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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第一章:覚悟完了!
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(6)

「何でッ⁉」

 江見さんに、今、起きた事を連絡していた瑠華(ルカ)ちゃんが、そう叫んだ。

「どうしたの?」

「絶対に警察には連絡するな、って」

 頭を抱えたくなったけど……ウチの「会社」は、元は「ヤクザのフロント企業」だ。

 まぁ、被害者の立場でも警察に捜査されたらマズい事は山程有るだろう……。

「何か……事情が有りそうだな……」

「あ……あの……お姉さん、同業者(魔法使い)ですよね……?」

 そう言った(りん)ちゃんに対して、金髪短髪のお姉さんは……。

「あのな、あんた達、どんなロクデモない師匠に付いたんだ? それとも、まさか我流か?」

「えっ?」

同業者(魔法使い)の可能性が有る誰かを下手に『魔法』で探るな。相手が本当に同業者(魔法使い)だったら、因縁付けてると見做されるぞ」

 い……言われてみれば……。

 「魔法」で何かを「探る」場合、相手に対して「力」を放っている。

 もし、その相手が同業者(魔法使い)なら、当然、「魔法を使って自分の事を探った」事に気付かれる。

 そして、その中には「同業者(魔法使い)が魔法を使って自分の事を探った」事を嫌に思う人の結構居るだろう。

 でも……何で、あたし達の師匠は……そんな「業界の常識」を教えてくれなかったんだろう……?

「あの……それで……このおじさん達の記憶を精神操作系の『魔法』で消すなんてのは……」

 (りん)ちゃんの一言で、その場が凍り付いた。

「や……やめろ〜ッ‼」

「お……お前ら……本当に『魔法少女』なのかぁ〜ッ⁉」

 これが……(りん)ちゃんの問題点だ。

 本当に「知性派」じゃなくて「普通の人が考える『知性派』を演じている」だけなので……時々、「一見、知性的かつ現実的。でも、良く良く見れば、普通の人が考える『知性的』『現実的』のパターンに沿っただけの何も考えてない安易な発想」をやる事が有る。

「え……えっと……やめといた方がいい。問題点が2つ有る。そこまでやるには、こいつらを拉致って、何日か手間をかける必要が有る。そして、精神操作された奴は……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ヘボが作ったコンピューターのプログラムと同じだ」

「あの……おじさん達……」

 瑠華(ルカ)ちゃんは、しゃがむと、地面に倒れてる危ないおじさん達に話し掛ける。

「お……お兄ちゃんだろッ‼ お兄ちゃんと呼べ‼ 大体、お前ら、俺達『地元民』のお情けで、ここに住んでるんだろうがッ‼ この難民どもがッ‼」

「すいません……もうすぐ、ウチのマネージャーさんと弁護士さんが来るそうなので……ゆっくり話し合って下さい。告訴する気は無いそうなので……」

「えっ⁉」

「そう言えば……あんた達、御当地『魔法少女』じゃなかったっけ?」

「は……はい……」

「ストーカー系のファンに自宅や事務所を突き止められたようだな……当分、自宅に帰るのはマズいぞ……」

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