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「どこまで付いて来る気だ?」
スペクトラム・スカーレットは、その後もあたし達に付いて来ていた。
「プリティ・ガーネットを悪の魔の手から取り戻すまでですッ‼」
「大体、お前、別のチームだろ?」
「ライバルであると同時に、尊敬する先輩『魔法少女』だからですッ‼」
「何だ……魔法少女オタクが魔法少女になったのか……」
「何か悪いですかッ⁉」
「悪い。お前、一番厄介な種類の阿呆だ」
「ど〜ゆ〜意味ですか、誘拐犯の色魔ッ‼」
「あれだ。アイドル・オタクの成れの果てのアイドル業界関係者とか、格闘技マニアの成れの果ての格闘技イベントの主催者とか、アニヲタの成れの果てのアニメ監督とか、ラノベ・オタクの成れの果てのラノベの作家や編集者とか、ヤクザ映画マニアの成れの果てのヤクザの組長とか……その手の他人事なら最高に面白い見世物だけど、関わった奴にとってはたまったモノじゃない種類の狂人だろ、お前」
「うるさいですッ‼」
「その変なしゃべり方も、日常生活でも役から抜けられてない結果か、ひょっとして?」
「だから、うるさいですッ‼」
「大体、何で、あの時、あそこに居た?」
「秘密ですッ‼ 知りたければ、あたしと勝負……」
「あそこでいいか?」
そう言って、眞木さんのお姉さんは、住宅地内の月極駐車場らしい場所を指差した。
「えっ? えっ? えっ? えええ……え……っと……」
「師匠の仇討ちか……安い時代劇みたいな展開だが……まぁ、殊勝な心掛けだ……。敬意を評して、全力でやらせてもらう」
「あ……あ……あ……」
「すまん、近くにコンビニか自販機が有ったら……飲み物買って来て。こいつと私の分」
そう言って、眞木さんのお姉さんは……。
「はい……」
「じゃあ、戻って来たら、開始だ。それまで準備体操でも何でも、好きな事やってろ」
眞木さんのお姉さんは……あたしを指差した……けど……。




