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スピンオフ『ネルのねるねる大冒険/蛍の逃避行』  作者: きぬごし一兆


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(1)闘四郎の浮気

『ネルのねるねる大冒険』本編で当初お母さんの名前は詩織になっていましたが蛍に変更させていただきました。ご了承ください。

 闘四郎から、アイロンズに復帰してくれないかという連絡が来た時、蛍は運命のようなものを感じました。

 圭と結婚して、アイロンズのバンド活動からはキッパリ足を洗ったはずなのに、バンド活動への想いはこのところ膨らむばかりだったのです。

 そもそもロックバンド/アイロンズと縁を切ったのは、当時付き合っていたバンドリーダーの闘四郎と別れたからです。

 というか、別れたかったからです。

 理由は闘四郎のどうしようもない浮気性。

 アイロンズはそこまで人気の高いバンドではなかったけれど、それなりにファンがいて、その気になればいくらでも、というのは言い過ぎだけれど、ベッドに誘うことのできる女の子には事欠くことはありませんでした。

 しかも闘四郎はそれを付き合っている蛍に隠す気がないのです。

 浮気をなじっても、その時だけは土下座せんばかりに謝るくせに、次の日にはケロッとしてまた浮気です。

 そのうちに「アイロンズっていうのはさ、俺の不良っぽいイメージで持ってるようなもんだからね。俺が女にだらしないはアイロンズの為でもあるんだよ」などと言い出す始末。

 それに蛍が何より嫌だったのは、裏で闘四郎が関係した女性の数を他のバンドメンバーに自慢していること。

 恋愛感情に突き動かされて理性のタガを外してしまったというのならまだ我慢出来るけど、いやそれだって我慢ならないのだけれど、闘四郎の場合ただそれを自慢したいだけなんじゃないかって思えるのです。

 あるいはマウントを取るための手段としてるんじゃないかって。

 最低です。

 だったら闘四郎のことが嫌いになって、さよならバイバイ、また他の良い男とくっついてハッピーってなことになるかと思うのだけれど、ところがどっこいそうはなりませんでした。

 闘四郎のことが嫌でたまらない自分と、離れられない自分がぐちゃぐちゃになっているのです。

 というか、どんなに嫌だ嫌だと思っていても、闘四郎を目の前にすると好きという気持ちが抑えられないのです。

 それで、物理的に闘四郎と会えないようにするためにアイロンズを脱退したわけです。

 ちょうどそのタイミングで出会ったのが真面目を絵に描いたような圭でした。

 生活の安定している公務員というのにもぶっちゃけ惹かれました。

 程なくネルを妊娠。結婚。その後は子育てと家事の切り盛りに精一杯でした。

 ココも生まれました。

 優しい圭と子供たちに囲まれて、ふと幸せだな、なんて思うこともありました。

 でも、バンド活動への未練はずっとありました。

 闘四郎は嫌だったけれど、バンド活動は物凄く楽しかったのです。

 ステージに立ってギターをかき鳴らし、自分の歌を、声を限りに歌うこと、そしてそれに熱狂してくれる観客がいること。

 それは小さい頃からの蛍の夢だったのです。

 でも、バンドを組むということにはトラウマがありました。

 もうメンバーとのあれやこれやはまっぴらです。

 それで家族でバンドを組んでステージに立とうと思い立ちました。

 ネルにはドラム、ココにはキーボードを習わせ、圭にはベースの練習をしてもらいました。

 少しでもライブのあの熱狂の近くにいたくてライブハウスでPAや照明の仕事も始めました。

 そんな時だったのです。闘四郎からアイロンズに復帰してくれという連絡が来たのは。


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