転章
「また……貴方ですか?」
私は、玄関の前に居た、その女の子に言った。
背は低く、顔はそこそこだが……首から下は筋肉質。
名前や住所までは知らないが……去年の十月末に「Neo Tokyo Site01」こと「千代田区」で起きた事件の時に知り合った「正義の味方」だ。
魔法使いでも超能力者でも変身能力者でも妖怪系でもない。
しかし……1つだけ言える事が有る。
護国軍鬼を着装していない状態であろうと絶対に喧嘩したくない相手だ。
「頼みが有る。魔法使い殺しの『魔法使い』である、あんたにな」
「今度は何ですか?」
「まず、確認だ……特務憲兵隊の『魔法』関係の部隊が、あんたの手口を知ってるか判るか?」
「あいつらと喧嘩した事は無いし……あいつらも、私達の事は、あまり調べてないようですから……大丈夫でしょうけど……」
嫌々ながら……その女の子を部屋の中に招き入れる。
「しかし……何度見ても……壮観だな」
玄関からも見えるダイニング・キッチンには……試験管が何本も並んでいる。
中に入っているのは……私の大事な商売道具だ。
「で……何をやればいいんですか? あと、報酬は? 特務憲兵隊の『魔法』系部隊の生き残りが相手なら……」
「報酬の交渉は……別の奴とやってくれ。後で、担当者の連絡先を教える。もっとも、『飛し』の携帯電話の番号だけどな」
「じゃあ、何をすればいいんですか?」
「『御当地魔法少女』って知ってるか?」
「ああ、オタク向けの下衆な見世物?」
「その下衆な商売そのものを潰す」




