(2)
「ねえ……この人が、今日からウチに泊まる事になってる『魔法少女』?」
その時、背後から……。
「あ……」
「迎えに来た」
そこに居たのは……。
「ども……前にも会ったね」
同じ学校の別のクラスの……「学年一、女の子にモテる女の子」の眞木さん。
「プランB。落ち合う場所を変更」
そんな事を、どこかに電話で連絡している眞木さんのお姉さん。
「何で……どいつも、こいつも安易に魔法を使う?」
そうボヤいてるのは……千明さん。
「最近、その手の学者の間で『能力行使依存症』って概念が出てるそうだ」
眞木さんのお姉さんが、そうコメント。
「でもさ……精神操作が得意技って聞いてたけど……この子がやってんの『精神操作』じゃなくて『精神破壊』じゃない?」
「いや……あたし……えっと……『軽い精神操作を同時に複数人にかける』のが……その……得意の筈なのに、ええっと……何故か……毎度毎度……」
「変な事訊くけど……集中力や根気は有る方か?」
千明さんが「フラワレット・カルテット」のリーダー兼「赤またはピンク」担当さんにそう尋ねる。
「えっ?」
「あと、もし、料理を自分でやるんなら……野菜なんかは、ちゃんと同じ大きさに切る方か? それとも、大きさがバラバラになっても気にしない方か?」
「だ……だから……何の……話……?」
「何となく判った……」
そう言ったのは眞木さんのお姉さん。
「何が?」
続いて、何故か不機嫌そうな声で眞木さん。
「こいつ……『力』は結構デカいけど……細かい作業は苦手そうだ……。でも『精神操作』系って、『力』のデカさよりも、集中力とか根気とかセンスが重要になる」
「向いてない『魔法』を教えられた訳か……。ほら……立てるか……」
そう言って、眞木さんのお姉さんは……自分がやった事のせいで腰を抜かしてる「フラワレット・カルテット」のリーダー兼「赤またはピンク」担当さんに手をのばす。
「あ……ありがと……」
「分かれた方がいいな……」
「えっ?」
「ここに来るまでに、そこで倒れてる奴ら以外にも嫌な感じの連中を見掛けた。人の気配を察知するような『魔法』は使えるか?」
「え……えっと……あんまり得意じゃない」
まず、「フラワレット・カルテット」のリーダー兼「赤またはピンク」担当さんがそう言った。
「え……えっと……あたしは一応使えます……」
続いて、あたしが答える。
「じゃあ、千明は……この人を西鉄の久留米駅まで車で送ってくれ。迎えが西鉄の薬院駅に向ってる筈だ」
そう言って眞木さんのお姉さんは、お姉ちゃんを指差す。
「わかった」
「治水は、この人と一緒だ」
続いて眞木さんのお姉さんは、「フラワレット・カルテット」のリーダー兼「赤またはピンク」担当さんを指差す。
「うん、わかった」
「私は、この人と一緒に行く。治水と私は一端は逆方向。団地を出るまではなるべく人通りの少ない経路で……大通りに出たら、なるべく人通りの多い道を選ぶ。移動は、わざと回り道をするが、可能な限り公共交通機関を使う。いいな」
「了解、行くよ」
「あ……、はい……」
今度は、眞木さんが「フラワレット・カルテット」のリーダー兼「赤またはピンク」担当さんの手を取る。
「じゃあ、行くか……」
「は……はい……」
好きな人と2人っきりって……こんな状況じゃなかったら、うれしいんだけど……。




