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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第四章:DEAD STROKE
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(3)

「ねえ、何で、あんた達も来てるの?」

 学校の授業が終った後、警察署の前でライバル魔法少女チーム「フラワレット・カルテット」の「チーム内の一匹狼」担当の子がそう言った。

「まぁ、何となく心配だったから……」

 まず、あたしが答える。

「う〜んと……この2人についてきて……」

 次に(りん)ちゃん。

「魔法少女って助け合いですから♪」

「だから、そう云う芝居はファンの前だけにして」

 続いて、瑠華(るか)ちゃん。更に続いて、向こうのチームの「チーム内の一匹狼」担当の子のツッコミ。

「あ〜、もう、仲良くなってるんですぅ♪ うらやましいですぅ♪」

 そう言ったのは、向こうのチームの「あざと可愛い」担当の子。

「うるさい、やめろって、何度言や判るッ⁉」

 なるほど……向こうのチームの「チーム内の一匹狼」担当の子が、お芝居モードの瑠華(るか)ちゃんにつっかかるのは……この子が原因か……。

 やがて、向こうのチームのリーダー役の子が……ん? 一緒に居るお爺さん、弁護士さん?

 何か杖ついて体が悪そうなんだけど……。

「どうも、安本弁護士(センセイ)ですか、御高名はかねがね……。この子の所属事務所の顧問の吉村と申します。後は、私が引き継ぎますので」

 そう言ったのは……向こうのチームと一緒に来てた……二十代ぐらい……絶対に三十五よりは齢上(うえ)じゃなさそうな男の人。

「あ……あの……あの人、そっちのマネージャーさんじゃなくて……その……?」

「ごめん、言ってなかったっけ? ガチで知らない人」

「何で、そんな人と一緒に来たの?」

「マネージャーさんが一緒に行けって……」

「知ってる人ですか?」

 向こうのチームのリーダーの横に居たお爺さんが、そう問い掛ける。

「い……いえ……全然……。あの……」

「私は良く知ってるよ……。何で、筑豊部会所属の弁護士が久留米まで来てるのかね? それも……ヤクザのフロント企業の顧問が専門の君が」

「仕事ですので……。それにヤクザとは人聞きが悪い。私の顧客はマトモな客ばかりですよ」

「そうかね?」

「おい、爺ィ……人権派を気取るのも結構だが……調子に乗ってやがると……」

「どうなると言うのかね?」

 若い自称「弁護士」の口調が急にガラが悪くなる。そして、お爺さんの目の前に近付き……。

「判ってるだろ……俺の2・5倍以上も生きてるあんたに、こんな事を言うのも何だが……」

 その時、(りん)ちゃんが「ん?」と云う表情(かお)になる。

「いいかげん……大人ってヤツになれ……あれ……えっ?」

 若い「弁護士」は、お爺さんの杖を蹴飛ばそうとして……自分が転ぶ。

「えっ……? あれ?……痛てっ……? 何?」

「あ……やっぱり来てた……」

 (りん)ちゃんがボソッと呟く。

 なるほど……(りん)ちゃんの得意技は「魔力検知」。

 つまり……。

「ねえ、どうやったら……あんな事、出来るの?」

 あたしは……向こうのチームの「一匹狼」担当の子に訊く。

「良く知らない」

「え? あれ、精神操作とかじゃないの?」

「多分、精神じゃなくて、感覚神経とか運動神経とかへの干渉。精神操作とは違う」

「違うの?」

「あの人が言ったの本当かもね……。どうやら、あたし達も含めてか……あんた達だけかはともかく……」

「『魔法少女』は『魔法使い』の常識を知らない可能性が高い……か……」

「で……やったのは……」

 あたし達は、振り向いて……。

「えっ?」

「何で……あんたが、ここに居る?」

 杖のお爺さんは、そう言った。

 視線の先に居たのは……予想外の人だった。

 いや……知らない人ではあったけど……。

 そこに居たのは……身長一九〇㎝以上で格闘家並の筋肉量の大きなスキンヘッドの男の人だった。

「安本弁護士(せんせい)が、その女性の担当弁護士ですか?」

「弁護士会の当番が回ってきたのが、たまたま私だっただけだが……」

弁護士(せんせい)も、ここに居る女性達も、かなり危険な事態に巻き込まれています。脅迫だと判断するのは、私の説明を全て聞いてからにして下さい」

「どう云う事だ?」

「『魔法少女』と称する()()()()は、あるテロ組織の資金源である可能性が……極めて高いとお考え下さい」

「ほう……どこだと言うのかね?」

「『特務憲兵隊・i部隊』を名乗っている者達です」

 えっ……?

 い……いや……待って……それ……。

 あたし達3人も……相手チームも全員顔色が変る……。

「そ……それ……何年も前に『正義の味方』が……」

 あたしは……ようやく、声を出す。

 富士の噴火で「本物の関東」が壊滅した直後に、あたし達を拉致し……あたしには「魔法少女」としての訓練を行ない、お姉ちゃんには成長抑制剤を投与して「少年兵」に変えた……連中。

「生き残りが、ある勢力の支援を受けて活動を再開していた。丁度、全国各地で『御当地・魔法少女』が活動を始める少し前に」

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