(2)
「あの……もう少し速く……」
「すいません、この辺り、結構『ネズミ取り』が……」
あたしは、青円さんの運転する車に乗って現場に駆け付けている途中だった。
筑後川を渡ったあたりで携帯電話に着信音。
「お……お姉ちゃん? 今、どこ?」
『警察……』
「えっ?」
『今、事情を聞かれてて……朝までには出てけそう……』
「そ……そう……。あの……やらかした女の子と一緒に居た人は?」
『府川さんは、あたしと一緒に釈放されるけど……』
「その府川さんってのが、あの男の人?」
『……うん……』
「彼氏?」
『今する話? 同じ学科の院生の先輩』
「ああ……そう……。で、あの女の子は?」
『金沢さんだっけ……あの子は……容疑者だって』
ああ、やっぱり……。
「そもそも、何が起きたの?」
『あの子、あなたと同じ「魔法使い」系みたいで、あたし達に絡んでた不良警官に軽い「魔法」を使ったんだけど……』
「それが本人にも理由は判らないけど、効き過ぎた、って事?」
『だいたい、そう云う感じみたい……』
「で、あの場に、何で『正義の味方』が居たの?」
『5分ぐらい前に助けてもらって……』
ん?
正義の味方に助けてもらった。
でも不良警官に絡まれた。
えっと……何か変だ。
瑠華ちゃんが居たら……何をどう訊くべきか判ると思うけど……。
「ごめん……前後関係が良く判んない」
『言ってなかったっけ?』
「何を?」
『一晩で2回、同じような目に遭ったの。1回目はネット右翼系らしい人達で、2回目は……素行の悪い警察官2人組。で、1回目は「正義の味方」に助けてもらって、2回目は……あの女の子が何かやったせいで、こんな事に……』




