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次の日、簡単に荷物をまとめた。ボストンバックを肩に背負う僕に、母は何か言いたそうだった。


否定したいだけなんだ。うちの親は、

別に、生んでくれなんて頼んでねえし、勝手に生んで、自分の定めた型にはめ込もうとする。クリエイティブな感性を潰そうとしやがる。


うぜえ。

「トシ……」

「あ?」


玄関のドアが閉まると、解放感で胸が満たされるのを感じた。さあ新しい、本当の生活だ。


足取りは軽く、吸い込む空気は爽やかだ。


もっと早くこうすれば、よかった。そんな気持ちだ。

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