事の発端
今日は、気狂い作家です。Outlawを読んでいただきありがとうございます。この作品は人気だろうが不人気だろうが続きます。
私の気持ちしだいで。
「エレメント」今の人類の常識では説明出来ない、異常事態を引き起こす最強にして異常なる力。自然界では、火や水、雷や空気にさえエレメントは含まれる。エレメントは人類の常識では到底不可能な事でさえ、可能にする。世界創造・時間逆光なども例外でない。
これを体内に宿したのが、亜人類種。彼らはエレメントの力を原動力に、「何らかの事象の発動」に特化させている。それを、この世の誰かが「異常者」と呼んだ。確かにその命名は適切であった。しかし、「異常」の一言が人々に恐怖を与え、討伐の対象となった。これは、クレイシティに隠れ住む彼らであっても例外ではない。
『昨日、郊外の倉庫が何者かに襲撃されたらしい。警察が対応したそうだが、全員意識不明の重体で、何人かは行方不明だと報道されている。最近の話題は都市伝説の類で持ちきりだ。そちらも気をつけ給え。』
「わかりました。金庫のことはお任せを。それにこちらには、『鉄箱』が配備されています。」
ギャンゴルド銀行の奥で、銀行の支店長と誰かが通話をしている。都市伝説の類というのはエヴンによる蹂躙が市民の間で噂になり、「深夜の殺人鬼」や「月夜の通り魔」など数々の噂が作られるようになっている事を指す。
〜一方その頃〜
「今日の収穫は上々だろうな。元々金がある場所にさらに金を注ぎ込んだ所を襲撃するんだ。1夜にして金持ちも夢じゃない。あのバカどもが、不要だというのに金を欲しがるからこうなるんだ。金を貯めて楽な暮らしがしたいならバーでも経営してるんだな。」
「今までだって酒と煙草を爆買いしてもつりがくるんだからな、それを超えてくる可能性は充分さ。全くあいつらはいい仕事をするよな。そう言えばさエヴン、また亜人類種の迫害が起きてるらしいぜ。奴等も大概異常だよな。」
昨日の事件の 犯人達・・・もといエヴンと岡東は他愛もなかったり重要だったりする話をしていた。両者、昨日の事件から僅か24時間でまた犯行を試みていた。
「全員電撃痛めつけコースをするなら、金の無い場所でやってくれ。血肉が張り付いたままの金は酒代や飯代には使えん。」
エヴン達は盗む金の心配をしながら、目的地のギャンゴルド銀行に着いた。いつだって彼らは余裕に満ち溢れている。そこには、強者故の自信がいつも存在していた。
「全く強さを感じない奴らを一方的に蹂躙するのは、恐ろしく詰まらんがな。もっとも、ジョウの場合はそういうの大好きだったか。」
「当然!ぶっ飛ばすぜ‼︎」
「ああ、今夜も怪我人が並ぶぜ。」
いよいよ、地獄が始まった。
「よおゴミども!悪いが、いっちょ消し飛んでくれや‼︎」
その一言がでまかせで無いことの証明として、条は近くにいた警備員を銃撃した。途端に店内はパニック状態に陥った上に、1人1人痛めつけておいたために時間を食ってしまった。
一方で、エヴンは店の奥にある金庫に手をつけた。一般人に見えない特性を活かして、条が職員を痛めつける間に全ての現金を奪い去るという単純ながら効率的な手だ。銀行のセキュリティなど、所詮は人間相手の防犯システムに過ぎない。エヴンの怪力を持ってすれば金庫のドアを引きちぎるのは朝飯前だ。
「おっと、これは何だ?普通銀行ってのは金をしまう所だろ?なのにどうして宝石の類がこんなにもたくさん置かれているんだ?」
金庫の中に仕舞われた宝石は一見すると普通の宝石だが、亜人類種であるエヴンにはわかる。この宝石にはエレメントが込められている。宝石はその性質状中にエレメントを貯めることができるが、実際宝石にエレメントを貯める奴は見たことがない。
「とりあえず、コレを預けた奴を探し出すか。宝石にエレメントを貯めるには、何らかの外的要因が必要だ。それが出来るとなると亜人類種以外に考えられん。」
〜一方その頃、条は〜
「よーしよしよし、全員動かなくなったな。後はエヴンとぉぉオ!?」
突如、銀行の壁を貫いて銃弾が飛び込んできた。常人なら即死するところだが、常日頃からエヴンに訓練されている条の体に銃弾は通用しなかった。
「どこのどいつだぁ!バラバラにしてやるよぉ‼︎」
壁の向こうから出てきたのは、まさかの武装したロボットだった。
「Oh my god・・・」
ロボットは右手についた機関銃で条に合計3000発の銃弾を浴びせてきたが、鍛え上げられた条の体は全ての銃弾を耐え抜いた。条は耐えつつ弾切れを待っていた。
(相手が機械じゃあ放電も魔眼もたいして通用しない。ならば・・・)
ロボットの銃撃が止んだ。流石に3000発も撃てば弾は尽きるようだ。その隙を突いて条がロボットを殴り飛ばした。
「オラオラオラァ!機械ごときが俺に勝てると思うなぁ‼︎大人しく鉄くずになりなぁ‼︎」
「ジョウ、そろそろ帰るぞ・・・」
金庫室から帰ってきたエヴンが目にしたのは、ロボットの頭部を殴り壊している条の姿だった。
「その鉄くず、何なんだ?」
「なんか撃ってきたから、返り討ちにしただけさ。それで、収穫は?」
「1500万かそこいらだな、色々と訳ありな品物も預けられている事を考えるともっと上にいくかもな。」
銀行内の惨状は一切気にせず、今日の収穫を持って家に帰った。その1時間後、銀行に来客がやってきた。
「クソが!どうなってやがる‼︎銀行内は滅茶苦茶な状態だ!『鉄箱』も粉々になってやがる‼︎」
「金庫内は空だ!俺たちが預けたブツも消えてやがる‼︎」
「すぐに監視カメラをチェックしろ!俺たちに喧嘩を売った馬鹿をとっちめてやる‼︎」
そんな事が起きているとはつゆ知らず、エヴンと条はいつもの廃アパートで酒を楽しんでいた。
いかがでしょうか?
以下、岡東条の詳細です。
岡東 条(男性・20歳)
生まれながらにして亜人類種であり、「発電と放電」・「破壊の魔眼」の2つを持つ。アイゼンブルクより遠く離れた東の国の出身で、色々あってアイゼンブルクに移住した。昔から犯罪に手を染め1度投獄されたが自力で脱獄した経験がある。その後、クレイシティ市内を逃げ回っている間にエヴンと出会い壮大な殺し合いの末に気に入られ、以来エヴンの相棒となる。