転章
「おい、おっちゃん達、いつまでかかるんだ?」
俺達をここまで連れて来たチンピラの1人が、そう言った。
「おい、返事は?」
「は……はい……」
「『はい』じゃ判らねえよ。いつまでかかるかと聞いてんだ?」
「は……はい……」
「おい、いい齢して、人間の言葉が判らねえのかよ? あんた、人間か? それとも動物か?」
「す……すいません……」
どこかも良く判らない山奥だ……。
俺達は……2〜3発殴られて……チンピラどもに抵抗する意志や気力を失なった。
そして、俺達はスコップを渡され、穴を掘らされ続け……ん?
掘り当てたモノが何か判るまで、しばらく時間がかかった……。
そして……それが何か理解した途端……。
「あああああ……あひゃひゃひゃぁ〜ッ‼」
「おい、どうし……」
LED懐中電灯の光が……俺と……「それ」を照らす。
「おい、村山、ちょっと来い」
リーダー格らしいチンピラが、手下らしいのを呼び付けた。
「は……はい……」
ボゴォっ‼
村山と呼ばれたチンピラは蹴り飛ばさられて……俺が掘っていた穴の中に落ちる。
「何、考えてやがる? ここ、前に他の奴を埋めた所じゃね〜かッ‼」
「す……すんません」
「ボケ、そのおっちゃん達を手伝ってやれ」
俺が掘り当てたモノは……白骨死体と腐乱死体の中間ぐらいの死体だった。
「あ……あの……村山さんて言いましたっけ?」
「何だよ?」
「この穴……何の為の穴ですか?」
「まだ、判んねえのか? 阿呆なおっさんだな……」
「え……えっと……」
何でだ?
俺と友達の牟田口がやった事は……御当地「魔法少女」へのファン活動だ……。
い……いや……途中で割り込んできたゴリラ女の言う通りストーカーだと勘違いされても仕方ないかも知れない……。
でも……。
魔法少女の1人「プリティ・トパーズ」は、「マネージャーや弁護士と話し合ってくれ」……そう言っていたが、やって来たのはチンピラどもだった。
そして、この山奥に連れて来られ……。
「えっ?」
その時、チンピラのリーダー格らしいのが変な声をあげた。
ドサリ……。
人が倒れる音。
やがて怒号……更には銃声……やがて……。
「まったく……どいつもこいつも悪事をやるなら、せめて、少しは頭を使って欲しいものだな。悪手にも程が有る」
その声は……あの御当地「魔法少女」を騙っていた関東難民のクズどもと……そう変らない齢らしいメスガキのモノだった。




