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先生いじめと本気のいじめ ~3年1組編~

作者: ちょっと変な高校生

私の学校の全校生徒で行われる、先生いじめといういじめ。

そのいじめは、保健の先生に向けられている。

私が中1の時から、先生が変わってもいつまでも続いている、名物といっても過言ではないもの。

保健の先生はカウンセラーも受け持っている。そのため、いじめの多発は保健の先生だって困るはず。

今、保健の先生は、(みさき) 汐里(しおり)という先生なのだが、今までの保健の先生よりも生徒に嫌われまくっている先生。


私は咲花(さくはな) りあ。この学校の3年生。私は今まで静かにほどほどに過ごしてきたため、いじめを受けたことはなかった。

これの意味わかんない人もいるかもしれないから一応言うけど、保健の先生へのいじめっていうのが、全校生徒で結構前の先輩が決めたらしくて「すべてのクラスで問題児またはいじめを起こすこと」というものらしい。あくまでも私が知っていることなんだけど・・・。

それは、だいぶ後の今も変わらず行っている。さっき言ったように私はほどほどに静かに過ごしていたから、いじめられたことはない。


そして各クラスに必ずいるリーダー(いじめのターゲット選びやいじめを基本進める人)は、絶対に決まっているようなもの。ちなみに私の学年の4にん(私の学校は4クラス)は、この人たち。



1.賀山 聖来(かやませいら)  お嬢様。お父さんは社長で、みんなに慕われている。

2.白垣(しらがき) 亜希乃(あきの) モデル志望でスタイル抜群の顔はかわいい完璧ガール。

3.蓮本(はすもと) 七穂 (ななほ) 身長はそこそこだけど、顔はものすごくかわいい。男子に人気!

4.桑畠(くわはた) 珠里(しゅり) 面倒見がいいお姉さん。腹黒い。


こんなところかな。毎年この4人はなぜか別のクラスになって、この子たちがリーダーをしている。

私のクラス・1組には、亜希乃ちゃんがいる。

亜希乃ちゃんって呼び方は、私が勝手にしてるだけであって、実際にこんな呼び方ではよばない。実際はもちろん、白垣さんって苗字呼びをちゃんとしているから、ほかの人に白い目で見られたりするわけじゃないから、ね。


それで、今年の亜希乃ちゃんのやり方によると、小テストの点数が一番高かったひとか一番低かった人のどっちかをいじめているらしいんだけど、また結構前の先輩が決めたことの中に、「同じ人を学期中にいじめないこと」とあったらしくって、最初に一番高い人がいじめられて、二回目も同じ人だった場合は、一番低い人がいじめられる。三回目、低い人・高い人が同じなら、二番目に低い人・高い人で選ぶみたい。

私は勉強は得意でも不得意でもないし、今までのリーダーの方針に引っかからなかったから、いじめられたことがない。


この話は、そんないじめの1組の日常を描いたもの。



「テストを返します。最高点は白垣さん、最低点は霜月(しもづき)さんでした。」


私は78点。そこそこな点数だったが、まあこれならいじめられることはないはず。

ただ、亜希乃ちゃんが一番点数が高いってことは、最低点の梨位(りい)がいじめられるのが普通。梨位はもう一学期にいじめられてる。最初のテストで、油断して悪い点数を取ってしまったことからいじめられた。でもそのかわり梨位は一学期中はいじめられなくなった。ただ、亜希乃ちゃんがいじめられる、というのは、必ずないと言うか前代未聞。

でも残念なことに事件は起きた(笑)。


「亜希乃。今日からあんたは私らを友達とは思わないでよね。」


亜希乃ちゃんに言ったのは、いつも亜希乃ちゃんとイジメを行っている、友達だった。何かの冗談かと思えばその気もないっぽいし、本当に今のターゲットは亜希乃ちゃんになったみたい。しかも、その子たちだけではなく、今までいじめられていた子も参加した。


「必要以上に私をいじめたこと、後悔させてあげる!」


とまあなんとアホらしい。

ただ問題なのが、今までが今までだから亜希乃ちゃんも後悔とかそんなレベルじゃないと思う。そりゃあ私も勝手にリーダー付けられたら困る。そんなイジメなんてやりたいと思わないもん。人が苦しんでいく様子を見ているのも辛いのに、自分自身の手で人を苦しめるのは私だったら辛い。でも。


この子達は違うかもしれない。


人が苦しんでいるところを見て笑っているのは、とてもじゃないけど酷すぎる。私は今まで3年間イジメを見てきた。いじめられず、いじめず。でも、いじめている側の人の笑い方は人を見下した笑いだった。ときには無理矢理笑っている子もいた。自分がいじめられないために。そのグループに入ってしまったからしょうがないと言いたげな顔で。その子に対しては私はかわいそうだろ思った。こんなことしたいんじゃない。イジメなんかしたくないのに。私を巻き込まないでって、声が聞こえそうだった。


まあそんなことは置いといて。

今回のいじめは、今まで亜希乃ちゃんがしていた緩いいじめとは大違いだった。今まではそりゃあやられないよりいいことはないけど、でも悪口、とか机を外に出してとか先生に怒られるように仕向けたりだとか。そんなことをしていた。ね?たいしたこと無いでしょ?


でも今は違った。たいしたことないいじめに恨み持って。やり返すとかアホなこと言って。だれよりも、今までの誰よりも傷付いている亜希乃ちゃんはそんなにも面白い?


亜希乃ちゃんは、今まで先輩の約束を果たそうと頑張ってきた。それなのに、それをあっさり裏切るのは。あまりにも亜希乃ちゃんがかわいそう。人の努力を認めない。それは岬 汐里と同じ。あの人だって努力を認めてくれない人なんだから。亜希乃ちゃんの友達になるなんてアホらしいことはしたくない。でも亜希乃ちゃんと友達になることは絶対にしない。亜希乃ちゃんと友達になったと言っていじめられる原因が作られてしまうから。このまま平常に、気ままに過ごしていこう。いじめなんかかかわらない、私の学校生活を。

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― 新着の感想 ―
[良い点] りあの冷徹な視点がしっかりしていると思います。 [一言] 頑張ってね!
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