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あとがき

 こちらはあとがきです。本編のネタバレを含めて語っていく場ですので、未読の方はご承知おきください。


 まずはあとがきを読んでいただき、ありがとうございます。

 本作「異世界転移したけど、それより先公ぶっ潰すのどうするよ」は無事に完結させることができました。

 最後まで読んでくれた方、最初だけ読んだ方、途中だけ覗いた方、そもそも読んでなくてあとがきにだけ来た方、様々いらっしゃると思いますが、等しくお礼申し上げます。

 ここから先は、本作を振り返っていこうと思いますが、ネガティブな発言を交えての後語りとなりますので、予めご了承ください。

 それでは参ります。




●本作の着想とモチーフ

 この作品ですが、明確にモチーフがあります。

 モチーフの対象は、一次創作ではなく二次創作の類です。

 それを考えると、三次創作的な作品とも言えてしまいますが、キャラクターは大部分がオリジナルで、自分で入れ込んだエピソードも多々あります。ということで一応、劣化互換の別物のつもりです。

 なおここでモチーフのタイトル等を記載するのは当該作品の作者様にご迷惑がかかる可能性があるので、詳細は省きます。

 ないと思いますが、どの作品か質問をされても、肯定も否定も返答できかねます。ご理解ください。


 で、モチーフの作品が面白かったので真似て書くことにしたわけですが。

 展開の参考がそのままあるので、「まあ適当に書けるやろ」という軽い気持ちで執筆開始しました。

 結果、全然終わらなかったという。何か月かかったの? 最初が八月三十日投稿だから……ギリギリ一年経ってないですね。この内容なら三か月くらいで終わらせろよ。


 主人公に関してですが、出来るだけ、異世界に突然転移してもある程度戦ったり、そういう行動を取っても不自然でないキャラがいいなあ、と思ったので、あんな感じになりました。どう見ても時代錯誤のヤンキーですけどね……。

 途中から葛藤ばかり増えるので、あまり最初程無双しなくて、そこらへんは失敗だったと思います。爽快感がない。


●ストーリーについて

 大筋のストーリーラインはモチーフ元に添っています。


 学校ごと転移する→サバイバル生活→なんやかんやあって異世界人と知り合う→なんやかんやあって魔王退治


 参考にした割にちょっとおおざっぱにし過ぎてない?

 このなんやかんやの部分ですが、キャラクターをオリジナルで作ったので、当然そのままモチーフのエピソードを入れられるはずもありません。

 最低限、ここはきちんと作らないとね、ということで、最初の時点ではまだあやふやになっていました。

 で、イベントとしてキャラ間の絡み、学校での内紛とか、知り合った王国での戦争や内乱の伏線とか、増えて行きました。

 最終的には、異世界へ呼んだ女神を退治して帰還、進也と梨子は神剣使いとして旅立つ、というのが思いついたオチ。


 また色々考えていった中で、主人公が学校を出て単独で行動する、というエピソードも出てきました。

 主人公っぽくひとりだけ真実を突き止めるとか、面白そうかなー、と思って盛り込みました。が、「単独行動する理由は?」となって一度行き詰まりました。

 進也は小賢しく立ち回る部分もあるので、自分から単独で行く理性的な理由ってないんですよね。

 なので、感情的なエピソードが必要になったわけですが……結果があの出来。

 うーん。素直に内紛起きて血みどろの闘争になったうえで出たほうが良かったんじゃない? あれじゃ、う〇こ投げつけられたから出て行ったみたいで、ダセえよ。

 その他のストーリーも、おおむね褒められた出来ではないですね。情報をつかんで進んでるんじゃなく、行き当たりばったりが多いので。

 結果から生じる情報を関連付けて置いておく、というのが出来ていない。あと異世界感も薄い。

 要は知恵も知識も足りていない。(全部に言えることだけど)


 あとは、キャラ多すぎて自分で扱い切れてないのも原因。何で群像劇にしたんだ……いや、モチーフ元がそうだったからではあるけど、踏襲するべきじゃなかったな、と書いてからは思いました。捨てたエピソードがたくさんだよ。

 結局、主人公周りが書くべきところだったんだし、そこに注力する構成にする方がよかったなあと思います。


 あとあれ。タイトル。檎台が早々に退場したので、完全に形骸化してたね。

 まあ、そこが全体の半分のつもりで書いていたので、後半がうまくまとめられていればもう少しなんとかなってたかな。


●各キャラクターについて

◆天杉 進也

 本作の主人公。極道の息子だったけど、伯母に引き取られて、元極道の息子になる。

 幼少期に、旦那に相手をされない母親が、息子の進也に旦那の面影を見出し、性処理の相手をさせられた。父親の方は父親の方で、母とそんな息子を蔑視。父親が母の相手をしないのは、政略的な結婚での妻だったから。

 そんな状況に耐え切れなくなり、両親を殺害。普通は十歳以下の子供って、それでも親のことを無条件で信頼してる部分がありますが、進也の場合はそれすら飛び越えました。

 この辺がトラウマになっているので、憎悪やクズは察知できるけど、好意に関しては嫌悪しまくって察せない。梨子はよく好意を伝えてきますが、本当に聞く気がなく流してたりする。

 見返すと全然ライトじゃない設定ですね。何でこうなったんだろう。


 神剣の能力は炎。分かりやすいと思ったのですぐ決まりました。能力の発展も初期から考えていたアイデアです。最終的に魂も焼き尽くして神殺し出来るようになるという形。

 戦闘場面は楽しかったですが、もう少し分かりやすい技名は考えておくべきだったかな。


 性格に関しては、とにかく気に食わないことに反抗する悪童。

 一方で、本心では自分が生き続ける価値はどこにもないと思っている。

 最終的には、そんな自分でも必要とされる相棒(恋人ではない)を見つける。

 ストーリーに合わせて会話させた部分も多かったので、だいぶ支離滅裂になってた気がする。もうちょいうまく書きたかったですね。

 まあ現代の倫理的に考えたら、こいつの存在はアウトなので生きる場所もクソもないのですが。


◆姫口 梨子

 進也の相棒役。一人称が『ボク』の少女。トランスジェンダーというわけではない。

 たまたま最初に好きになった相手が幼馴染の同性の友人だった。

 しかし振られてしまい以来、他人と深く付き合いすぎるのを避けている。

 進也とは、振られて落ち込んでいた自分を、彼なりに励ましてくれたのが心地良くてつるんでいる。

 振られた経験から、どうにも他人との距離感を図るのが苦手。なので無遠慮にいじれる進也に依存している節がある。

 もっぱら進也の手綱役。ただしブレーキではない。


 実は最初は魔王になる予定のキャラでした。

 具体的には皐月への嫉妬心から変貌する、という形だったのですが、途中で「あれこれ、皐月の方が進也のこと憎みやすいんじゃ?」となって急遽なしになりました。

 おかげで、後半の相棒っぽく振る舞っている所はテキトーな感じになってあまり掘り下げられませんでした。

 慰められた以外の進也に対する信頼のエピソードも、もうひとつくらい挟んでおけばよかったなあとは思います。


 ちなみに進也と梨子に関しては相方として設定しているわけですが、これは仮に性別が逆だったり同性であったとしても成り立つ形で書きたいなー、と思ったからです。恋愛感情が互いにない設定なのは、この辺が起因してます。


 剣の能力は、当初は審判者と同じ、次元の移動で、最初のうちは単に光や風景を操り、本人が隠れる能力だと勘違いされていた、という形にする予定でした。

 ただまあ、なんかキャラの心象とずれていることとか、魔王予定が無くなったことも合わせ、周囲と同化する、という能力になりました。

 無敵系能力っぽいけど、物語上、使えるのが終盤だけだからバランス崩壊はしなかった、と思う。


◆鹿沼 皐月

 ヒロイン。控えめな性格の少女。基本的に他者を立て、自分は前に立たないタイプ。七海円花とは幼い頃からの親友。

 人の善意を信じて疑わない、いい意味でも悪い意味でも夢見がちな少女。

その優しさから他者に付け込まれることも多い。円花によって守られているものの、結果としてかえって皐月自身が自分の意思で何かする機会を奪われてしまってもいる。

 ある日、檎台の援助交際を目撃し、それを向こうに感づかれて肉体関係を強要される。

 以降、檎台に嫌悪感を抱きながらも、円花にバレたくないという思いのせいで、かえって泥沼から抜け出せずにいる。

 偶然知り合った進也に事情を探り当てられ、助けてほしいと頼み込むこととなった。しかし皐月の希望は「円花にバレないように」という要望だったため、進也は解決に苦労しているというありさま。


 展開の犠牲者です。正直、不幸な目に遭わせ過ぎたと思う。ごめんよ。

 とはいえ、主人公と恋人にならないという形は当初通りなので、増えた予定は魔王になったことくらい。

 梨子が進也の肯定役なので、皐月は否定役。現実的に変化をもたらす行動をしているのは進也ばっかりですが、普通の現代世界であれば皐月の方の意見が正しかったり。

 あくまで異世界でのイレギュラーが噛み合ってるのが進也の現実です。


 自分を押し殺して行動することが、進也のトラウマを刺激している辺りなど、何かとペアとしての組み合わせはよかったのですが、どう想像しても恋に発展しないな、と思ったので、皐月には愛情的な行動、要は見返りを求めない形で動かすことになりました。

 さすがにいくら愛があっても、存在が必要ないとまで言われればブチ切れるのは当たり前だけど。


 剣の能力は他者への魔力譲渡。最終的には魔力操作。最初に恭二を助ける場面では回復と勘違いされる。

 ちなみに操作する方は、最初設定していませんでした。魔王として描写してる辺りで、どう発展させるか考えた結果生まれました。

 割りとうまく魔王の存在と噛み合った感じはありますね。もしや皐月が魔王になるのは初めから予定調和だった……?


◆七海 円花

 テニス部所属の快活な女子。生真面目な気質で、悪く言えばきつめの性格。ただ友情に厚く、引っ込み思案だった鹿沼皐月を、小さい頃から守っている。いわゆる姫に対する護衛の騎士みたいなポジション。

 後のグループ分けの関係で皐月とは離れ、梨子と組むことになる。その辺りの成長と新たにはぐくむ友情がターニングポイント、になるといいなあ。

 進也のことは噂でしか知らないので敵視している。序盤は事情を知らず、皐月のことで盲目的なので仕方ない。


 皐月に次いで損な役回りなキャラ。君が早く気が付いていれば皐月の救われた未来は何個もあったんだよ……という言い方をすると非常に残酷。

 正直、活躍できる場面や、皐月と仲直りするシーンを濃く描写したかった、とは思うものの、主人公ではないからあまり注力も出来んしなあ、ということで何かと泥をかぶることになりました。


 剣の能力は風を操る。

 近接戦闘がほとんどの神剣使いの中ではかなりまともと言っていい遠距離戦闘を行える能力。

 でも便利すぎるので、本編では差し引かれて微妙な活躍度合いになりました。

 心象とも、気風がいいくらいのイメージで、あまり強く噛み合ってないんですよね。もう少し煮詰めるべきだった。


◆紅峰 楓

◆梅里 南波

◆熊崎 明日真

◆桂木 月乃

◆柊 白亜

◆柊 護

◆松永 時哉

◆合歓垣 来夏


 本来は主人公格として意識して書いていたキャラ達。まあ描き切れないと分かったのでモブ化していきました。悲しい。

 時哉と来夏はストレーミア王国の内乱辺りで活躍させようかと思っていたんですが、イベントが省かれました。

 みんな会話させてて楽しかったです。白亜と来夏がわざとらしかった以外は、特徴は分けられてたかな。

 紅峰たち上級生は、帰還後に強制的に浪人コースになっているので、だいぶハード。


◆檎台 相司

 ロリコン教師。鹿沼を脅している男。

 立ち回りは地味で、運でどうにかなっているタイプ。

 というのが当初の設定だったんですが、なんか進也と会話させたらうまく噛み合ってしまったので、意外と味のあるキャラに。

 似たようなことに悩んでいる理解者みたいなポジションに収まりました。でもクズなので殺されます。慈悲はない。


 学生の頃、義理の妹を犯したけど、何も文句言わないから関係を続けていた。するとある日、妹が自殺した。それを見て、玩具が無くなった感覚しかなかったことに、初めて他人と違うということを自覚した。

 という設定ですが、書き始めてから生えました。まあ、何かクズ設定に厚みを持たせたかったんですよね。

 後々、性格は真反対だけど似たようなキャラを出すようになったのは、悪役として面白かったので、名残りみたいなものです。生き返すわけにもいかないし。


◆南竹 赤彦

◆小手毬 優子

◆兜川 光

 モブの先生方。と言いつつ、南竹だけ、何か筆が乗ったせいで前半にけっこう顔を出してました。

 小手毬は、ちょっとあれは無理矢理過ぎた……豹変しすぎ。追い出しイベントのためとはいえ、もうちょいちゃんとキャラを用意するべきだった。

 兜川は、王国イベントが残ってたらなんやかんやする予定でした。なくなったので意味なかったけど。


◆ノア・アンシュムス

◆ルエンフィース・フォン・ラーガー

◆カメーリア・サスク

 異世界人。マジでその役割しかない記号と化してしまった。

 会話させるのは楽しかったですが、結局王国のイベントを何もしなかったので意味を失ってしまいました。ロリ王女を守ってモブキャラの誰かが恋愛展開になる可能性があったとかなかったとか。


◆仙波 夏美

◆花貝 琉伽

◆パドネ・オードラ

◆モア

◆エンネ

◆プラム

 この辺はもう、展開のために生えてきたという悲しきキャラクター達。パドネは書いてて意外と面白かったです。

 夏美は年下っぽさを出すのに、結構苦労してました。

 花貝くん……先に檎台を書いたから、何か大人しく感じる(錯覚)。

 モアとエンネも、ジュノスの民を説明するために出てきたようなものなので、ちょっとキャラづけが甘い。

 一応、エンネとプラムは、進也の幼少期の記憶を刺激する役回りもあったので、そういう意味では重要でした。まあ、そのせいでプラムは斬られるんですが。子供殺すのはさすがにひどい展開だけど、やらないと進也がさほど葛藤できないし。


◆女神ダフニ

◆トウダイ

 畜生女神と、その友人(自称)。

 ダフニに関しては単なる胸糞悪い神と当初から決めてあったので、あんまり変更点はなし。

 んで、便利キャラのトウダイくん。だーかーらー、こういうのを無闇に配置するなって別の作品でも反省しだろうが。

 でもいないと強引に終わりに向かうことも出来なかったので困る。

 檎台のところで書いた通り、トウダイは名残で入れたキャラでもあるのですが、なんだかんだ進也との会話が軽妙になって楽しかったですね。

 思い付いちゃったのでぶっ込むことになりましたが、急に上位者とかなんか出てきたので、返って神剣が何なのか、ということの説明の方が必要になってた感じがありました。でも挟む余地がなかったし、今さらだったのであとがきの中で述べます。

 作品内で語れるのが一番いいです、本来はね。

 他の設定は、作中でトウダイが語っていることで大体説明が終わってます。


神剣器官(フォリウム)

 もうちょいちゃんと設定をしっかり作っておこうか、こういうのは。

 神剣の精神支配を応用して作り上げた戦闘人形、みたいな感じですが、それを技術的に完全に可能にしちゃうと、神剣使いという存在が崩壊するんですよね……。

 なので苦し紛れに薬物も使用してる、とは付け加えたんですが。

 ファンタジーっぽさが消える上に、どうやって命令制御してんだよという疑問とか粗がありまくりで、まあなんというか、あの辺書いてるときは死にたくなりました。発想が貧困。

 魔物以外の敵も作りたかった、というのがあったんですが、結局森以外で出て来ないまま終わったので何とも言えない存在に。

 皐月が支配したって書いてた部分があった? その後、描写されてない?

 砲撃と魔物に囲まれたときについでに死んだんでしょ。

 ……はい、すみません。長くなりすぎるから省かざるを得ませんでした。

 妥協の産物はいかん。


●神剣について

 使い込み続けてレベルアップできれば、神様とか悪魔になれるすげー剣です。

 ただし慣れないうちは本人の精神を増幅する効果を持つため、暴走しやすいです。

 本来は、マナ(魔力)の豊富な世界でしか生まれないため、進也たちの世界にはありません。

 ダフニが神剣を与えているのは、単純に本人たちから引き出しているだけです。作れたりするわけではないです。

 神剣そのものが折れても死ぬわけではありませんが、精神に多大な影響を及ぼします。

 大体そんな感じの概念武器。この作品内のキャラは、大抵コイツに振り回されてもいます。


●全体を通しての感想

 長かった。

 初めて投稿して連載し始めた作品だったので、なんとかきちんと完結させたくて書いていました。

 投稿サイトの使い方も全然知らないまま(今もあんま変わらない)、だらだらと、途中休止してまでやってましたが、それでもなんとか完結までこぎつけました。

 書いてて楽しかった部分もあったし、不満点は上記に長々述べました。

 学んだこととしては……もっと物語を物語れるようになろう。これに尽きます。

 でも終わらせられたことだけは本当によかったと思う。満足だよ。


 反省を生かすとしたら、もっと読みやすい作品を作るよう心がけることですかね。ギャグ系というか、肩の力抜ける系というか。

 と言いつつ、既に次の作品でまたシリアス書いてますが。よければそちらもお読みいただければ幸いです(ダイマ)。


 というわけで、最後までお読みいただきありがとうございました。

 また次の作品でお会いいたしましょう。

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