日常異常-短編遊戯《ドラゴンナイト》-
ダンッタンッ…バララ。カランカラン…ドンッ!
-っ~。俺もヤキがまわったな。っと、あぶね。ふぅ、奴らとの戦争も幾数年。
はぁ…あいつのためとはいえ、っとと。ガラガラ瓦礫を盾に、いつまで続くんだろうねぇ、この戦争。
昨日は違う場所で同じこと…同じことをどこをいっても同じこと。
異常を望んで~って、今が異常か。荒廃した街を砂場に、遊びはしゃぐオヤジたち…それも上の方だけだが。
ん?あれは…
「待てっ!…クソッ、逃がしたか。追えっ!絶対に逃がすなよ!」
「はっはぁはふぅ…ひゃっ!むぐ、もー!」
「騒ぐな」
はぁ…またか。これも同じこと。ただ興味本意でこっちの日常に紛れ込む異常。
「何でこんなところに来たんだ」
「むー!」
ジダバダとまだ年若く、未成熟な身体が暴れる。ホントにヤキがまわったな。
こんな子供を相手にするなんて…。戦場に紛れ込む子供は多数居る。
大体はその街に居る被災者なのだが、偶に、こういう身なりの良い奴も紛れ込む。
「早くっととと、あぶねぇな。お前、平気か?」
「…ぶはっ!あ~、もう煮るなり焼くなり好きにしなっ!もう逃げも隠れもせぇへん!」
壮大な勘違いありがとう。
「俺だ」
「へっ?あ゛」
おお、茹でダコみてぇになった。そういや最近、タコ食ってないな…。
「むむむ~…兄ぃになら、あげても」
「ませガキ」
痛いッ!俺も痛い。耳つんざく気か、こいつは。
カランカラン…ん?わおっ。爆風と熱が全身を叩きつける。…ちっ、目が霞んできやがった。
「…これで、もうあの部隊は終わりだな。とうとう…とうとうあの部隊を壊滅させた!後は奴を捕らえて、幹部に献上すれば…ふはははっ!」
耳障りなこと、この上ないな。だが…これもまた同じもんだ。
「俺はまだまだビンビンだぜ?」
「ビンビン…」
「ませガキ」
「兄ぃが変なこと言うからだろ!」
呆然とこっちを見ている敵兵士。慌てて武器を構えても、もう遅い。
「バンッ」
口に出しながらハンドガンを撃つ。頭に当たり、崩れ落ちていく死体。
これもまた同じ。こんな同じことを繰り返していく。ただそんだけ。こっちは日常。こいつは異常。
全部が日常で異常。道徳?倫理?日常に、異常に、そんなもんはいらねぇ。
ただ生きるために、死なないために、日常を、異常を、繰り返す。ただ、そんだけだ。