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魔導兇犬録:哀 believe  作者: HasumiChouji
第二章:この世に神がいるのなら
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(5)

「あれ? お姉ちゃん達、どっかで見た事有るけど、有名人?」

「あ、知ってる。魔法少女だ」

 翌朝、朝食の時間に、食堂で、小学生ぐらいの子供から、そう言われた。

「やめなさい。ここ、訳有りの人も居るんだから、そんな事は訊かないの」

 あたし達と同じくらいの齢の眼鏡の女の子が、そう注意する。

「あ……いいんです……」

「えっと……君、『魔法少女』好きなの?」

「『正義の味方』の方が格好いい」

 うっ……。

「それに『魔法少女』って台本が有るんでしょ?」

 やめて……。

「それはね……」

 (りん)ちゃんが何か言いかけようとした途端、瑠華(ルカ)ちゃんが「黙れ」とゼスチャー。

「何?」

「『台本有るんでしょ?』と訊かれた時の『台本』は大人のファンが相手の時用のしか無いでしょ」

 小声でそう説明する瑠華(ルカ)ちゃん。

「やめなさいって言ってるでしょ。すいません」

「い……いえ、おかまいなく……」

「おい、食事が終ったら、私が学校まで送るから」

 その時、背後からお姉さんの声。

「あ……すいません」

 食事の後に、お姉さんと一緒に駐車場に行くと……。

「じゃあ、あのバンに乗ってくれ」

「は……はい……あっ……」

「どうしたの、美桜(みお)ちゃん?」

「な……なんでも……」

「って……あそこに居るのって……?」

 マズい。

 自分でも自覚出来る程に、声の調子がおかしくなってる。

「お……おはようございます」

「あ……良く会うな……」

 そこに居たのは眞木さんのお姉さんだった。

「あ……あ……あ……」

 だめだ。

 何かを言いたいのに、何を言うべきか自分でも判らない。

「み……美桜(みお)ちゃん、どうかしたの?」

 あたしの様子を見てポカ〜ンとなってる(りん)ちゃんと、その横で「何も訊くな」とゼスチャーで伝えようとしてる瑠華(ルカ)ちゃん。

「すまん。JR久留米駅の辺りで起してくれ」

「わかった」

 残念ながら、眞木さんのお姉さんは車に乗った途端に眠り始めた。

「あの……私達の近くで朝食を取ってた眼鏡の女の人ですけど……」

 車が走り出して、すぐに、(りん)ちゃんが、そう言い出した。

「どうかしたか?」

「あの人、同業者(魔法使い)ですか?」

 えっ……?

「おい……また、やったのか?」

「あ、すいません。でも、こっちの『気』を放たないで調べる方法を使ったので……」

 ……何だかんだ言って「魔力の検知」に関しては、(りん)ちゃんは、あたしや瑠華(ルカ)ちゃんより1〜2枚上手だ。

 多分だけど……勘違いなんかじゃなくて、本当に……。

「そうか……訳有りの人間が多い場所なんでな……迂闊には話せない事も有る」

 それが、お姉さんから返ってきた答だった。

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