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38.成長した先には

今日は鏡の月の空の日、38日。

そして今日はこの学園の卒業式の日。

この一年間いろんなことがありました。



前期は今まで通りのように学園に通って、後期はそれぞれ違った校外授業を受けた。

私は本格的な王太子妃としての教育を王城で受けて、さらに聖と無の魔法の練習をルナとした。



ルナは文官になりたいらしく、王城の中の私と場所は違う所で文官としての研修を受けていた。

ミラは昔から言っていた植物学者の研修を受けに、イヨ王国へ3か月の短期留学に行った。

キャロルは文章を書くのが昔から好きで、何かの日記をつけるのが趣味だったため小説家になろうと思ったらしく、なんと、ウルツライト帝国にいる有名作家のサマルク・トーエ様の弟子として短期留学をしてきた。

スレイド様は宰相になるためにお父様に半年間みっちり教育を受けさせられていました。

ライアー様はフィバルブ侯爵からの鬼...いえ、レッスンを受けていました。

アンバー様は領地の領主としての経営をしっかりするためにデルタゴン侯爵家の持つ領地を半年間の間、ほとんど自分自身で経営していました。



それぞれが毎日忙しい日々を送っていたのであまりみんなで集まる時間が取れずに私たちはこの日までやってきた。

あっという間に過ぎた半年間、誰もが大人になるための努力をしてきた。



その姿はとても立派だ。

そして今日、私たちは大人の仲間入りする。



これからは自分自身で未来を切り開いて生きていく。

私たちにとって16歳は成人の年でもあり、自立する年でもある。



卒業式では生徒代表として送辞をシェイナスが、そして私が答辞をいうことになった。

そして、無事に卒業式を終えた私たちは会場を出る。



歩く道にはポインセチアの花が綺麗に咲いていた。

ポインセチアの花言葉には「祝福、幸運を祈る、元気を出して」という意味があるためこの寒い季節に卒業式を行うルージェント学園はこの花を毎年、道に植えている。



私達卒業生はこの後盛大に卒業パーティーが学園の庭で行われる。

そこに私はゆっくりと歩きながら向かう。



すると出迎えの下級生たちが私の周りに集まってきた。

「アリシナ様、ご卒業、っ。おめでとうございます。」

「アリシナ様がご卒業してしまうのが、っ、とても寂しいです。」

「アリシナ様、私は忘れません。絶対に。」

「ずっと尊敬していました。ご卒業おめでとうございます。」



と次々に皆涙を流しながら花束を渡してきた。

私はあっという間に花束に埋もれてしまう。

それを見かねたティアとジェラウスが私の花束を持ってくれた。



「みなさん、ありがとうございます。これからも学園でいろんなことを学んでくださいね。」

私は彼女たちにそう言って微笑んだ。



...あれ?なぜ、次々にご令嬢たちが倒れていっているの?



「アリシナ様!ご卒業おめでとうごさいます!」

私が考えている間にサナが駆け寄ってきて今までもらった花束の中で一番大きい花束を抱えてやってきた。



その細い身体のどこにそんな大きな花束を持つ力があるのかしら?



「...え、ええ。ありがとう、サナも来年は卒業ね。あと一年間残された学園生活を楽しんでね。あと、その花束の花は何本あるのかしら...?」



「アリシナ様がいないと学園生活の楽しみが半減してしまうのですが...そうですね、楽しみます。花束の花は全部で365本です!」



私はとりあえず花束を受け取る。

ずっしりと思いの詰まった重い花束をすかさず近くにいた護衛に渡す。




冬の寒い風と共にバラのいい匂いがあたりに広がる。



あと一か月後には私の結婚式がある。

私は空を見上げて思う。



『神様、私に幸せをくださりありがとうございます。』



その時、アリシナの左手の薬指についている指輪が光った気がした。
























一方その頃それを見ていた2人は優雅に席についてそれぞれのカップを手に取ってお茶をしていた。



「ねえ、私もアリシナに加護をあげようと思っているのだけれど君はどう思う?サシャ。」



「それは君が決めることだろう?私は私、ラミアはラミアだよ。」

そう言った彼の金の耳飾りが揺れる。



「ふふっ、それもそうだね。じゃあ私の勝手にしてもらうよ。」

なんでも笑顔で隠し通す彼は今日も笑顔で答えた。



すると、後ろから急に誰かが現れる。



「お前たちはいつも何をやっているんだ。」

呆れた顔で彼は言う。



「ふふっ、何だと思う?ユファは誰かに加護をあげないの?」



「俺はさっきあげてきたぞ。」

なんでもないといったように彼は答えた。



「「え?」」

二人が驚いた顔をする。



「確か名前は...」



名前を聞いた彼らはそれぞれこう言った。

「あらら、これは....うん、何も言わないでおこう。」

「そうだね、なにも言わないほうがいいよ...ね、うん。」

と微妙な顔をしながら言うのだった。

バラの花束の365本の意味は「あなたが毎日恋しい」と言う意味があるそうです。次回の投稿は明日の20時です。最終話まであと7日。

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