情報戦
今日は、気狂い作家です。
エヴン達は馬鹿です。KING OF 馬鹿です。
しかも滅茶苦茶に強くて、戦闘狂です。
でもこうなったのには深い理由があるのです。
それではどうぞ。
エヴン達は頭を悩ませていた。
ギャンゴルド銀行の一件から、周囲で厄介事が多発している。奪った宝石を取り返しに来た侵入者、そいつらを送り出した大元を襲撃しても何も得るものは無かった。そして、家に帰るなり酒を飲み始めた。
「本当にアイツらは何なんだ?俺達を本気で殺したいなら、あんな武装集団よりも国連の委員会あたりがまず動き出す筈だ。それとも、もう世界規模で俺達を抹殺しようキャンペーンでも始めてるのか?」
「それならアンタが気づかない筈ないだろ。此奴らは所詮俺達が亜人類種だと何処かで気づいて捕獲しに来た、成金を目指す成り上がりやろうさ。」
「そうだな。お前の言う通り亜人類種を捕獲しようと挑んだ奴は少なくない。天然の亜人類種は生け捕りでも死体でも億越えのレートに変わりはないからな。大体はこうやって返り討ちになるが。」
そう言ってから、エヴンは足元に並ぶ死体を見下ろした。昨日の条の猛攻によって侵入者一同はことごとく玉砕された。ある者は高圧電流によって黒こげになり、ある者は四肢が全て魔眼の力によって破壊されている。レベルの高い者は何故か便器に頭から刺さっていたり、綺麗に外見だけ形を保ったが中身を粉砕された者もいる。無念、彼らの死は忘れない。2分くらいは。
「ともかく、こんだけの大騒動になったんだ。全ての元凶にはたっぷりと落とし前つけてもらうか。まだ手掛かりは残ってる訳だし。」
「そうするか。その時には既に世界を揺るがす程の大ごとになるだろうな。俺達は運が悪いから、何も起こらない訳がねぇ。」
とてもそんな簡単には片付けられない事を片付け、死体の処理もしないまま部屋に帰った。
その惨状は常人なら気が狂う程に無残であるが、エヴン達は世の常識が頭からな抜け落ちているためなんとも思わない。
「これで此奴らが全滅したんなら万々歳。してなけりゃまた殺す。これで行くか。よーし眠るぞ。」
嗚呼、先が思いやられる。
〜翌日〜
「なぁエヴン。昨日の侵入者供と宇宙開発センターの連中に関してどう思う?」
「恐らく、彼奴らはクレイシティを部分的に支配するような奴に雇われた私兵部隊あたりと考えられる。彼処にいたデブより遥かに上の階級にいる奴にな。そういう奴らには、幾度となく喧嘩を売ったからな。1人捕まえて、拷問地獄に放り込んで、また1人捕まえるの繰り返しで、誰かに恨みを買われたんだろう。」
「成る程。確かに俺は誰か捕まえる度に長いこと拷問してたからな。昨日の奴等も拷問すれば良かった。」
エヴンは独自の推論を述べながら私物のパソコンの前に座った。
「とりあえず、ギャンゴルド銀行に宝石を預けた奴を探すか。それが1番速く終わりそうだしな。
《常識反転》
やはり簡単にできてしまうか。この能力は便利な反面、あんまり面白くないんだよな。現実がまるごとひっくり返るわけだし。」
自分の能力の唯一のデメリットを嘆きつつも、自分の精神をパソコンに投影し、インターネットに繋げる。こうすればハッキングする手間を省きながら一瞬で情報を集められる。
「クレイシティ中にギャンゴルド銀行に口座を持つ人間は数え切れない程いるし、銀行に賄賂を渡していた奴を含めると調べ終わる前に日が暮れるぞ。」
その後20時間程インターネットを漁り、全ての口座と賄賂の出所を調べ終わった。結果、宝石の出所を掴むに至った。
「今日の収穫はこれだけか。まぁ有るだけましだな。元々見つからない可能性も考慮していた事を考えれば大収穫と言えよう。ジョウ!いま帰ったぞ!」
「ようエヴン。なんか見つけたか?」
「ああ。これを見てくれ。」
そう言って自分のパソコンの画面を見せる。
「これはとある警備会社のデータだ。極めて小規模ながら、地元ギャングやヤクの売人と取引を重ねて順調に経営しているようだ。それで、この会社の取引記録を調べたらヒットした。この会社は昔、町1番の大規模なギャング『DEMON』と取引していた。こんな小規模な警備会社がそんな大規模なギャングと取引させて貰える筈がない。必ず仲介役がいる筈だ。それにこの会社の親会社は、かの大企業。『高等兵器開発局(HWDS)』だ。しかも、この2つの企業の両方に投資してる株主は、クレイシティでもTOP3に入る成金野郎のジョン・ラッドだし、ギャンゴルド銀行に宝石を預けたのもコイツだとよ。どうする?押入るか?」
「当然!まったく成金野郎供は魅力的だ。魅力的すぎて高圧電流を流したくなるぜ!」
「クッハハハハハハハ‼︎」
「ハーッハハハハハハ‼︎」
いかがでしょうか?
エヴンが戦闘狂な理由はいずれ何処かで明かします。首をキリンより長くして、待ってて下さい。
今回は初めて本格的な能力発動シーンを書きました。
では、またいつか。