(8)
周囲には、例の「恐怖を感じてる人間そっくりの『気配』を放つ御札」が撒き散らされていた。
「えいっ‼」
目隠しをしてる凛ちゃんが、そう叫ぶと、凛ちゃんの「守護天使」の翼からいくつもの「気弾」が放たれる。
「うん、上出来だな」
「やっぱり、何が起きてるか判らん」
上機嫌な陽さんと、首をかしげてる高木さん。
「ああ、この子は……『気』の感知の才能がとんでもない。目隠しした状態で、本物の人間と人間そっくりの気配を放つ呪符の区別が付くようになった。それも、今日1日でだ」
「ああ……なるほど……で、お前のアイデアで作った御札に欠陥が有るって事か?」
「違う、この子の才能が凄いの」
「なるほど」
「でも、こっから難しいんだよなぁ……」
「何がだ?」
「少数対少数の戦いに限定すれば……1人の人間の『気配』を詳しく観る方向に才能を延してくのがいいけど……」
「それやると、どうなる?」
ひゅん。
何故か陽さんが、高木さんに向けて、軽くパンチを放ち……高木さんは、あっさり、そのパンチを払う。
「何やってんだ?」
「今、お前がやったのの『魔法』版が可能になる」
「ん? えっと……相手がどんな魔法を使うか、一瞬前に判るようになる、って事か?」
「そう云う事だ」
「でも、今の話の通りなら……お前がパンチを出す事が一瞬前に判っても、適切な防御が出来なけりゃ意味は無いだろ」
「そこが問題。理屈の上では、結構、凄い事が出来るようになるけど……肝心の『出来るようになる』までには、結構、時間がかかる。逆に……広範囲の人の気配を検知出来るようになると……えっとっ……何て言うか……」
「汎用性が高まる?」
「そうそう……でも、ゴールデン・ウィークの勝負みたいな状況では、そんなに役に立たない」
「色々と難しいな……」
「そろそろ、晩飯にするか……作ってもらえない?」
「何で、私?」
「『何で』って何でだ?」




