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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第五章:Over the Limit
38/83

(4)

「ふざけんな……このガキ……効くかぁッ‼」

 ま……まぁ……そうなるよね……。

 狼男は……ナイフのような爪が伸びた手で眞木さんのお姉さんを捕もうとし‥…。

「来て……ッ‼」

 あたしは叫ぶ。

 あたしの後ろに……身長3mぐらいの西洋風の鎧を着た「天使」が現われる……。

 髪と翼は……あたしのシンボルカラーであるピンク色。

 もちろん……実体は無い。でも……霊視能力が有る人なら……あたしがイメージしてるのと大して違わない姿に見える筈だ……。

 そして……3つの事が同時に起きた。

 あたしの「守護天使」の剣が……狼男に振り降され……途中で止まる……。

「う……うそ……」

 天使の感覚と……あたしの体の感覚は……ある程度、同調している。

 あたしの腕は……とっても固いモノをハンマーで思いっ切り叩いて……その「とっても固いモノ」を割るのに失敗した時みたいな衝撃を感じた。

 それが1つ目……。

 次に……狼男が悲鳴をあげる……。

 それが2つ目……。

 そして……3つ目は……。

 眞木さんのお姉さんの両肩を掴んでいた……狼男の指の爪が……。

「な……なんだ……?」

 狼男は……両手の一〇本の指先全部から血を流していた。

「て……てめえ……何だ?」

「見ての通りだ……普通の高校生だ……」

「ふ……ふざけんな……防刃加工の服を着てる高校生が……どこに居る?」

 今度は……狼男は……口を大きく開けて……眞木さんのお姉さんに向かい……。

 その時……眞木さんのお姉さんの手が、ふたたび、コートに入り……。

「ぐえええええッ‼」

 狼男の悲鳴は……爪がはがれかけた時よりも大きかった。

 一瞬……眞木さんのお姉さんのパンチが狼男の口に入り……すぐに引いたように見えた……。

 そして……倒れてのたうち回っている狼男のよだれの色は……オレンジ……。

 さっきの「沖縄産唐辛子の一番辛い品種を一番細かく挽いた粉」の色だった。

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