(2)
水天宮の側の筑後川の河原には……テントや仮設トイレが並んでいた。
筑後川には……特設リングが浮かんでいる。
あたしは……パーカーのフードで顔を隠して、水天宮の境内に入る。
試合開始まで2時間以上有るのに……もう観客らしい人達でごった返してる。
あ〜、まずい。
ほとんどが、おじさんなんで……女の子1人は目立つ。
水天宮の参道には……初詣の時期みたいに出店が出てる。
ん?
あれ?
「おい……ちょっと来い」
あたしに声をかけたのは……背広姿の師匠。
「何ですか? 言われた事はちゃんとやるんで……」
「いや……何か気付かないのか?」
「何を?」
「お前達とつるんでた、あの変な連中は……何をした?」
「何をって?」
何をするも何も……瑠華ちゃんの推理通りなら……高木さん達は、そもそも、今、久留米に居ない可能性が大だ。
「だから……この辺りにかけられてる『魔法』は何だ?」
「えっ?」
言われてみれば……かすかな……魔法の気配。
単に……「気」とか「霊力」が集まってるんじゃない。
むしろ……「気」とか「霊力」は感じるけど……例えば、春休み中の山籠りの修行をした山小屋の辺りには、今、ここで感じてる以上の「気」や「霊力」は集まっていた。
でも……ここで感じるのは、そんな自然の「気」とか「霊力」じゃない。
弱いけど……何かのパターンが……そうだ……えっと……何で言うのか……人為的?
そんな感じだ。
「知りませんよ」
そう答えるしか無い。
「まあいい……。この程度の魔法では大した事は出来んだろうが……一応、解呪しておくか……」
そう言うと師匠は呪文を唱え……。
次の瞬間……とんでもない騒ぎが起きた。




