(6)
「お……おい……何が起きてる?」
「あああああ……」
本当に霊感0で何が起きてるか判んない高木さんと……あたしの守護天使が見えてるらしいスペクトラム・スカーレットは正反対の反応。
「何をやってる? この際だ……主ごと……ん?」
「が…が…が……が……ッ」
あたしは……高木さんとスペクトラム・スカーレットの前に立つ……。
2人を攻撃しようとしてるのは……よりにもよって……あたしの守護天使。
でも……その守護天使が……苦しんでいる。
どうすれば……だめだ……いつもみたいに……体が固まって……何も……いや……違う……。
「1……2……3……4……5……6……」
ゆっくりと深呼吸をして……息を吸い吐く度に数字を数える。
「ま……待て……それは……どこで……習った?」
あたしは……そんな事を口にしてる男の人に指を向ける。
「うおおおおッ‼」
あたしの守護天使が叫ぶ。
「ごああああッ‼」
男の人を攻撃しようとした……あたしの守護天使を男の人の守護天使が止めようとするけど……。
あたしの守護天使の翼は刃に変り……背後に居るもう一体の守護天使を斬り付ける。
あたしが振り向くと……あたしの守護天使も振り向く……。
「ば……馬鹿な……」
あたしは……脳裏に……バス内での戦いを思い浮かべる。
もちろん、守護天使には実体が無い。
でも……それがあたしの守護天使に「戦いのイメージ」として伝わる。
殴る。
蹴る。
殴る。殴る。殴る。蹴る。殴る。
蹴る。殴る。蹴る。蹴る。殴る。
「ぐはぁッ……」
男の人の守護天使は……あたしの守護天使から距離を取ろうとする。
次に……あたしは……高木さんが、太く長い針のような武器を投げた時の姿をイメージする。
轟ッ‼
あたしの守護天使の羽根が棒手裏剣に変り……男の人の守護天使に次々と突き刺さる。
「何が起きてんだ?」
「え……えっと……すごい事……」
「き……貴様……ふざけ……」
男の人の絶叫と共に……。
「えっ?」
体から力が抜ける……。
「わからせてやる……。お前たちなど……単なる生きた『魔力袋』に過ぎん事をな……」




