転章
「あのさ……保釈された、その日に内に、またやらかすか、普通?」
「何を言っている。もう午前0時1分だ。保釈されたその日の内ではない。はぁぁぁぁぁい論破ぁぁぁぁッッッッ‼ うきゃきゃきゃきゃぁ〜ッ‼ はい、笑えるッ‼ はい、反論出来ないッ‼ これだから女はぁぁぁぁッ‼」
俺は、俺達を不当に拘束した「正義の暴徒」どもに男らしく理性的かつ論理的かつ冷静に反論した。
俺達は「御当地魔法少女」を騙って俺達をだましていた関東難民の屑メスガキどもに、寛大にも再就職先を斡旋して差し上げようと云う運動に賛同していたのだが……その屑メスガキどもの1人の合法ロリの姉に、どうやら邪悪なイケメン野郎が手を出そうとしているらしい、って情報が入った。
もちろん、この合法ロリも元・御当地魔法少女の妹ともども、AV堕ちか風俗堕ちしてもらわないといけない。
関東難民がマトモな会社に就職出来るなど間違っている。
しかも、どうやら、この合法ロリはQ大工学部に通う大学生らしい。
これは許されざる事だ。
関東難民が九州で一番偏差値がいい大学の理系に行けるなど、有り得ない。何かの不正が有ったのは明白だ。
更に女が九州で一番偏差値がいい大学の理系に行けるなど、有り得ない。何かの不正が有ったのは明白だ。
二重の意味で何かの不正が有ったのは明白だ。
絶対に有り得ない話だが、仮に実力だとしても女を大学に行かせたら……俺よりいい大学に行きやがった上に、俺と違って留年せずに卒業しやがった俺の妹のようなクソ女になって、女としての商品価値が下がる。
そんな事は女にとって不幸な事になる。
何故、女どもは、いつまで経っても判らないんだ? 女にとって何が幸せかを知っているのは、女ではなくて俺達男だと云う事に……。
関東難民の女が、九州で一番いい大学の理系に行ってるなど、最早、この合法ロリは死んだら地獄に堕ちる事間違い無しだ。そんな運命から一刻も早く救って、妹ともども風俗堕ちかAV堕ちさせて姉妹丼をやらせて文字通り昇天させてやるしか無い。
元・魔法少女とその合法ロリの姉の姉妹丼で悦ばない男は居ない。
これは大宇宙の真理だ。
だが、邪悪なイケメン野郎に「傷物」にされたら商品価値が落ちる。
もう既に「誰が、元魔法少女の妹と合法ロリの姉の『最初の男』になるか?」のオークションが行なわれてるのに、片方が処女じゃなかったら、大金を払って落札した奴の正当な権利が踏み躙られる事になる。
だから、俺達は手遅れになる前に問題の邪悪なイケメン野郎を叩きのめして筑後川に沈めて魚の餌にしようとした。
ささやかで、この社会に何の悪影響も与えない、ちょっとした親切に過ぎない。
しかし、正義の暴走を繰り返す自称「正義の味方」どもには、この単純な理屈が判らない。
関東難民は人権など持たないヒトモドキで、女は男に奉仕すべきものだ、と云う常識を踏み躙っている。
感情的かつ非論理的に、俺達のやろうとした事を悪と決め付けて、俺達を叩きのめした。
俺達が悪だってのは奴らの感想に過ぎない。
なのに、恐しい事に、奴らは単なる「自分の感想」を根拠に俺達を何度も何度も何度も叩きのめした。
俺達の私有財産である金属バットやサイバイバル・ナイフを「自分の感想」を根拠に何度も何度も何度も没収した。
これだから、奴らは「正義の暴徒」なのだ。
正義こそが恐しい。
正義は必ず暴走する。
自分を正義だと思い込んでいる奴らは……どれだけでも残酷になれる。
しかし、俺達は、奴らの正義の暴走を何としても止めなければならない。
そうしないと、俺達がホームレスや関東難民を殺したぐらいで殺人罪で死刑になると云う無茶苦茶な世の中が到来してしまう。何で、ヒトモドキの関東難民を人扱いする必要が有るんだ? 誰か、理性的かつ論理的に説明しろ‼ ネットをいくら調べても、俺達の主張に対する反論が見当らない以上、「関東難民は人権のないヒトモドキなので殺していい」は大宇宙の真理の筈だ‼
「あの……僕達は、もう行っていい?」
そう言ったのは、合法ロリを狙う邪悪なイケメン野郎。
「はい、気を付けて帰れ」
「正義の暴徒」どものリーダーらしいチビのメスガキが、そう答えた。
「う……うん」
「いいか、くれぐれも気を付けろ。安心した時が一番危ないんだ」
「あ……あの……緒方さん、何か、変ですよ……」
その時、「正義の暴徒」どもに拘束されている俺の仲間の1人である野口がそう言った。
「何がだ?」
「いつもだったら、そろそろ、俺達のクリムゾン・サンシャインが現われてくれる筈なのに……」
そう言えば……今日は、中々、姿を現わしてくれない……彼にも都合が有るんだろうが……。
ん?
何で「正義の暴徒」どもが、ほぼ全員、顔に手を当てて「駄目だ、こりゃ」みたいな感じになってるんだ?




