前へ目次 次へ 4/16 4 次の日、簡単に荷物をまとめた。ボストンバックを肩に背負う僕に、母は何か言いたそうだった。 否定したいだけなんだ。うちの親は、 別に、生んでくれなんて頼んでねえし、勝手に生んで、自分の定めた型にはめ込もうとする。クリエイティブな感性を潰そうとしやがる。 うぜえ。 「トシ……」 「あ?」 玄関のドアが閉まると、解放感で胸が満たされるのを感じた。さあ新しい、本当の生活だ。 足取りは軽く、吸い込む空気は爽やかだ。 もっと早くこうすれば、よかった。そんな気持ちだ。