(4)
「ふざけんな……このガキ……効くかぁッ‼」
ま……まぁ……そうなるよね……。
狼男は……ナイフのような爪が伸びた手で眞木さんのお姉さんを捕もうとし‥…。
「来て……ッ‼」
あたしは叫ぶ。
あたしの後ろに……身長3mぐらいの西洋風の鎧を着た「天使」が現われる……。
髪と翼は……あたしのシンボルカラーであるピンク色。
もちろん……実体は無い。でも……霊視能力が有る人なら……あたしがイメージしてるのと大して違わない姿に見える筈だ……。
そして……3つの事が同時に起きた。
あたしの「守護天使」の剣が……狼男に振り降され……途中で止まる……。
「う……うそ……」
天使の感覚と……あたしの体の感覚は……ある程度、同調している。
あたしの腕は……とっても固いモノをハンマーで思いっ切り叩いて……その「とっても固いモノ」を割るのに失敗した時みたいな衝撃を感じた。
それが1つ目……。
次に……狼男が悲鳴をあげる……。
それが2つ目……。
そして……3つ目は……。
眞木さんのお姉さんの両肩を掴んでいた……狼男の指の爪が……。
「な……なんだ……?」
狼男は……両手の一〇本の指先全部から血を流していた。
「て……てめえ……何だ?」
「見ての通りだ……普通の高校生だ……」
「ふ……ふざけんな……防刃加工の服を着てる高校生が……どこに居る?」
今度は……狼男は……口を大きく開けて……眞木さんのお姉さんに向かい……。
その時……眞木さんのお姉さんの手が、ふたたび、コートに入り……。
「ぐえええええッ‼」
狼男の悲鳴は……爪がはがれかけた時よりも大きかった。
一瞬……眞木さんのお姉さんのパンチが狼男の口に入り……すぐに引いたように見えた……。
そして……倒れてのたうち回っている狼男のよだれの色は……オレンジ……。
さっきの「沖縄産唐辛子の一番辛い品種を一番細かく挽いた粉」の色だった。




