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Outlaw 世界最強の無法者  作者: 気狂い作家
3/18

侵入者と破壊者

今日は、気狂い作家です。

エヴン達は結構厄介事に巻き込まれる体質です。

あと、彼らは既に人間の領域を超えてるので、色々とヤバイです。

それではごゆっくりどうぞ。

エヴン達は、毎日夜になると外出する。

クレイシティには金が溢れ、そこら中の銀行や倉庫にあらゆる形で隠されている。それを奪うのが彼らの日課である。既に数多の銀行や倉庫が彼らの餌食になってしまったが、彼らはいつも一仕事終えると酒と煙草を爆買いするため貯金が出来ないのだ。別に貯金してどうこうしようという訳でもないので、彼らは「金銭は使うもの」という感覚が強いことも相まって酒や煙草に使っている。

エヴンの方は、 別に食事や睡眠は必要ではない。そもそも、エヴンの体は特殊なのだ。仮に水を飲まなくても、食事をしなくても、空気があろうが無かろうが何の問題もない。その強靭な肉体は如何なる環境下でも生存可能だ。最早、不死身に等しい強さである。

といっても、それは極論であり、普段はちゃんと睡眠を取る。


「昨日襲撃したギャンゴルド銀行は過去最高だったな。やはりずる賢く貯金した奴らの金庫を襲うのは最高だ。金を奪われたと知った奴らの顔が見てみたい。」


「そいつらきっと驚きすぎて死んでるぜ。今まで貯めてきた全てが奪われたんだからな。」


因みに、昨日の強盗の被害総額はクレイシティのサラリーマンの下がりきった平均年収を超えている。銀行側はたまったモンじゃない。


「そういえば・・・銀行の金庫室で宝石を見つけた。銀行に金を預けない馬鹿の面、拝みたくないか?」


「ずいぶん面白そうじゃねーか。拝んでやろうぜ。」


その時、アパートの入り口から足音が聞こえた。合計20人にもなる侵入者がエヴン達の縄張りを訪れたのだ。


「ジョウ、出迎えに行ってこい。殺しても構わん。」


「りょーかい、粉々にしてやるぜ。」


アパートの1階を占拠して、上にいる目標を確実に仕留めんと建物ごと爆破しようとする侵入者達の前に条が姿を現した。


「ようクソ供!悪いが、ちょっと消し飛んでくれ。」


1階に降りるや否や、真っ先に近くにいた侵入者の1人に狙いを定めた。体内でエレメントを電気に変換し、侵入者を1人電撃地獄送りにした。すると、漸く自分の置かれている状況を理解したのか、途端に騒ぎ出した。だが、条は情けも無ければ容赦も無い。「破壊の魔眼」を開眼し、僅か3秒で十数人の侵入者を粉微塵にした。その後、侵入者の手に握られていた書類を持ってエヴンのいる部屋に戻って行った。


「戻ったぞー。奴ら、このアパートを爆破しようと画策していたらしい。」


「亜人類種がいると聞きつけて討伐しに来た奴は今までに居たが、アパートごと爆破しようとした奴は前代未聞だな。」


侵入者は建物を爆破しようとしたが、エヴン達はそんな簡単にくたばる程ヤワじゃない。爆破されるまで大人しくしているのも無理な話なので、結局返り討ちにあうのがいつものオチだ。エヴン達が誰かを倒した後は決まってアパート内がボロボロになるので、度々倒壊したり爆発したりする。


「こんなシケたアパートに乗り込んで爆破の準備までしてたとなれば、ただの解体業者じゃないだろう。恐らく建物の爆破解体を装って何かの目的を達成しに来た筈だ。」


「・・・で、その目的ってのが俺達ってか。」


「ああ、恐らくはそうなるな。」


自分達の首を狙っている存在がいるというのに、この2人は相変わらずの反応しかしない。そもそも彼らは自分達に喧嘩を売ってきてる奴を見つけたら喜んで返り討ちにしては、「思ったよりつまらない相手だった。」と結論づけて終わりというサイコパスコンビなのだ。今回はすでに条が侵入者を地獄送りにしてしまったのでたいして興味は湧かないらしい。


「そういえばさ、侵入者の奴らこんなもの持ってたぜ。」


「んだこりゃ、書類じゃねーか。」


エヴンが手にした書類にはこのアパートの設計図が写されており、ご丁寧に爆弾を仕掛ける箇所(と思われる)が赤く塗りつぶされている。書類の隅にも塗りつぶされた跡があるのは恐らく爆破に失敗した際の保険なのだろう。


「これを作成した奴は、なんとかして自分の関与が無かったようにする為に所々細工してあるようだが・・・生憎と、そんな簡単に騙される程俺は馬鹿じゃないぜ・・・。」


エヴンが小さく何か呟いた。途端に書類から塗りつぶされた跡が全て消滅し、塗りつぶされる前の状態に戻った。「現実改変」世界の強制的な改竄能力によって書類の塗りつぶした跡は世界から消去されてしまった。


「どうやら、侵入者がどこのしもべか掴んだようだな。」


「ああ、奴らは『宇宙開発センター』とやらが送り出した私兵隊だ。そこの重役が一枚噛んでいることは確実だし、昔から宇宙開発センターの連中は色々と噂が絶えなかった。この国で噂が絶えない奴はいつも決まって『ザイシャ』だ。これは楽しくなりそうだ。」


「なーるほど、確かに楽しそうだ。でもザイシャなんて言葉まだ使ってるのアンタだけだぜ。」


「よしジョウ!出かけるぞ!」


「いや無視すんなっつーの。」

いかがでしょうか?

「ザイシャ」とは犯罪者の隠語です。エヴンしか使いませんが。

それではまたいつか。

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