キラキラの……つらら?(笑?)
『冬のキラキラ恋彩企画』参加作品です。
ご主催の藤乃澄乃様、ご覧の読者様方、
宜しくお願い致します。
と或る国の地下鉄駅構内。
壁には水道管であろう金属管が走っている、
詰まり壁に設置してあるのだが。
「うわあ……信じらんねえ……!
金属管に氷柱が下がっているぜえ……?」
少年が日本語で言った。
所は外国だが
日本人であった。
「見様に拠ってはキラキラして綺麗、と言えるでしょうかw!
此の辺り、冬はマイナス40度位になると言いましたかしらw?」
少年に少女が応える。
やはり日本人だし髪は地の色、黒髪だ。
其して氷柱は蛍光灯の光を乱反射していたのだ。
「おー! 其れは寒いなっ!」
今一人の少女が
寒いという割には元気に応える。
やはり黒髪だ。
少年少女には一人ずつ成人女性が付いており。
六人……で、男は一人だけの日本人集団が在った。
「マイナス40……? 流石に其れは無くないか?」
少年が顔を引き攣らせつつ問う。
「マイナス40度」と言った少女は
素早くスマホを操作して。
「あらあw? わたくしが聞いたのは
特別寒い記録の日だったかしらw?
やはり普通は其処迄ではない様ですw!」
少年は呆れた様子で。
「ネットって本当に便利だな?」
言いつつも少年はスマホを弄る気配は無い。
馴染みが無い様だ。
少女が応えるには。
「便利な所も有りますがw!
抑も調べたい事柄の
手掛かりには成る言葉が思い浮かばないと
調べ様が無いのですわw?」
「……成る程……」
やはりスマホを弄る気配が全く無い元気な少女をちらりと見て。
少年は何やら納得する。
元気少女はといえば。
「おー! 美羽はスゴいな!」
呑気に其んな事を言う。
唯一人スマホを操作していた少女は
「美羽」という様だ。
「陣もガンバれよー?」
元気少女は唯一人の少年、「陣」に其う続け。
「ああ、うん」
陣は微妙な表情で返事をする。
「外国の電車は
時刻が正確でないとは言いますが……w!」
美羽はにこやかな様でいて
目が笑っていない。
「……日本でも完全には正確でもないだろ?」
陣が恐々と
外国の電車を庇う様な事を言う。
が。
「其れでも日本の「ダイア」は優秀と言いますからw?
比して外国はいい加減なのですわねw?」
美羽はやはりにこやかな様でいて
実際は凄く不満らしい。
「まー予定が有るじゃなし。
ゆとりを持とうぜ?」
陣は恐々とだが美羽を宥める積もりの様だ。
唐突に。
「お気楽極楽!
あーはははははw!」
元気少女が笑い出す。
何も考えていなさそうだ。
しかし美羽の表情は和らぎ。
「海さん可愛らしいですわw?」
「ありがとー♪ いええええええええw!」
何やらやりとりをする。
元気少女は「海」という様だった。
外国では女子どもだけで外を出歩くなんて
考えられない、等と言う。
日本でも米軍基地の有る所では
米国軍人に因る殺人事件がちらほら有った。
本気で居なく成って欲しいものだ。
陣達の集団も
女子どもと言って違わなかったが。
お付きの成人女性達は護衛であり。
三人も居れば連携も出来て
対応の幅も広がろうというものだった。
しかし?
「えー……! 済みません。
せつなさん……? 大丈夫でしょうか?」
申し訳なさそうなものの。
陣は海のお付き、「せつな」へと問う。
というのも見た目頼りなさそうで。
命に関わる事なので
失礼だと承知しつつも
訊かずにいられなかったのだ。
しかし陣のお付きの女性が。
冷たく言い放つ。
「せつなは困り顔をしてばかりですが。
此の中では一番強いのではないですかね」
「え゛っ?」
陣は驚くしかない。
其れから読み取れるであろうか。
せつなは何時も海に困らされている、
と言外に言っている。
「ご……ご免なさい……!」
思わずといった風に陣は謝った。
一方。
「せつなつおいの?」
海は無邪気に訊く。
「え……ええ……w!」
せつなは困り笑いで答える。
普通の感覚ならば
強いか訊かれて肯定するのも恥ずかしかろう。
「かっくいいぃいぃいぃい……!」
海が独特な反応をする。
と、せつなが更に顔を赤らめるが。
「其れよか其の独特なノリは何なんだ?」
陣は其れの方が気になった様だ。
答えたのは。
「其んなアニメ化漫画のキャラクタが居た様ですw」
やはりスマホを片手にした美羽だ。
「ホントに便利だな?」
陣は呆れる。
兎に角。
地下鉄で遠出しようという一行であった。
しかし移動中兎に角暇な様で。
陣は浮かない顔なものの集団はお喋りに興じる。
「態々出掛ける事無くないか?」
しかし美羽はやんわりと言うのだ。
「陣さん消極的ですわねw 折角の外国だというのにw」
更に海も乗っかる。
「陣! しょーきょくてきだぞー!」
其れでも陣は苦虫を嚙み潰した様な顔で。
「危険じゃあないなら未だ良いんだ!
しかし外国じゃあいい話は聞かないだろう!」
何しろ米国では
子どもから目を離した、となったら途端に虐待とされる。
しかし現実的には
完全に目を離さなかった、等とは中々言えるものでもない。
どれだけ危険で結果が悪ければ責められるものだか、
というものだ。
其れでも美羽はにこやかで。
「或る程度、ですが。
危険度が色分けされている地図を見られるのですわw?」
スマホをひらひらさせている。
「はー……!
其んなモン見てまで出掛けたいのかよ……!」
陣は早げっそりしてしまった。
何が面白いのだか、といった風な美羽が。
「コレは吊り橋効果なんて有ったりしますかしらねw?」
等と言う。
「つりばしー?」
やはり海は何も分かっていなさそうだ。
「恐怖で脈拍が上がるのを
レンアイ的な何やらと勘違いするって事だ!」
陣はげっそりしながらも
理路整然と言って退ける。
「?」
しかし海は分かっていない。
「恐いドキドキが恋のドキドキだと思ってしまう事ですわw?」
美羽が改めて言い直すと。
「おー! ソレはスバラしいなっ!」
海ははしゃいだ。
何がスバラしいのかは謎だ。
海は更に続ける。
「陣はもっと分かる説明をしなきゃダメだぞ!」
「「ドキドキ」とか
ちゃんとした言葉じゃあねえだろうがっ!!」
陣は微妙に泣きそうであっただろうか。
「抑もっ!
誰と誰が気にするってんだ? ソレはっ!」
陣は迚も嫌そうだが。
美羽と海は面白そうで。
「あらあw? 少なくとも片方は決まっているのでなくてw?」
「決まっているなっ!」
海は分かっていなさそうだが。
男は陣だけ、という事だ。
しかし。
「えー…………?」
陣は本当に嫌そうに海と美羽を見る。
美羽は余裕でかにこやかで。
「あらあw? 其れはどういう事かしらw?」
「何が?」
一方海は分かっていない。
女性は視線に敏感であろうに
海は目の前の陣の視線をものともしていない。
「……良いか?」
陣は溜息を吐きつつ始める。
「俺等は未だ男女のお付き合いをする様な年齢でもないし
レンアイなんぞしている場合でもないだろう?」
陣達は遊びで外国に来ている訳ではなかった。
故に陣は出掛けるのを渋っていた。
しかし美羽はあっけらかんと。
「其れでも抑えられないのが恋心ですわw?」
「知るかっっっ!!」
陣は其れに即座に突っ込む。
未だ恋というものを知らない様だ。(笑)
美羽はやや真剣そうに続ける。
「あのですね。 文明度が高いと晩婚化するなんて言いますが!
今日本は晩婚化処か
急速に滅びに向かっているのですよ?」
「ふーん」
陣は他人事といった顔だ。
「庶民の結婚子育てを邪魔しているとしか思えない政策!
日本人はやっぱり実は真面目だからまんまと踊らされて
実に男性の四分の三は一生独身が確定しているだとか!!」
「大変だな」
「此処で陣さんが立ち上がらなくてどうするんですかっ!」
「何で俺っ?!」
美羽はもう発奮しているが
陣は付いて行けていない。
「此の場の皆を娶る位の気概を見せなくてどうするのですっ?」
「重婚罪だろおおおっ!!」
陣は反発するものの。
お付きの成人女性達の目の色が変わった気がする。
其して美羽はしれっと続ける。
「国が日本を滅ぼそうというなら
法律に価値なんか有りません!
籍なんか入れずにみんなとお付き合いすれば良いのです!」
「ソレ明らかなダメ野郎だろおっっっ?!」
陣はもう嘆いているが。
「いいええw? 男性が自発的にやればダメなヒトですけど
多くの女性から求められたのなら
男性は応えれば良いではないですかw!」
其れでも美羽は饒舌で。
ふと。
「いや待て?
何で男からだとダメなのに
女性からだと応えなきゃいけないんだよ!
結果は同じじゃあねえか!」
陣は嫌がりつつも尋ねると。
美羽はしれっと答える。
「男女のお付き合いなんて其んなものではないですかw!
女が良いのならイチャイチャで、
気に入らないのならセクハラ性犯罪とw!」
「……確かにな!
勝手だねえおい!」
陣も渋々認めざるを得ない。
誰にともなく突っ込む。
此の場の誰を責めても仕方のない一般論だからだ。
だったのに。
「勝手だぞお!」
何故か海が応える。
「……」
此れには陣も困ってしまうが。
美羽も困った笑みを浮かべながら続ける。
「基本女は弱いですからねw!
弱者に揃えるのが平和な世の中の秘訣でなくてw?」
「成る程な!
確かに強者が思い通りにすると非道な社会だ!」
陣も納得せざるを得なかった様だ。
「けど其れと此れとは別だよな?
男女のお付き合いなんか義務でも何でもないし!」
「陣さん!」
此処で美羽が一喝した。
「目を背けないで下さい!
もう日本人は少子化処ではなく
大虐殺級に減っているというのですよ?」
美羽の目は厳しいものの。
「其んなにか……!
いやだからって俺にどうしろと?」
陣は何とか返事をする。
美羽は我が意を得たり! という顔で。
満を持して言う。
「取り敢えずわたくし達全員と子を生してですね……w!」
「何でやねんっっっ!!!!」
取り敢えず陣は突っ込んだ。
「……だから社会的に許されないだろおソレはっ……!」
陣は嘆いた。
しかし美羽は平然としていて。
「ですからw! 最早社会は日本人を滅ぼす敵ですw!
何を聞いていたんですかw?」
「そーそー!」
海が合の手を入れるが
見るからに分かっていなさそうだ。
美羽は熱弁を続ける。
「とは言えわたくしと海さんが今身籠ったら
年齢的に問題に成りますわねw!
しかしまなこ達はそろそろ其うも言っていられませんw!」
お付きの女性達の目が更に恐く成った。
美羽のお付きは「まなこ」と言った。
「ってえ?!
さつきさん達は護衛なんじゃあねえのお⁇!!
コワいんだけどおっっっ?!」
陣はお付きの女性達の視線に耐えられなくなってきた。
陣のお付きは「さつき」と言った。
其んな陣を余所に
美羽は話し続ける。
「女でも分かっていないヒトが居る様ですがw!
妊娠出産は三十代前半が限界ですw!
真面目にお付き合いから~と考えたら
二十代には決めないといけませんw!
しかし世の中の風潮は
三十過ぎてから結婚、ですよねw?
子を産ませない様にしているとしか思えませんw!」
美羽は目が笑っていなかった。
お付きの女性達の目がもっと恐く成った。
せつなでさえも、である。
「今でも不倫悪い! という話が目立ちますがw!
確かに悪いですけどねw?
しかし其れは
男性の四分の三が一生独身という事実を
隠していませんかw? とw!
結婚しているのは半分の更に半分ですよっw?
女の方が人口少ない筈なのに
あぶれちゃうんですよっっw?
此れこそが由々しき事態ですよねっ!」
美羽はもう全く笑っていなかった。
陣は。
「……」
どないせえっちゅうねん! という顔であった。
顔だけだ。 口は開かない。
美羽の熱弁は続く。
寒い時期だというのにご苦労な事だ。
「とはいえもう四分の三の方々は
引っ張り出し様が無いでしょうね!
いえ其れも一つの手ではありましょうが!
しかしもっと良い手が有りますw!
優良物件をルームシェアすれば良いのですw!」
「一寸待てえいっ?!」
陣が堪らず待ったを掛けた。
「何でしょうw?」
美羽は落ち着いた様だ?
「要約すると……
一夫多妻制みたいな事をやろうとか言っていないか……?」
「流石陣さんw! といった理解力ですw!」
美羽は本気な様だ。
陣は嫌そうに続ける。
「話の流れから行くと……
……!」
いや続けられないでいる。
続きは美羽がにこやかに言う。
「陣さんを
わたくし達みんなで共有しましょうという話ですわw?」
「俺が資源物か何かみたいな言い方するなあっっっ!!!!」
陣は即座に突っ込んだ。
「日本人が滅びそうなのですよw? 陣さんw!」
美羽は何やら説得する積もりの様だが。
「俺一人がどう此うする問題じゃあねえだろっっっ!!」
陣は反発する。
「みんなが其んな事を言っていたら
何一つ変わらないのですっw!」
現代の問題は全部其うなのかも知れない。
という事を美羽は言う。
しかし陣には酷だろう。
「抑もだな!
俺はご期待には応えられないぞ?」
陣は苦々しく言う。
「ホモだからか?」
海がぽろっと付け足した。
「止めろって言ってんだろおおおおおおおおおっっっ!!!!」
此れには
陣は即座に反発する。
「俺はっ!! 他人を信じられないっっ!!!!
家族からロクデナシばっかりだったんだ!!
何処の他人を信じろっていうんだよっ!!!!」
悲痛な訴えであった。
美羽が陣の右手を両手で握る。
「わたくしだって同じ、とは言いませんが
信じられる家族なんて居ませんわ?」
海が陣の左手を両手で握る。
割と力が籠っていたので
陣は思わず海を見ると。
涙ぐんでいる。
陣はというと
冷めているが。
「絆されないからな?」
「絆されなくて結構ですw!」
美羽が言う。
「陣さんが優しいと。 わたくしは知っています。
其れで充分w」
「俺は優しくなんかない」
陣は本気で言っているが。
美羽は笑う。
「ご自分で優しいなんて言うおヒトの方が疑わしいですよw」
「其うだぞお陣はやざじいぞおおお!」
海は涙目で言っていて
陣は頬を引き攣らせる。
「あたしの事マトモに相手してくれるヒト他に居ないもん!」
此れには美羽の笑顔も引き攣る。
「だがらあだしは美羽も陣もだいずぎだあ~!」
「あー……! 其うか……!」
流石に陣も其れには反発出来ない。
「ふふふw はいはいw」
美羽はさっとハンカチを取り出して
海の目元をそっと拭う。
「ねえ海さんw?
みんなで陣さんの赤ちゃんを産んだら幸せじゃないかしらw?」
こそっと美羽が言う。
「う゛? せつなも? みんな?」
海は反応してしまっている。
「ええw!」
美羽は。
何と言おうか。 迚もにんまりとした。
「ソレ良いな!」
「今其んな事言うなよっ!!」
海は手放しで賛成な様だが
陣は黙っていられなかった。
扨。
電車を降りて駅を出たが。
街路樹には数多の電飾が施されていた。
未だ日中ではあるが。(爆笑)
「はー?
夜はもっと危険だというのに
何街路樹を飾ってんだ?」
陣は心底呆れた調子で言う。
「其うは言っても
絶対外に出ないとも言えないのではなくてw?
現地のヒトは特にw!
暗く成る迄ぶらぶら致しませんw?」
美羽は浮かれている様だ。
陣はというと顰め面で。
「暗く成る前に帰るぞ!
君子危うきに近寄らずって言葉を知らんのか!」
しかし美羽は不敵な笑みを浮かべる。
「でしたらわたくしは
虎穴に入らずんば虎子を得ず、とお返事しましょうかしらw?」
「いや。 何が「虎子」に当たるんだよ?
危険に釣り合う見返りが無いだろう!」
詰まりは
危険を冒さねば価値有るものは得られないという言葉だが。
陣には見当も付かない。
美羽が言うには。
「ですから陣さんのドキドキですw!
危険でないとドキドキが得られないでしょうw?」
「未だ言ってんのかよっ!
此処の危険は遊園地の施設と訳が違うんだぞっ?!」
其れには即座に陣の絶叫突っ込みが入った。
「兎に角暗く成る前に帰るに限るぞ?」
陣の意見は其れに終始するが。
「デンショククラゲ見たいぃ!」
海が駄々を捏ね。
「ねーw!」
美羽が乗っかる。
陣は。
「クラゲじゃねえよっ!!」
ツッコミをしていた。
因みに「デンショククラゲ」は
電気ではなく「酵素」で光っているのだとか。
買い物、というか冷やかしは。
結局暗く成る迄続いた。
「うーえ……!
物価が信じらんねえ事になってる……!」
陣は迚もゲッソリしていた。
「断固として買う気にはなりませんわねw!」
美羽は寧ろ面白がっている様だ。
「おー高いのか!」
海は呑気だった。
何故か海は
美羽と陣の子でもあるかの様に二人と手を繋いでいた。
「良いから帰るぞもう!」
陣は気が気ではなさそうだ。
「お手洗いも使えたものではありませんしねw!」
美羽は気軽な風に付け足す。
「……其うか」
陣は其れには言葉を継げない。
そろそろ暗いので
電飾に明かりが点る。
海は二人と繋いだ手を引っ張る。
「見てー! キレーだよ♪」
電飾……イルミネーションの事だ。
しかし陣は。
「済まんが俺は
人工の光をキレイとは思えない!」
バッサリである。
「其っかー! 仕様がないなー!」
海はあっさりしたものだった。
美羽は苦笑いしている。
「……ねえ陣さんw?」
徐に。
美羽が陣に問い掛ける。
「他人が信じられないと仰いましたねw?」
「あー……うん」
美羽は胸に手を当てる。
「誓いましょう。
わたくし達は陣さんを裏切らないと!」
「一寸待てい!」
直ぐに陣の待ったが掛かる。
「何で複数形だよ!
未だ一夫多妻みたいな事言う気かよ!」
「ちっw! 気付きましたかw!」
「「ちっ」じゃなくて!」
陣が直ぐに突っ込んだが。
美羽の其れは舌打ちではなく文字を読む様に言った。
巫山戲ているのだ。
美羽は楽し気に続ける。
「思いませんかw? 不倫は悪いですが
其れは欲に汚いからですw!
おまけに当人も悪いと分かっているから
こそこそするのですw!
一方w!
女が優秀な男性の遺伝子を求めるのは自然な事ですw!
複数の女が一人の男性を優秀と認めた場合w!
奪い合うよりも
共に愛し合うのが平和なのではないでしょうかw?」
「取り敢えず「遺伝子」とか生々しいから止めてくれるかっ?!」
やはり先ずは陣の突っ込みが入った。
「其してソレじゃあ
結果は不倫と違わないじゃあないか! っての!」
しかし美羽は負けじと返す。
「ですから女が良いのなら問題にならないのですw!
其して日本人を滅ぼそうなんていう社会の倫理なんか
守る必要無いと言っているじゃあありませんかw!」
美羽は笑んでいる様で目が真剣だった。
「社会を敵に回すなんて簡単じゃないだろう……!」
陣は困ってしまうが。
其れでも美羽は畳み掛ける。
「表面的位にでも
『源氏物語』はご存知ですよねw? 陣さんw!」
「あー! レンアイ物語なんて言うけど
とんだ下衆野郎の話だよな!」
陣は嫌悪している。
のだが。
「ですからねw! 日本でも昔はもっと
恋愛に大らかだったのですよねw!
結婚しても苗字を替える事なかったのですしw!」
美羽にとっては良い論拠だったらしい。
「昔の事を言っても現状にはそぐわないんじゃあないか?」
陣は其れでも難色を示すが。
「ですからw! 現状日本人が滅びそうなのですから
西洋なんかの一夫一婦制にしがみ付くべきではないでしょうw?
もっと進化しなくては! ですよw!」
現代日本の婚姻制度は西洋式其のままであるが。
美羽は冷たく蔑視していた。
「わたくし、負けたくないです!」
「お、おう」
陣もたじたじになるしかない。
が。
「ですから陣さんも頑張って
此処に居るみんなを幸せなお嫁さんにして下さいw!」
「其処可笑しいっ?!」
其れは聞き入れられなかった。
「ライオンとか
オス一頭がメス集団を所有するじゃあないですかw!」
「俺等はニンゲンだけどなっ?!」
「どうあっても女は一年弱に一度しか出産出来ないのですw!
複数の女が一人の男性を共有するのは
理に適っていると思いませんかw?」
「だから俺を資源か何かみたいに言うなっ!」
「陣様。 子どもは何人でも良いですが
少なくとも男女両方欲しいですよね」
「さつきさぁあんっっっ?!
しれっと何言っちゃってんのっ?!」
「まなことせつなとも共有しなければいけないので
早い所決心して下さい」
「だからああああああっっ?!
神威に知れたらどうすんのっ?!」
神威とは
お付きの女性達の雇用主神威覇征抖であったが。
「大丈夫です。
出産育児の補償はしっかりしています」
「まなこさんまで何言っちゃってんのっっっ!?」
陣はどうあっても抵抗するしかないが。
「陣はみんなを好きじゃないの?」
「っ……!」
海の一言に言葉が詰まった。
「あのな?
「好き」とかいう言葉簡単に使うモンじゃあないだろ?」
何とか陣は言い繕うが。
「言わなきゃ伝わらないんだよ?
後で後悔するよ?」
海に返されると。
「……「後」と「後悔」じゃあ
言葉がダブってんよ……!」
本題ではない所を力無く指摘する事しか出来なかった。
其んな風に喋りながら。
一行は本拠地に戻ったが
関係性がどう成るかは未だ知れない。