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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第八章:Reborn
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Demonic Divinity (2)

 どうなっているんだ?

 魔法で攻撃されたのは確かだ……。

 この腫れ上がっている足の傷を付けられた時……たしかに、ほんの微かだが……何者かの「魔力」を感じた。

 しかし……今の私と……特務憲兵隊時代の同僚の体からは……他者にかけられた呪詛や魔法の気配がまるで感じられない。

 く……くそ……闇雲に解呪してみても……体調は悪化する一方だ。

 針で突かれたほどの足の傷は……歩くのもままならぬほどに痛み……熱で考えがまとまらず……全身には極度の疲労感……そして吐き気がするのに……胃の中には何も無い。

「約束のモノだ。医者には……こいつらが感染してるのは、特殊な耐性菌だから、くれぐれも注意しろと伝えてくれ。と言っても、空気感染はしないがな」

「なるほど……」

 その時……女2人の声……。

 だめだ……熱で……マトモな魔法が使え……。

 目の焦点が……ようやく合う……そこに居たのは……。

 広島の暴力団の幹部・佐伯漣と……突然、現われて……全てを無茶苦茶にしやがった「正義の味方」を名乗るテロリスト。

「き……貴様……貴様のような奴らが……好き勝手やってるせいで……」

「何が言いたいのか、良く判らんな」

「ふ……ふざけおって……貴様のせいで……一体全体、今日1日で……何人死んだと思っているんだ……?」

「熱が引いて、冷静になったら、今日起きた事を、よ〜く、思い出せ。私達は、今日1日で……片手の指で数えられるほどの人間しか殺してないぞ。しかも、約半数は、適切な治療を行なえば助かった筈だ」

「う……うそ……を……」

 い……いや……馬鹿な……う……嘘じゃ……。

「お前のようなマヌケは『正義の暴走』なんて言葉が大好きなようだが……今日起きたのは……どう考えても『恐怖の暴走』だ。言い掛かりを付けるのも結構だが、やるならやるで、体調が回復して、冷静な思考が可能になってからにする事を推奨する」

 い……いや……どうなってる?

「だ……だが……我々は諦めん……必ず……再び……」

「お前たちの『魔法少女』商売も潰れたも同じだな。私達が想定した以上の事が起きた。ある意味で『魔法』を超えた『奇跡』が……」

「……な……何の事だ?」

「今日、あの場に居た『魔法少女』達を……もう、誰も、『魔法少女』とは思わんだろう」

「だ……だから……何を言っている?」

「誇りに思え。あの『魔法少女』達は……彼女達を育てた、お前らの想像さえ超えたモノになったぞ。皮肉抜きで、うらやましいぞ……師匠冥利に尽きるな」

 い……一体……我々が意識を失なっている間に……何が起きたと言うのだ?

「今日は『魔法少女大戦』なんて下らないイベントが始まった日ではない。魔法少女とも私達『正義の味方』と呼ばれる者達とも違う、新たなる人々と世界の護り手が生まれた日となる」

 その「正義の味方」の言葉が……何を意味しているか理解できなかった。

 ただ……1つ判ったのは……それが、我々の「商売」に対する死刑宣告らしい事だった。

「さて、こいつらが感染した病原菌に効く抗生物質だ。あとは好きにしろ。こいつらの『商売』を乗っ取るなり、何なりな……」

「わかりました。では、我々『神政会』は……協定通り『Neo Tokyo』には手を出しません」

「お……おい……何をしている……得意の……」

 俺は……横の簡易ベッドで寝ている特務憲兵隊時代の同僚にして、我々の会社の社長を怒鳴り付け……。

「で……できん……佐伯漣の心は……操れん……ヤツの中には……何かが……」

「お……おい……何が居ると……?」

「私の中に居るモノを言い表す単語が有るとするなら……貴方が想像したモノで当っていますよ、()社長さん」

 佐伯漣の冷たい声。

 ドサっ。

 ブ厚いA4サイズの封筒が枕元に落とされる。

「さて、我々『神政会』は出資者として、あなた達のビジネスを分析しましたが……この先は、先細りで、五年〜十年以内に、収益は半分以下になる見込みとの分析結果が出ました。詳細は、その資料に書かれています」

「そ……そんな筈は……」

「現在の主要な客層は……中高年の男性ですが……新しい顧客の開拓が決定的に駄目なようですね」

「ま……待ってくれ……」

「我々は無能な現経営陣を退任させ、経営方針を一新します。収益の増加と……従業員・関係者の安全と福利厚生の為なら……これまでの客層を切り捨てるのもやむなしと判断しました。そして……『魔法少女』というコンテンツを……中高年の男性のオタクの『生きた愛玩品』ではなく、若い女の子の『憧れの対象(ロール・モデル)』として売り出していく事にします。運良く『正義の味方』達が……引退した『魔法少女』の再就職先まで作ってくれた事ですしね」

「ふざけんな……そ……」

 その先は言えなかった。

 冷たい……。

 口と股間に……異様な冷たさを感じる。

 どうなって……?

「貴方達は……ある『魔法少女』に、貴方達の目的は『美味いものが食えて、いい女を抱けて、安楽な老後を送る』事だと言ったそうね。では……選びなさい。貴方達の事業を私達『神政会』に譲渡して、これから隠居した老人のように大人しく暮すか……舌を失なって、美味いものを味わえなくなるか……チ○コを失なって、いい女を抱けなくなるか」

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