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どうしてそんなに無頓着なの?

腹が立つ腹が立つ!!

いや、腹が立つというより理解ができない!!


今、出張でとあるホテルに泊まっているのだが、ここで起きたイラっと話を聞いてほしい。


私は潔癖とまではいかないが、かなりの綺麗好きである。部屋の掃除は時間があればほぼ毎日するし、身だしなみにも気をつけている方だと思う。

当然、服や体が汚れることを嫌っているのだが、その中でも特に足元が汚れるのがかなり苦手なのだ。

例えば、雨の日に靴下がびしょびしょになる感覚は思い出すだけで変な顔になってしまうし、泥が靴に跳ねたりするのも許せない。


ビジネスホテルを利用するとき、私はいつもあることに迷う。

それは、部屋のユニットバスを使うか大浴場を使うかである。

正直に申し上げると、私はユニットバスが非常に苦手である。狭いし使いにくいし、トイレと同じ部屋というのも私にとっては嫌悪感がある。

しかし、大浴場も大浴場で問題が多い。風呂場のタイルのヌメりや脱衣所の水滴……。ああ気持ち悪い。

迷った挙句、私は大抵、大浴場を利用する。どちらも快適に利用できないのなら、せめて大きな風呂に入ろうという消極的な理由ではあるが。


今日もいつも通り悩んだ挙句、大浴場を利用することにした。

部屋のある8階から2階までエレベーターで降り、男湯の暖簾をくぐる。靴箱を見ると、他の客のスリッパは一束しかなかった。これはラッキーだ、多少は寛げるだろう、と思いつつスリッパを脱ぐ。

靴箱は三段になっており、一番上の段の右端に先客のスリッパが入っていたので、私はその対角の三段目の左端にスリッパを入れた。


どうやら今日は大浴場の利用客が少ないのか、脱衣所の床は全く濡れていない。いつもこんなに快適に利用できればいいのになァ、などと思いながら浴場の扉を開くと、先客のおじさんがちょうど出ようとしていたらしく思いがけず全裸でどうぞどうぞと譲り合いが起きた。

そんなこんなで後から入ってくる客もおらず、ゆっくり湯船に浸かって疲れを溶かして脱衣所に上がった。さっきのおじさんの残した水滴が多少気にはなるがまあ仕方ない。風呂上がりのさっぱりした気持ちに免じて許してやろう。


しかし、そのさっぱりした幸せな気持ちはすぐにぶち壊されてしまうことになる。

私のスリッパが、跡形もなく消えていたのである。

いや、厳密にはスリッパは一束ある。靴箱の一番上の段の、右端に。


自分のスリッパを入れた位置をすぐに忘れてしまうほど脳みそがツルツルなのか、それとも誰のスリッパを使おうが気にしないほど物事に無頓着なのか。

おそらく後者なのだろう。そんなことをいちいち気にしている私がおかしいのかどうかはこれを読んでいる皆様の判断にお任せするが、私にとっては非常に大きなことなのである。自分の部屋のスリッパで来て、自分の部屋のスリッパで帰る。足元の汚れに敏感な私にとってこれほど重要なことはないのである。


実は、こんなことが起こったのは初めてではない。

今回を除くと過去に二度、大浴場でスリッパを取り違えられたことがある。



想像ではあるが、女湯ではこんなことは起こらないような気がする。

男性の無頓着さ・自分勝手さを象徴する出来事なのではないかという気がする。


仕方なく、その残された元はおじさんのものと思われるスリッパを履いて部屋に戻った。

ああ、もう一回足を洗いたい。

男がみんなこうだと思ってるわけではないですヨ!!

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― 新着の感想 ―
よくありますね。(笑) 間違えられるのが嫌なので「どう考えてもそこに置けば間違えないだろ」っていう場所に置いたのに、なぜか間違えられている。 この場合、先に入っていた方が間違えたのか、さらにそのその先…
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