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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第六章:恋する乙女は最強無敵
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(2)

「馬鹿か、お前らッ‼」

 あたしが元の場所に戻ると……眞木さんのお姉さん……えっと、高木さんって言った方がいいのかな?……の第一声がそれだった。

 高木さんとスペクトラム・スカーレットは、十数人の男の人達(内、半数以上が獣人か河童)に囲まれていて……なぜか、スペクトラム・スカーレットは高木さんの背後に隠れていた。

「何で、戻って来た」

「何でって何で?」

 あたしが後部座席に乗ってるバイクを運転してる女の子が、そう返す。

「救助対象を連れて、さっさと逃げろ」

 高木さんは、そう叫びながら……まず、目の前に居た獣人の腹に突きを入れ……。

 よろり……。

 その獣人は……目を大きく開け……おどろいたような顔になりよろめく。

「ヘルメットは取るなよ。こいつらが、この様子を撮影して、どっかに送信してるかも……ん?」

 高木さんが、そう言った途端に……人間の姿の男の人が携帯電話(ブンコPhone)を取り出し……。

 ドゴォッ‼

 バイクを運転してた女の子が、一瞬で、5発の「気弾」。5人が一気に倒れる。

「馬鹿だ……こいつら……」

「言わなきゃ良かった……」

 高木さんが、既にダメージを受けてる獣人の膝を蹴ると、その膝が変な方向に曲り、獣人が倒れる。

「来い」

「ええええ……?」

 高木さんは、スペクトラム・スカーレットの手を取り、その場を抜け出そうとするけど……河童2匹に阻まれ……。

「うぎゃああ……‼」

「あじいいいい……‼」

 ところが、その河童2人の全身に……水ぶくれ? え? どうなってんの? 何の魔力も感じ無いのに……?

「お待たせッ‼」

 あたしが乗ってるのと、おそろいのバイクに、このバイクの運転手とおそろいのライダースーツとヘルメットの別の女の子が到着。

 そして、新しくやって来た女の子は……高木さんに何かを投げる。

 五〇㎝ぐらいの黒い棒状のモノ……高木さんが、それを受け取ると……。

 ガシャっ……。

 どうやら……それは、一五〇㎝の棒を折り畳んだモノらしかった。

「伏せてろッ‼」

「は……は……は……はいッ‼」

 高木さんが、スペクトラム・スカーレットにそう叫んだ瞬間……。

「ぐへっ?」

 跳ね上がった棒が河童の1人の股間を直撃。

「クソ……」

 続いて、高木さんに飛びかかろうとした獣人の腹を棒が突く。

 でも……獣人は一撃では倒れず……獣人は棒を掴み……。

 次の瞬間、高木さんが棒を手から離す。

「へっ?」

 その時、既に、高木さんはコートの懐に手を入れて……何かを取り出していた。

「うわっ?」

「お……おい……」

 高木さんは、次々と、周囲に居る相手に太くて長い黒い針のようなモノを投げ付ける。

「……」

 何だ?

 高木さんが何かをつぶやいたのに……声が小さくて聞こえない。

「おおおお……」

 高木さんはスペクトラム・スカーレットの服を掴むと……片手でスペクトラム・スカーレットを持ち上げ……もの凄い勢いで駆け出す。

「私はいい。この2人連れて……逃げろ」

「阿呆かッ‼」

 あたしの乗ってるバイクを運転してる女の子が、そう叫び返す。

「話は後で聞く。逃げろ‼」

「馬鹿野郎‼ キミを心配してるヤツの事も……少しは考えろッ‼」

「議論してる暇は無いッ‼」

 ドオンッ‼

 まただ……。

 どうなってんの?

 魔力を全然感じないのに……高木さんとスペクトラム・スカーレットを取り囲んでいた男の人達が、次々と吹き飛んで行く。

「あいつらは……ボクらで何とかなる。問題は、キミだ、(らん)ッ‼」

「うるさい、早く行け‼ 多分、更に奴らの応援が来る」

「その通りだ……。そのチビの忠告に耳を貸すべきだったな……」

 音もなく近付いてきた6人乗りのバン……多分、EV(電動車)だ……。

 その車から出て来た……その人は……そう言った。

「ま……師匠(マスター)……」

「久し振りだな……」

 轟……。

 あたし達に「魔法」を教えた……テロ組織の幹部が……何故か、ここに居た。

 とんでもない量の魔力が……吹き出し……。

 そして……鉛色の翼の生えた男にも女にも見える身長5mぐらいの巨人が師匠(マスター)の真上に姿を現す。

 更に5人が……バンから出て来る。

 背広姿の二〇代ぐらいの男の人が1人と……あたしと同じ位の齢の女の子が4人……。

 その4人は……一見するとどこかの学校の制服に見えるけど……妙に古臭い感じで……スカートだけが異様に短い服を着て……って、3月って言っても、まだ寒いのにタイツもコートとかも無しって……ちょっと……その……。

 あれ? その4人の顔に見覚えが……。

 え……えっと……何年も会ってないから……確かな事は言えないけど……その4人は……師匠(マスター)が育てた「魔法少女」の中で……最も優秀だった……。

「そいつらが君に、どんなデタラメを吹き込んだか知らんが……まずは、一緒に来てもらうよ。そして……ゆっくりと……」

 師匠(マスター)は……ゆっくりとあたしに近付き……。

 ん?

 何だろ?

 高木さんが……手で何かの合図……でも……意味が……わからない……。

 と……思った次の瞬間。

 どおんッ‼

「え? うわああああ……⁉」

 最強魔法少女×4と……バンの運転手らしい男の人は……何が起きたか理解出来てないようだ。

 そして……理解出来てないのは……あたしも同じだ。

 魔法じゃない。

 多分、全て科学的に説明が付く事だ。

 でも、それは、あまりに異常な事態だった……。

 ごおんッ‼

「ぐ……ぐえええ……‼ ……こ……腰が……ああああ……」

 突然現われた、無人かつほぼ無音、でも、かなりの速度のバイクに跳ね飛ばされた師匠(マスター)は……一度、宙を舞って、そして、地面に激突した。

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