(1)
うん?……ここ……どこ……?
あ……昨日泊まった児童養護施設。
「す……すいません、美桜ちゃんが意識を取り戻しましたッ‼」
凛ちゃんが「知性派」の仮面を脱ぎ捨てて、大慌てで部屋の内線電話でどこかに連絡している。
「あ……あのさ……凛ちゃん、何が起きたの? 何で、あたし、ここに居るの?」
「えっ……? あ、そう言えば……記憶が無くなってるかもって言われてた」
「ど……どう云う事?」
「ちょっと待って、今……ええっと、有った」
そう言って、凛ちゃんは、机の上に有ったA4ぐらいの紙を手にする。
「えっと、最後の記憶はどこ?」
どうやら……その紙に「あたしが起きたらこうしろ」みたいな事が書かれてるらしい。誰が書いたのかは判らないけど……。
「どこって……?」
カラオケ屋さんでの打ち合わせが終って……ところが、カラオケ屋さんの前で……昨日……いや一昨日かな……? に決闘を申し込んできた「魔法少女」の片方と……あと、3人のあたしと同じ位の齢の女の子が待っていて……。
「カラオケ屋さんを……出た……あたりまで……」
その時、部屋のドアが開いて……。
「おい、気が付いたなら、訊きたい事が有るッ‼」
金髪・短髪のお姉さんと……眞木さんや眞木さんのお姉さんの友達らしい女の子が入って来て……。
「落ち着け。これから、ゆっくり話を聞く……」
どうやら、金髪・短髪のお姉さんのお姉さんは落ち着いてるけど、もう1人の女の子は……かなり取り乱してるようだ。
「いや、でも、何から何までおかしいぞ。お前たち『魔法少女』ってのは、そもそも、マトモな『魔法使い』なのか?」
「だから、落ち着け。私達の予想が当っていれば、この子たちにとって、下手したら私達こそが生まれて初めて出会った『マトモな魔法使い』だ」
いや……ちょっと待って、どう云う事?
あたし達は「魔法」が使える。
でも、あたし達は「マトモな魔法使い」に会った事が無いって……?
じゃあ、あたし達の「師匠」や一緒に修行をした子達は……一体……何だったの?




