表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第三章:眠れる本能
23/83

(4)

「ところでさ、学校は……その……?」

「大丈夫、2人ともあたし()()に泊まったら……そろって風邪ひいちゃった事にした」

 瑠華(ルカ)ちゃんが、そう答えた。

「あのさ、PCの接続終ったよ」

 その時、食堂の大型TVの辺りで何かの作業をしていた女の人がそう言った。

 身長一七〇㎝台。銀色の髪で、北米連邦(アメリカ)の女優のメリッサ・ブノワに似た白人の外人さん……って、まさか……。

「る……瑠華(ルカ)ちゃん……あの人」

「うん。眞木さんのお姉さんの恋人」

「あああ……」

美桜(みお)ちゃん……」

「あああ……」

「はい、落ち着いて、深呼吸。す〜、は〜、す〜、は〜」

「あああ……」

「駄目だ、こりゃ……」

「じゃ、再生しますよ。どのファイルですか?」

 そう言って青円さんとか云うお坊さんがモバイルPCを操作する。

 大型TVにはPCの画面が映り……。

「ああ、これ」

 えっ?

 写ったのは……どこかの公園みたいな場所……。

 何かのイベントらしく……見物客らしき人達が写っていて……。

『では、第一試合の開始です』

 画面の中には……(ひなた)さんと千明さんが居た。

 2人とも何か密教系らしい呪文を唱え……あれ? 呪文が同じだ。

 千明さんが錫杖を振る。

 (ひなた)さんは印を組んだまま……。

 何も起きない。

 けど……だんだん、千明さんの表情が変る……。

『お……お前……ふざけた真似を……』

 続いて……(ひなた)さんが舌を出して右手の中指を立てる。

「こ……これは……?」

「昔、私とこの馬鹿は……『NEO TOKYO』で、その手の『試合』をやった事が有ってな。その時のだ」

 千明さんが、そう説明する。

「何が起きたんですか?」

「あたしが千明の『気弾』を千明の得意技を使って逸らした」

 そう言ったのは(ひなた)さん。

「この馬鹿が付け上がるから見せたくなかったんだ……」

 え……?

 相手の攻撃を、その相手の得意技を使って防いだ、って事?

「それって……すごくないですか……」

「ああ、霊視能力と密教系の『魔法』に関する知識が有ればな……」

 あっ……。

 カメラには……霊力・魔力・気・使い魔・守護天使なんかは基本的に映らない。

 その場で見てる人でも霊視能力なんかが無いと……何が起きてるか判らない。

 そこまでのハードルをクリアしても……実は、もの凄い魔法の攻防が起きてたとしても……それがどれ位もの凄い事なのかは……「魔法使い」同士でないと基本的に判らない。

「『魔法少女』同士の公開対決は初めてなんだろ?」

「は……はい……」

「『魔法使い』同士の戦いと言っても……素人が見て面白いのは、こんなのだ」

 画面の中では、武器を使った接近戦が始まっていた。

 千明さんの錫杖が目にも止まらない速さで振われ……それに対して(ひなた)さんは防戦一方。

「青円さん、そろそろ、動画止めて」

「はい」

「おい、ここから、あたしの華麗な逆転劇が始まるんだろうがッ‼」

「セコンドのアドバイスが無かったら、勝てなかった奴が何を言ってる?」

「最後の決め技は、あたしが自分で考えたんだ」

「あの……で、この動画見せて……何が言いたいの……?」

 相手チームの「クール系一匹狼」担当さんが質問。

「誰かが、3チームのリーグ戦の『台本』を書いてるなら……どのチームを勝たせる?」

「えっ?」

「3つ目のチームの女の子は……中学生ぐらいなのに、大の大人を派手に吹き飛ばしたと言ったな……。3つ目のチームの得意技は……多分、身体能力をUPさせるモノか、降魔武術……気や霊力のコントロール技術も含んだ近接戦闘術……だ」

「そ……それで……」

「どのチームの戦い方が、素人が見て普通に楽しめると思う? 汎用タイプと、精神操作特化タイプと、近接戦闘特化タイプの」

「あ……」

「台本が書かれてるなら……最後に勝つのは『素人が見て面白い』戦い方をする奴らだろう。しかも……そのチームだけ中学生……。たしか『魔法少女』って、高校卒業で引退が普通らしいな。なら、運営会社が長く稼げるのは、どこだ?」

「あ……あの……私達に、どうしろって……」

「勝負から下りろ。普通にクソだ、この勝負」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ