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スピンオフ『ネルのねるねる大冒険/蛍の逃避行』  作者: きぬごし一兆


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21/28

(21)大丈夫ですよ。僕、童貞のオタクですから。

 四人がホテルに戻ると、ロビーでジュンが待っていました。

「なんだ、お前いたのか」闘四郎が露骨に不機嫌な顔をします。

「もちろんですとも。何日でも待つつもりでいました」ジュンはそう言って嬉しそうに蛍に駆け寄りました。

 ――と、そのとき蛍の様子が少しおかしいことに気づきます。

「蛍さん、どうかしたんですか?」

「ピラミッドの中で痴漢にあったのよ」答えたのはキースでした。

「ああ、あそこは日本人を狙った痴漢が多いらしいですよ。日本人はおとなしいから」ジュンが言います。

「もう大丈夫よ。それよりジュン君、焼売フェス、見てくれてたんですって?」

 蛍は話題を切り替えました。

「はい。話したいことが山ほどあります。実はさっき、ここの最上階にあるキング・スイート・グーテンビューという部屋を取ったんです。そこでゆっくりお話ししませんか?」

「何だよ、お前。やけに手回しがいいな」闘四郎が一歩詰め寄ります。

「アンタ、お金持ちなのね」キースがいつもの癖でスカートをパタパタ扇ぎながら上目遣いでジュンを見ました。

「最上階からピラミッド見えるのかな」ジョッキは目を輝かせています。

「皆さん一緒にどうです? ジャグジーもあるらしいですよ」

「いいの。この人たちは」蛍がきっぱり言いました「私はジュン君と話がしたいの」

「いや、二人っきりはやべーだろ。お前、人妻なんだから」闘四郎は明らかに動揺しています。

「大丈夫ですよ。僕、童貞のオタクですから」

「全然大丈夫じゃねーだろ!」

「安心して。私に指一本でも触れたら、不同意性交で訴えてやるから」蛍はにっこり笑ってジュンを見ました。

「もちろんです。僕は一介のホタルさんファンですし」

 少し間を置いて

「それに童貞ですから」

「お前、そこ強調しすぎじゃね?」

「ほら、本人がそう言ってるんだから大丈夫よ」

 蛍はエレベーターへ向かいながら言いました。

「行きましょ、そのキングサイズのなんとかって部屋に」


 こうして蛍とジュンは、残された三人の恨めしそうな視線を背中に受けながら、エレベーターに乗り込みました。

 エレベーターのドアが音もなく閉まり、二人の姿が見えなくなると、闘四郎は急に不安に襲われ、頭を掻きむしりながらロビーを往復し始めるのでした。


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