(5)
「どうした?」
あたしの苦しそうな顔を見て、眞木さんのお姉さんは……そう言った。
「あの……狼男を『魔法』で攻撃したら……どうも、あらかじめ防護魔法をかけられてたみたいで……」
「魔法を破られた反動みたいなモノか?」
「は……はい……」
「おい……大丈夫か?」
「……何とか……」
「まて……まず……深呼吸して……」
「は……はい……」
「ゆっくり息を吸って……吐いて……その度に数を数えろ……」
「はい……」
「何も考えずに……呼吸と数を数える事に集中しろ」
「は……はい……」
あまりの事に……パニックになりかけてるようだ……。
心臓がバクバク言ってる。
「プリティ・ガーネットさんッ‼」
その時、また……。
「あ……あの……魔法少女をやめるって嘘ですよね?」
「また……ややこしそうなのが来たな……誰だ?」
声の主は……。
「えっと……ウチのライバル魔法少女チームの『スペクトラム・ペンタグラム』の……」
「光の使徒『スペクトラム・ペンタグラム』のリーダー、真紅の情熱の朝日、スペクトラム・スカーレットですッ‼」
……。
…………。
……………………。
「……何だ、そのダサい名乗り……? あと、普段着でそれやるって正気か?」
眞木さんのお姉さんが……呆れたような顔でツッコミ。
「この名乗りは……まだ、決定版じゃないんですッ‼」
「行こうか……」
「はい……」
「すまん、そこの公衆電話から救急車呼んでくれ。3人分な。内1人は……変な悪霊に取り憑かれてるらしいって伝えてくれ」
眞木さんのお姉さんは……のたうち回ってる狼男と……目を回してる河童と江見さんを指差してそう言った。
「待ちなさいッ‼ この誘拐犯ッ‼」
「意味が判らん……」
「プリティ・ガーネットから手を放しなさい、この色魔ッ‼」
「お前、色魔って言葉の意味判ってんのか?」
あたしと眞木さんのお姉さんは……バス停の前で、バスを待つ。
「どこに行く気ですかッ⁉」
「すまん……急ぎの用が無いなら……あそこに倒れてる阿呆どもの為に救急車を呼んでやってくれ」
「用なら有りますッ‼」
「何だ?」
「色魔の魔の手からプリティ・ガーネットを救うんですッ‼」
「……だから、色魔って言葉の意味、判ってんのか?」




