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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第三章:眠れる本能
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(3)

「えっと……あとさ……『魔法少女』同士が戦う公開イベントに、精神操作系が得意技の『魔法少女』が出るって、明らかに変だぞ」

 あたしが呆然としている最中……(ひなた)さんが、相手チームの方を向いて、そう言い出した。

「へっ?」

「理由はいくつか有る。1つ、マトモな『魔法使い』なら修行の過程で自分の心を制御する技術を身に付ける。精神操作系は対一般人用の『魔法』で、対『魔法使い』には向いてない」

「そ……そうなの?」

「そして、相手がマトモじゃない『魔法使い』だったら……昨日みたいな事になる」

「あ……あ……あ……」

「あの……昨日、何が有ったんですか?」

 あたしは、ようやく、その質問をする事が出来た。

「動画は撮ってたけど……霊的・魔法的なモノはカメラに映らないからな……周囲の人間は大騒ぎしてるけど……肝心の大騒ぎの原因が映ってないマヌケな代物だ」

 ……なるほど……。

「で……もう1つの問題がそれだ……。精神操作系の魔法で相手を倒したとして、そんなの『()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「ちょ……ちょっと待って……その……」

 相手チームの「一匹狼」担当さんが手を上げて、何かを言おうとしてるけど……まだ、考えがまとまってないようだ。

「そもそも、あんた達『魔法少女』がやってる事って、コレじゃないんだろ?」

 (ひなた)さんは、そう言って右手の人差し指と親指だけをのばし残りの指を曲げる。

 「拳銃」のジェスチャー……そして、格闘技とかの試合や、あたし達「魔法少女」の仕事での意味は……「台本なし」「怪我人が出る事が前提」。

「言っちゃ悪いが……あくまで『見世物』なのに……見栄えがしない上に、悪いイメージが有る技が『得意技』の奴が……メインの善玉役(ベビーフェイス)を張れると思うか?」

 そう言えば……そうだ……。

 世界で初めて、普通の人達……魔法使い・超能力者・妖怪系以外って意味での……が存在を知った「異能力者」は「精神操作能力者」。

 しかも、その「精神操作能力者」がやったのは……ニューヨークでの大規模テロ。

 あたし達が生まれる前の話だけど……あたし達のファン層である中年以降のおじさん達にとっては……物心付いた後の出来事だ。

 じゃあ……「精神操作」系の「魔法」が得意技の「魔法少女」なんてのにファンが付くかと言えば……。

 無い。

 無い。

 無い。

 絶対に無い。

 普通に考えて有り得ない。

 1人ぐらい「悪役」っぽい子が混ってる魔法少女チームならともかく、全員悪役の魔法少女チームにファンが付くなんて有り得ない。

 イベントに行ったら「精神操作」されるかも知れない魔法少女チームのファンになる人なんて絶対に居ない。

「あ……あの……だ……だから……何が……言いたい……」

 口では、そう言ってるけど、体は正直だ。

 相手チームの「クール系一匹狼」担当さんの口調は、完全に冷静(クール)さを失なってる。

 「何が言いたいの?」と訊こうとしてるけど……多分、次に(ひなた)さんが何を言うか、薄々、気が付いてる筈だ。

「薄々気付いてんだろ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って事に」

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