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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第六章:恋する乙女は最強無敵
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転章

「実験データ解析用のプログラムの修正終ったんで、チェックインしときます。後で見といて下さい」

「すいません、いつも……」

 僕は……妙な経緯で知り合った同じ学科の学部生の遠藤さんに、そう言った。

「いえ、こっちも勉強になるんで」

「もう、いい時間ですね。送りますよ」

「すいません」

 遠藤さんは鞄を取る。

「あ……そうだ、駅前の本屋で本を買ってきたいので……」

「じゃあ、夕食は駅前の適当な店にしますか?」

「そうですね」

 僕達が研究室を出ようとした時……。

「府川君さ……住んでるの久留米だったよね?」

 その時、博士課程の先輩の勝又さんが、そう声をかけた。

「そうですけど……」

「気を付けなよ……。久留米で関東難民排斥派が、何か、またしでかしたらしいよ」

「は……はぁ……」

 僕の研究室が有る棟の階段を下りながら携帯電話(ブンコPhone)でニュースを見る。

 人権派の弁護士の事務所を暴徒が襲撃か……。

 名前は聞いた事が有る。久留米周辺で関東難民が容疑者になる事件が起きたら、採算度外視で弁護をやってくれてる人だ。

 これまでに何度も、関東難民排斥派に襲撃されている。

 遠藤さんも同じニュースを携帯電話(ブンコPhone)で見たようで……表情が暗い。

 状況は……何1つ良くなっていない。

 ああ……僕も……自分で思ってたより虫がいい奴だったかも知れない。

 普段は「正義の味方」達の暴走を止めようとしてるのに……自分や自分に身近な人に危険が及ぶと……「正義の味方」達に偉そうに言ってるのと逆の事を考えて……。

 ん?

 研究室が入っている棟の入口に……妙に人が多い。

 それも……男ばかり……いや……体格が平均より上の男ばかりだ。

 しかも……様子がおかしい。

 姿勢。

 かすかな動き。

 目付き。

 どこが変かは巧く言葉に出来ないが、その全てに違和感が有る。

「遠藤さん、逃げて‼」

「えっ?」

「早く‼ 僕の研究室に戻って……」

「は……はい……」

「ほう……判断が早いな……。府川(ふかわ)拓海(たくみ)さん……でしたか?」

 中年の男の声。

「誰だ?」

「君がペットにしてるあの合法ロリの妹に、ある事をわからせようとしてる者ですよ」

「だから……誰だ?」

「ありがたく思え。死なない程度で済ませてやる。その代り……遠藤美桜(みお)に伝えろ……」

 周囲に居る……何人もの男達が……ゆっくりと僕に近付く……。まるで……ホラー映画のゾンビを思わせる動きで。

「『今後一生、マトモな人生を歩めると思うな……我々の要求に従わない限りは』とな……」

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