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2.何かの予兆

「君の大切さを知った日に」2話目です。

お茶会は最初は着席して昼食会をして、そのあとは立食パーティーのような形で行われる。


私の右にはお母様、左はなぜか王太子、その左に王妃様の4人席に座っていた。



なんでこの席の配置してるんだろ?



王妃様とお母様は昔から仲が良いらしくずっと二人で話している。


王太子はニコニコして話を聞いている...ように見える。



私はとりあえず出ている昼食をちょっとずつ食べることにした。


視線を感じたので左を見ると、王太子がこっちを見て微笑んでいた。



...なんで私殿下に微笑まれてるんだろ...?


私は首をかしげながらこう言った。


「あの...殿下?私に何かついているのですか?」



王太子は一瞬きょとんとした顔になってからまた微笑んだ。


「いえ、何もついていませんよ?」



「ならいいんですけど。」


よくわからないけど、言及はしないほうがよさそう。



私たちは昼食会が終わるとそのままお茶会の準備をするため、自由に庭を散策してもいい時間になった。



私は人がいないところに向かう。


ほとんどの私と同年代の令嬢は王太子の周りに集まってお話をしているらしい。



園庭を散策していると一際目立つバラを見つけた。


アリシナは昔からバラの花が好きなのだ。


両親に誕生日プレゼントを聞かれると必ずバラを頼むほどバラをこよなく愛している。



アリシナの住むヴェルディーン公爵家には広い庭があり、ある一角にアリシナのために作られたバラ園がある。


そのバラ園は四季のどの季節にもその季節ごとに違ったバラが咲いている。



アリシナの日課にバラの世話ができたのはいつからだろうか物心ついた時にはすでにバラの世話をしていたように思う。



彼女が見つけたバラは青バラ(ブルーローズ)と言われる品種改良されたバラだった。



私はそのバラに近づく、その青バラは他のバラとは違い一際目立っていた。



どれぐらい眺めていたのだろうか、いつの間にかに隣に王太子が立っていた。


「青バラがお好きなのですか?」


首を少し傾げた彼の前髪がさらりと揺れた。



「ええ、青バラというよりも、バラが好きなんです。」


私は少し驚きながら答える。



「もうそろそろお茶会が始まるみたいですよ。行かないんですか?」



私は少し迷ってから答える。


「私はもう少しここにいようと思います。」



「私もご一緒してもいいですか?」


殿下は相変わらずニコニコしている。



「...えっと、いいですけど、殿下はお茶会のほうに行かれなくてよろしいのですか?」



「来た招待客の皆さんをもてなすのが私たちの役目です。アリシナ嬢もその一人ですから私がいたほうがよろしいかと。」



「なるほど、では私もお茶会のほうに戻ったほうがよろしいのでは?」


だって今日は殿下の婚約者選びのはず...もしかしてもうお相手は決まっているのかしら。



「いえ、そのまま庭のほうを散策してもらってていいですよ。


招待客を暇にさせないのも主催者の役目ですから。」



「あの、一つ聞いてもいいですか?」


いくら主催者の役目だからって、他の招待客はどうするのかしら。



「ええ、いいですよ。」



「他の招待客の方はいいのですか?」



殿下は不思議そうな顔をした。


「他の招待客...?このお茶会はアリシナ嬢とリーリア夫人しかご招待していないはずですよ。」



「じゃ、じゃあさっきのご令嬢方は?」



「他のご令嬢は後日開かれるお茶会に参加する予定なはずですよ。」



それは知らなかった。


「ではさっき行われていたのは...?」



「ああ、さっき行われていたのは食事会です。地方から来ていただいた方たちと王都に住んでいる方の交流ができるように開催したのですよ。」



「そうだったのですか。」


私と殿下はそのあと少しだけ庭を歩いてお母様達のいるところまで戻った。



そこで他愛もない話をした後私とお母様は自分たちの屋敷に戻った。

次の投稿は明日の20時です。本編の投稿まであと7日。

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