37.春の光に照らされて
今日は月の月の火の日、14日だ。
私たちは今日から5年生になる。
フルク様とフレア様が危険性があるからと言って、私とルナは毎日学園まで王城から馬車で通うことになった。
ロストワール様はアル―ナス学園に許可を取り、休日に毎回こっちの方に帰ってくることになった。
本当なら帰ってこないでそのまま5年間学園で過ごすのが普通だが、特例として許してもらえたらしい。
なんでも、アズミが理事長に頼んでくれたのだとか。
いつも休日に彼が返ってくるので私は最近、毎週休日を楽しみにして過ごしている。
私達は今年で最終学年なので前期の授業までは通常授業だが、後期の授業は校外学習というものになる。
それぞれの付きたい職業体験をしに行ったり、花嫁修業をしたりと人それぞれ違うことをするのだ。
私は後期の授業はティアドラ王国の大神官、ネオ・スティード様とアルテリア王国出身の魔法省の大魔法使いのルカ・アマウス様からちゃんとした聖と無の魔法を教えてもらうことになった。
二人ともアズミの友人で私と同い年でまだ15歳なのに、それぞれかなり大きい役職についていて非常に優秀らしい。
もちろん、聖魔法を持つルナも一緒に後期の授業に参加することになった。
私は数か月ぶりに学園の門を通る。
そして最初にこの学園に来た時を思い出す。
これからの新しい出会いに期待を膨らませてこの道を歩いた、そんな記憶。
5年生になるまでいろんなことがあった。
いろんな人に出会った。
そして、今私がここに立っていられるのは私を助けてくれた皆さんのおかげ、...私はこれ以上ないぐらいの幸せ者ですね。
校舎まで歩いていると隣で歩いていたルナがつぶやく。
「本当はここから始まるはずだったのですよね...。」
私は首をかしげながら聞いてみた。
「ここから始まるはずだったとはどういうことですか...?」
「あ、いえ。特に意味はないんですけど...」
と言葉を濁した。
いつもはっきり言うルナには珍しいことで、すぐに前世の記憶だということを察した私は微笑みながら、こう言った。
「無理して言わないで。そうですね、”いつか”話してくれますか?」
ルナは目を見開いた後に笑顔になって答えた。
「ありがとうございます。いつか、必ず話します!」
教室は5年1組なので校舎3階の一番奥に教室がある。
今年はなんと5年生の全員が同じクラスになれたのだ。
教室に入るともうすでに私たち以外のみんなが揃っていた。
「おはようございます!アリシナ様!」
とキャロルが真っ先に駆け寄ってくる。
「アリシナ様、おはようごさいます。」
と後に続くようにサナもやってくる。
「おはようございます。アリシナ様、体調の方は大丈夫ですの?」
とミラが最後に優雅に歩いてやってきた。
彼女たちの後ろの方からなにか圧を感じる気がします...気のせいでしょうか?
「お姉さま、おはようございます。元気そうなのでよかったです。」
とシェイナスもやってきた。
「ええ、皆さんおはようございます。このとおり、完全に元気になりました。いつも王城の方に来てくださってありがとうございました。」
私は感謝の気持ちを込めながら微笑みかけた。
誘拐事件があって目が覚めた時はずっと寝ていたためか、体力が少なくなっていたので、徐々に元の体力に戻しました。
戻すと言っても散歩をしたり、魔法の練習をしたりといつも通りに毎日過ごしていただけだ。
散歩にはいつも来てくれるみんなが付き合ってくれたので、歩いている間いろんな話ができて楽しかった。
みんなは少しほっとしたように肩の力を抜いた。
私はみんなが喋っていたところに行って、自分の席をとる。
教室の空いた窓から春になり、暖かくなってきた風が入り込んで来る。
その吹く風にはほのかに梅の香りとがして、朝の暖かい日差しが窓から入ってきて談笑をするアリシナ達を明るく照らした。
次回の投稿は明日の20時です。最終話まであと8日。




