままで変化を見せる兆しも無い。

 「・・・・・インチキだったな。」

 そう俺がこぼすと

 「インチキの意味が解らんが、最後の白の破片は何なんだ?」

 カルディアは疑問符を大量に浮かべた顔をして聞いてくる。

 「銀てのはレアで鋼とかのクラスの装備品だろう、ミスリルなんてスーパーレアクラスの装備だぜ?よう、名前はなんて言うんだ?」

 俺は未来の大天使と言う子供に近よる。ショートカットの10歳位の子供。

 「僕に名前はありません、性別もまだ決まっていません。彼方が僕の主ですか?」

 「えーと、多分そうだ。名前は・・・アリシア、性別は女で。」

 「解りました。では主従契約の証、進化の石を。」

 「・・・・進化の石?って何なんだ。どんな効果があるのか教えてくれ。」

 そう尋ねると。進化の石はこれ位の白い破片でと言い出したので先ほどの白い破片を見せると

 「これです。では説明の前に契約を済ませますね。」

 暫く祈りを捧げると淡い光がアリシアを包む。

 「これで主従契約が終わりました。進化の道標を手に入れましたので修行を積んで大天使になれます。後、進化の道標は4回使えますので大切に保管してください。」

 そんな説明がされる。で、進化の道標って何なのか解らないんですが?

 「えーと、進化の道標は秘宝です。本来なら閉ざされた進化への道を解き放つ物です。ドラゴンに使えば最古のエルダー種のドラゴンに進化します。」

 アリシアが無い胸を張って説明してくれたが。それって退化じゃないの?進化なの?と言う慰問が。

 そんなこんなで話を進めていると外が大分明るくなってきている。

 「それではアリス、食事を頼むのじゃ。」

 「ハイ、ではご主人様準備をしてまいります。アリシアも着いて来なさい。」

 「ハイ、アリス姉様。」

 仲良く2人で準備をする様だ。隣を見るとカルディナがため息をついて話があると自室に案内された。

 「進化の道標じゃが、あれは禁術じゃ。まさかそんな物まで持ち出しているとは。」

 「そんなにヤバい代物なのか?ドラゴンがエルダー種になると言われてもな。」

 「エルダー種のドラゴン1匹でドラゴン50匹は相手に出来る。」

 「・・・・・・・それって世界が終わらね?」

 「終わるな。まぁ、進化させるのに時間がかかるから直ぐには無理じゃが。それほどの物じゃ。」

 「じゃあ、大天使ってのもマズいんじゃないか?アリシアは大天使になる様な事を言っていたが。」

 「エルダー種に匹敵するな。しかも迷宮に天使ではすぐにばれそうじゃ、堕天使か降天使なら。」

 ドアをノックする音で会話が途切れる。

 「食事の準備が出来ました。食堂の方にお集まりください。」

 俺はカルディアに連れられ食堂に入るがアリシアの姿が見えない。

 「アリシアは?みんなで飯にするんじゃないのか。」

 そんな事をアリスに言うと。

 「アリシアは今準備中ですので後で召し上がれますよ。」

 満面の笑みでそう言われたのでカルディアと食事を始める。

 「これでチュウトリアルとか言うのも終わりじゃ。これから其方はダークネスとしてダンジョンマスターに登録される。これがダンジョンコアじゃ、迷宮を作る場所を決めたら起動させれば地下5階の迷宮の出来上がりじゃ。後は実際にやってみるのじゃな。・・・実は使い方は解らんのじゃ、起動させると案内が出るらしいのじゃが。その・・・よく解らん。」

 そう言い、おれに赤い野球ボール程の宝玉を渡す。テーブルに魔法で地図を開き

 「そうそう、どこら辺に行きたいのじゃ?最初の1回だけ行きたい所に送る事が出来る。」

 地図を眺め考える。王都の近くはパス、辺境のど田舎ではレベルが上がらん。・・・いい場所が無いな。

 あちらこちら移動させているとエルフの里と言うのがあった、彷徨いの森と言うらしい。

 「じゃあ。この彷徨いの森に近い村に頼むわ。」

 「解った、アリス達はどうする?一緒に送るか?」

 「いや、無駄なイベントは回避したいんでまず1人で行って場所の確保だけしてくる。」

 「無駄なイベントと言うのは解らんがダンジョンコアを起動させた翌日にでも送るわい。ちょうど・・」

 何かを言いかけていきなり飛ばされてしまった。気が早えーな、ちょうどなんだよっと思うと

 「へへへ、兄ちゃんいい装備持てるじゃんか。俺たちに恵んでくれよ。ついでに有り金もな。」

 ・・・・テンプレの回避には失敗した様だ。

 



 

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