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1-1 賢者希望
きっと、ここは、死後の世界なのだろう。
僕は神様のような老人と遭遇している。
「キミは、生前、冴えなかったが、マジメで頑張るいい子ではあった。なので、異世界転生のチャンスを与える」
異世界……。
「次の世界では、ジョブを持っていると有利だ。なので、好きなものを選びたまえ。勇者とか賢者とか戦士とか、そんなものを」
「じゃあ、賢者で」
「ふむ……。では、キミを異世界に転生させるが、前世での真面目な性格のままに、新たな道への邁進を期待するぞ」
「ありがとうございます」
「クックック」
神様のような老人が笑ったなり、あたりはまばゆいばかりの白い光に包まれて、僕は気を失っていった。