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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第七章:HIGH POWERED
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(11)

 春休みとともに、あたし達の山籠りの修行も終り、新学期が始まり……。

 そして……ゴールデン・ウィークまで一〇日を切り……。

「ようやく、届いたか……」

「や……やっぱ……この格好で人前は……その……」

「ああ、ここのカラオケ屋、金ないから……あの防犯カメラはダミーだ」

 あたしは、カラオケ屋の大部屋で……「悪堕ちフォーム」と称するSMクラブの女王様みたいな格好をしていた。

「動きはどうだ?」

 高木さんが、そう訊いた。

「えっと……ちょっと、肘と膝と手首・足首が……」

 胴体は、やたらと露出度が多いのに、手足は逆。

 黒いピンヒールのニーハイ・ブーツに黒い長手袋。

 ただでさえ歩きにくいのに……着てみて判った。伸縮性に問題のある素材で出来てる。

「『魔法少女』の企画会社は……この手の衣装の経験、あんまり無いみたいだね」

 眞木さんが、モバイルPCの画面を見ながら……そう言ったけど……。

「当り前だ。未成年にこんな格好させて、人前に出そうって時点で頭がおかしい。ああ、そうだ。筑後川に浮かべる特設リングの詳細は判ったか?」

「いえ……まだ……何も……」

「こっちの靴も……滑り易そうな靴底だな……でも……」

 高木さんは「フワラレット・カルテット」のメンバーに送られてきた衣装をチェックしながら、そう言った。

「でも?」

「ああ、例えば、屋外で滑りにくい靴底と……屋内……そうだな、工場内とかで滑りにくい靴底はビミョ〜に違う。どう改造すれば、滑ったり転んだりする確率を減らせるか……ちょっと難しいな……」

「あと……残りの1チームが……肉弾戦が得意で、運営のバックに居るヤー公が、一番、金持ってそうな『組』なんだよな……」

 続いて(ひなた)さん。

「それが……?」

「Neo Tokyoで、この手のイベントに関わってた経験からすると……こんな特設リング発注するの……開催予定日の1〜2ヶ月前じゃないと間に合わないぞ。それと考え合わせると……」

「残りの1チームが有利なリングか?」

「ああ、台本書き変わって『魔法少女大戦』なんてイベントが始まる事になる前に発注されたモノだろう。残りの1チームが勝つような台本を前提に作られてる可能性が高いな」

「リングに何か仕掛けが有るとか?」

 そう訊いたのはアカリちゃんだったが……。

「それも有るけど……単純に……」

「何?」

「揺れる」

「えっ?」

「リングが大揺れする可能性がデカい。運動神経が無いヤツにはフツ〜にキツぞ」

「ん? ねえ、これ……瀾ちゃんや(ひなた)ちゃんの知ってる人達じゃない?」

 その時、眞木さんが、急に、そんな事を言い出した。

「何だ?」

 眞木さんが見せたモバイルPCの画面には……。

 動画サイトにUPされてるニュース映像。

 ただし……地元ニュースじゃない。

 十年前の富士の噴火以降……絶滅危惧種になってる全国ネットのニュースだ。

『広島県全域を実効支配している暴力団・神政会と広島沖に有る「関東難民」用居住区「Neo Tokyo Site02」通称「渋谷・新宿区」の自治団体との間での交渉が決裂したと、当事者双方の広報部門が発表しました。これは、「渋谷・新宿区」の治安維持を神政会が行なうか、これまで通り、「渋谷・新宿区」の3つの「自警団」が行なうかを巡って……』

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