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退職まであと2日

やっと電話することが出来た。

何日か前からいつ電話をかけようか考えていた。

求人の電話する時間ではない気はしたが、

18:30 この時の私にはこの時間が自分で1番良いと思った。


求人の電話は外でかけた。

住んでいるアパートはとても古く生活音がダダ漏れであり、

高齢者しか住んでいないため、

うるさいと下の階のおばさんがまた突然来てドアをノックされても嫌だったから(インターホン無し)車に乗って外出した。


求人の電話となると、こちらが雇ってほしい側、

夢のために、雇う側の事を考え、

どうしたら気持ちよい反応をしてもらいスムーズに進むのか…

スーパーの駐車場に止めて電話をするのは落ち着かない気がして近くのスーパーの駐車場はやめることにした。


コンビニの駐車場…

近くのコンビニ、どこがあったかな…?考えた。


あお区のむらさき町のコンビニにしよう、

今いるところから近いし、求人を出している場所もひらめいたコンビニと同じ町内だったから。


車を走らせ到着。少し緊張する。

緊張を紛らわすため、大好きなタバコを吸う。

これを吸い終わったら電話しよう。

タバコを吸っている間、緊張と希望が入り乱れていた。

タバコを吸い終わって自分を励ます。

大丈夫、この電話をきっかけに夢が実現する。

きっとうまくいく、

嫌になったらすぐ辞めればいい、

短期決戦、お金がたまればすぐやめる、

自分がどこまでやれるのか、試せるいい機会だと言い聞かせ

空を見上げ、

唯一可愛がってくれて星になったじーちゃんと

優しさを教えてくれて星になった愛犬(おねぎ)に話をした。


じーちゃん、おねぎ、いつもありがとう。

これから大事な夢のために頑張るよ。

出来るとこまで頑張るから、見守っていてね。

いつも本当にありがとう。だいすきだよ。


よし、腹は決まった。頑張ろう。出来るとこまで。


求人内容によると、

求人の電話のあとに面接、研修、

早い人であれば、すぐにお仕事と書いてあった。

アロマのお店という事、求人内容に経験者大歓迎とあり、

整体、アロマ、リンパ、足ツボの経験がある私は

すぐにお客様に入れる自信もあった。


では今から…と言われる事も想定して化粧をしていた。

制服は貸すと書いてあり、気にはしなかったが、

印象がいいように、

襟のついた白いワイシャツを着た。


求人に書いてある番号に電話をかける。

緊張が走る。

もしもーし…

女性が電話にでた。

お忙しいところすみません、今、お電話大丈夫でしょうか?

やっぱり忙しい時間帯だったかな…少し心配になる。

どちら様ですかあー?

私はどうやらどこかの業者や営業に間違われたのかもしれない…

あの、求人を見たのですが…

なんだか不安になる。

あー、求人の募集見られた方ですか?

ありがとうございます。

と、ここからようやく私は求人募集で電話してきた人だと

認識され、話が進み始めた。


求人募集に対しての動機や経緯、目標を聞かれた。

夢のために稼ぎ、貯める。

希望額に達すれば即退職させていただきたいと伝える。

経験者なのでお店側の即戦力になれると思うと伝えると

経験者とは、一般的なよくあるアロマのお店ですよね?

はい、よくあるリラクゼーションのアロマのお店です。

と答える。

やはりおおっぴらに出来ないアロマの店なんだよな、

と思うがそれも百も承知、想定内だった。

そうですか、では面接の方は〜…

【これから】という言葉をどこかで期待していた。

明日…

明日かぁ…

どこか寂しいのと嬉しい気持ちが同時にあった。

退職がまもなく、有給消化中とも伝え、

時間に余裕があることもふまえ、

明日の10時…いや、13時で大丈夫でしょうか?

と言われ、

明日の13時と話が結べた。嬉しかった。


電話が終わったあとにショートメールが来て

お店の住所と丁寧な言葉が添えられていた。

これで夢がまた一歩近づく、

小さな一歩でもとても大きな一歩だ、

私は本当に嬉しかった。


アパートに戻り、娘と主人に明日から日払いのバイトを始める、夢のために頑張る、と話した。

何の仕事?場所はどの辺?あらた町?(あらた町は中心部)

と聞かれ、

アロマだよ、出来るしわかるから、

場所はむらさき町らへんかな…

ふーん…

とにかく頑張るから、応援してほしいと伝えた。

この熱意を盾に、心配されたくないのと

心配をかけたくなかった。

私は明日に希望を願い、不安と期待でいっぱい、

でも家族には決して不安を見せずに心配させないと

心に誓った。

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