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19.深い謎

今回は少し情報量が多めです。

私たちは昼食を食べた後に海に向かう。



今日は快晴で遠く先、地平線が見える。

砂の上に椅子を置いて、パラソルを置いて日差しをよける。



4人で並んで椅子に座った。

海にはあまり人がおらず、私たちだけが海に来て座っているようだ。



「海って不思議ですよね。ちゃんとした形がなくて、どこか深くて...怖い。」

ルナは海の方を見ながらつぶやいた。



ルナには、なにか海の思い出でつらい過去があるのかしら...?



「確かになにか奥深くからやってきそうな気がします...。」

キャロルは想像したのか、少し身をブルっとさせた。



「まあ、私は深くまで潜らない限り危険はないと思いますわよ。」

ミラは全然怖がりもせず、不思議にも思っていないようだ。



この海の向こう側にはウルツライト帝国がある。

私たちの住むイグニア王国や他の周辺国は聖歴を使っているが、帝国では建国当初から使われている魔歴を使っている。

ウルツライト帝国はこのヴィクトゥーラの中でも太古の昔からあったとされる大帝国で、他の国は帝国を囲むような大陸の地図になっていたはずだ。

実際行ったことはないが、ウルツライト帝国の皇帝はかなり恐ろしい方なのだとか、逆に心優しい方なのだとか、といろんな噂がある国だ。



王太子妃になったらウルツライト帝国に賓客として招かれる可能性が高いのでそれなりの覚悟をしている。

まあ、そこまで警戒しなくてもすぐ攻撃をしてくるほどではない...と思いたい。



海ですか...何か私は忘れているような気がします。



私の人生を変えることになった大切な事を。



しばらく海のビーチでくつろいだ後、日もだいぶ傾いてきたので別荘に帰ることにした。



夕食の時間になると朝見た時よりも疲れているように見える弟、シェイナスがいた。

途中で姿を消したお父様もいつの間にかお帰りしていたようでいつもの笑顔をより一層深めているように見える。



お父様、何に怒っていらっしゃるのかしら。



他の人には聞こえないような小さい声でお父様はつぶやいた。

読唇術で読み取った結果「本当にアルテリア王国の間諜がイグニア王国に来ていたとは。本当にしつこいな。」と言っていることが分かった。



間諜?アルテリア王国と言えば、魔王の子供と天使と天使に仕える悪魔が一人ずつ住んでいると聞いたことがある。

魔法省があるのも有名だ。

世界各国から有名な魔法使いが入省するために集まっていると聞いたことがあった。



ヴィクトゥーラには世界五大王国と言われる国がある。

ウルツライト帝国には劣るが、帝国の次に強いとされる王国と言われるほど強い。



神を強く信仰するティアドラ王国、ドラゴンとともに戦う竜騎士団のあるサファラト王国、精霊と契約をしてともに戦う精霊騎士団のあるルビルト王国、魔法省の本部があり世界各国から優秀な魔法使いが集まるアルテリア王国、自然の恵みを大切にして文明を築いた和の国のイヨ王国。

この五大王国はそれぞれ強い力を持っているため周辺国から手出ししようとは思わない、そのおかげで今世界は平和を保っている。

下手すると自分の国を攻撃されてしまうので、五大王国に手出しできる国はウルツライト帝国ぐらいしかいない。



ウルツライト帝国の話は未だに他の国より情報が入りにくい。

かなり警備も厳しく、口が硬い人が多いのか、それともなにか弱みを握られていて口に出せないのかは判明していない。

ウルツライト帝国に行った者は皆こう言うらしい。

「帝国は統率の取れた素晴らしい国だ。」と。



お父様が口にしたアルテリア王国は私から見ると不敬になるから口には出さないけれど、この国よりも力を持っていると思うのであまり危惧する点はないと思う...それなのになぜアルテリア王国はこの国に間諜なんて送っていたのかしら?



私が疑問を抱いているとミラ達が何かあったのか、というように私を見ていたのでこの疑問はとりあえず置いておいて食事を進めることにした。





その夜私は不思議な夢を見た。

次回の投稿は明日の20時です。明日同時刻に『Restart』のsideストーリーの投稿があります。そちらもぜひ見ていただけると幸いです。

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