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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第八章:Reborn
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Nexus & Nemesis (1)

「い……いや……無理‼ 無理‼ 無理‼ 絶対に無理‼」

 アカリちゃんが……そう叫んだ。

「私にも無理だ」

 「正義の味方」がそう言った。

「ああ……それが……こいつの数少ない欠点だ」

 続いて強化装甲服(パワードスーツ)を着た「魔法使い」。

「い……いや……ちょっと待って……あんた達みたいに凄い人の方が役に立つし……それに……あたしは……あんた達みたいな勇気なんて……」

「私は……勇気と云う感情を感じた事が無い」

「え……?」

「私は……どうやら……勇気と対になる感情を欠いて生まれてしまったらしい。だから……勇気とも無縁だ」

「な……何を言ってんの?」

「私は……生まれてから一度も……何かを恐いと思った事が無い。だから……何かに恐怖を感じる人の心を理解出来ない。後になって理性(あたま)で考えれば……判らない事もないが……その場での、とっさの判断は無理だ」

 淡々とした……静かな口調。

「たしかに……私は……ネット上で……あのダサい渾名を付けられ……『生ける伝説』扱いされてるらしい。その理由は簡単だ。他の『正義の味方』『御当地ヒーロー』に比べて、体格も経験も劣り……『魔法使い』でも『超能力者』でも無く……何の異能力も持たない私が、他の『正義の味方』『御当地ヒーロー』並の活躍が出来るのは……私にとって、俗に言う『死中に活を拾う』が……生まれ付き……さも当り前のように可能だったからだ」

 ま……待って……それ……。

 そうだ……。

 それで……あたしが……この「正義の味方」の「中の人」だと思ってる人が……やってきた事全てが説明が付く。

「私は……戦士には成れるが……誰かを救う者には成れない人間だ。だから……探し続けていた。私が成れない……誰かを救う者に成れる人間を……」

 その「正義の味方」は……頭を下げる。

「たのむ……試すだけは……試してみてくれ……」

「わかった……。やれるだけ……やってみる」

 あたしは……そう言った。

「い……いや……でも……」

「アカリちゃん」

「何?」

「アカリちゃんの『使い魔』を全部出して、逃げ遅れた人や怪我人が居ないかを探して」

「で……でも……まだ、一度に一六体全部は使い込なせてないから……」

(りん)ちゃんに大体の場所を教えてあげて。(りん)ちゃんの能力で、怪我人なんかが居る場所を特定する」

「わかった」

「わかった」

「えっと……精神操作系で……人を落ち着かせるタイプのヤツを使える人は……?」

「あたし」

 弥生ちゃんが手を上げた。

「じゃあ、もし、逃げてる人達が混乱し出したら……弥生ちゃんの『魔法』を、あたしが増幅して落ち着かせる」

「うん」

「ねえ……貴方達……『魔法』だけじゃなくて、格闘技もやってんだよね?」

 あたしは……スペクトラム・スカーレットの方を向く。

「あ……は……はい」

「じゃあ、怪我人を応急手当とか出来る?」

「い……一応……えっと……」

「あたし達で何とかなるか……お医者さんとかに任せた方がいいかの区別ぐらいは出来ます」

 スペクトラム・ペンタグラムの「緑」がそう答える。

「よし、じゃあ、みんな……手分けして……」

「そうか……間に合ったか……念の為、確認するが、テストは、どこまで終ってる?」

 横で「正義の味方」が……誰かと無線通話をしていた。

「ウチの医療チームが、あるモノを持って来た。よければ使ってくれ」

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