怪奇現象?結局は只の仕掛けじゃない
『お分かり頂けただろうか?修学旅行中に撮影された男子生徒の集合写真の中に紛れて映る、その黒々とした姿。一番左の生徒の影に注目して頂こう。そう、影に紛れた松崎しげるが紛れ込んでいるのである』キャー
男「なんか最近の心霊特番ってこう……あー作り物だなって直ぐに分かるもの増えたよな」
幼馴染「合成の仕方が海外と比べて安っぽい事が、そう思わせるのでしょうね。海外の映像は良く出来ているもの」
男「……馴染は怖かったりしないのか?」
幼馴染「あら、もしかして少女漫画並みの展開を期待したの?残念な事に、わたしは科学で証明不可能な事は信じない主義なのよ。でもこの場合は業とでも怖がった方が良かったかしら。そうして貴方は怖がって縮こまる無防備なわたしを組み伏せる気ね。それで口を塞ぎながら『ホラー映画以上に怖くて、痛い思いをさせてやるよ』という気に違いないわ。あら鬼畜」
──ぎゅぅぅぅぅ
男「ならがっつりと腕に引っ付くのを止めてくれないか。その……色々当たってるんだが」
幼馴染「貴方は知っているかしら。幽霊は突き詰めればプラズマで説明付くのよ?結局科学で説明出来るちんけな物なんだから。物が揺れるポルターガイストも、電磁波が原因になっているに過ぎないの。ただの幻影錯覚なの」
男「……あー……ホットミルクでも飲んで落ち着くか?俺作ってくるからさ──」
────ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ
幼馴染「い、行っちゃ駄目よ……おーくん、傍にいなさい」
男「あー……はいはい傍にいるからなー?」
(っていうかてんぱった時におーくん言う癖は治ってないのな)