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Outlaw 世界最強の無法者  作者: 気狂い作家
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非常識な男達

今日は、気狂い作家です。今回はずっと頭の中で構想していた作品を書きました。拙い文章ですがごゆっくりどうぞ。

遥か遠く、それでいて近く、こちらの人類が与り知らぬ世界。この世界は、常識と非常識が交わり誰もが夢物語だと笑う事が出来てしまう。今、この世界で1つの神話が完成しようとしている。その現場は、世界有数の先進国アイゼンブルグの首都クレイシティ。

深夜0時20分。大都市クレイシティの警察無線に連絡が入った。内容は極めて異常だ。


『郊外の倉庫に侵入者がいる、何も聞かずに厳重な警戒態勢の元で来るように』だそうだ。


普通に考えて「何も聞かずに来るように」なんて言われて本当に来る馬鹿はいないが、警察は行かなければならない。理由は単純。侵入された倉庫は警察が地元のギャングから受け取った賄賂を隠している場所なのだ。ちなみに、電話の相手はそれを知っている。この街では、こんな金目当ての犯罪が連日起きている。


「どうやら、奴ら本当に来るらしいぞ」


今しがた警察への通報を終えた1人の青年が電話の内容を簡潔に報告した。


「そりゃあ来るだろうよ。ここには、警察が必死になって集めた札束が隠されているんだ。にしても、どうしてこんなにたくさん札束を集めるんだか。老後の備えでもしたいのか?」


それを聞いたもう1人の青年が、つまらないジョークと共に応答した。

深夜0時55分。郊外の倉庫に警察が到着した。警察の到着を察知した・・・否、「警察を呼び込んだ」2人の侵入者は余裕綽々と正面突破しに来た。警察側は度肝を抜かれただろう。倉庫から出て来たのは丸腰の青年1人。その手には今しがた盗んだ金が入った鞄が2つ。警察に選択の余地はなかった。今彼らを取り逃せば、警察の大失態として世間に報じられる。それだけは何としても避けねばならない。


「奴を捕らえろ!あの鞄を取り戻せ!」


集まった警察は一斉に侵入者を捕らえようと動き出した。が、彼らは一枚上手だった。近くにいた警察の1人がいきなりぶっ倒れて動かなくなった。警察側は唖然としている。


「悪いけどさ、俺ちょっと特殊なんだよね。お前らじゃ、俺に傷1つつけられないぜ。」


空中から声が聞こえ、同時に声の主が姿を現した。目の前には人の形をした黒い何かが立っている。1分後、警察は壊滅状態になり、最後に残ったのは青年達と警察側の大将だけだった。恐怖で動けなく、声も出せない大将に青年達の片割れは最後の言葉を投げかけた。


「さて、お前が最後の1人か。あんまり面白く無いがな。蹂躙とはつまらんものだ。」


青年は一言言い終わると飛びかかり、最後の1人を遥か遠くに蹴り飛ばした。


「最後の作業に入るか。夜明け前に帰りたいし。」


青年達は作業・・・もといお絵描きをさっさと終わらせた。倉庫の壁に血で描かれた「角の生えた髑髏」。これが青年達のシンボルだ。彼らは金で一杯の鞄を抱えて帰路についた。彼らにとって流血沙汰は日常茶飯事だ。世紀の大犯罪者、エヴン・クリムロードと岡東 条。彼らは特異体質の持ち主。強制的に進化した、人類の亜種である。特殊な力を持って生まれた彼らは人類の常識を軽く凌駕する。

エヴンの能力は2つある。

一つは「自己強化」自分の体を極限まで強化し、筋力・敏捷性・耐久性等を半ば無限に増加する。おかげで不可能に思える動きや強さを実現している。

もう一つは「現実改変」たとえどんな事でも、エヴンがやろうと思えば可能に出来る。

岡東の能力は「発電と帯電」そして「破壊の魔眼」

能力の方は、雷なんか相手じゃない程に強い電気を生成・放出できる。魔眼の方は、視界に入った物を生物・非生物問わず破壊する。あまりに強すぎる魔眼は、保有者の意思で制御できない事があるが、岡東の場合は問題ない。

彼らの能力は、エレメントと呼ばれる力によってもたらされた。エレメントを簡単に説明すると、「万能の高エネルギー」と説明するのが適切だ。その源泉を体内に宿したのが、エヴンと岡東のような人類の亜種だ。この力のせいで彼らはこんな生活を強いられている。何故なら、今世界中で彼のような人類の亜種を合法的に殺そうという運動が注目を集めている。その運動の関係者によると、


「異常な能力を持つ奴らはいるだけでこの世界を害し、破滅へと導き最後にはこの世界の支配者になり、我々を奴隷にして神になろうとしている。我々が奴らを罰し、裁くのは当然のことだ。」だそうだ。


彼らはふざけた理屈で人類の亜種「亜人類種」を合法的に絶滅させようとしている現人類に報復しようとしている。

犯罪者として。犯罪を犯しつつ。

これは、人々を救う英雄の話ではない。歴史的大発見をした天才の話でもない。金に溺れたヤッピーの話でもない。これは、後の世に多数の噂と謎を残した「伝説の犯罪者達」が世界中のクソヤロウと闘う物語。これはその伝説のほんの序章である。


「奴らは何人俺達に蹴り飛ばされれば気がすむんだ?いい加減に学習しないのか?それとも全員学習する脳が失われたのか?」


「奴らじゃアンタを超えられねーぜ。なにせ『覇王の血』だからな。むしろ人類はアンタにぶっ飛されるためにいるんじゃねーか?」


「先祖が誰だろうと、俺には関係ねーよ。俺は人類をぶん殴るだけだ。」


いつも通りの会話を続けていたら、気づかぬ間に家に着いていた。クレイシティ35番街ウェストストリートに隣接する廃アパート。エヴン達の隠れ家だ。中はボロボロ(主にエヴンが破壊した)で、元々の管理人は「行方不明」になっている。他の住人はいないのでどの部屋を使おうと自由なのだが、いつも決まって5階の奥の角部屋にいる。部屋の中は更にボロボロで、床や壁の破片1つ1つに思い出(倒した奴の思い出)が詰まっている。


「金の事は一旦忘れて、コレでも食ってけよ。」


エヴンが出したのは、食物とは言い難い赤黒い泥状の何かだった。その名も13代目カオス焼き。エヴンが暇つぶしに、道で拾った食材と調味料だけで作った初代カオス焼きに始まった謎の料理。因みに、条の主食だったりする。最近は味や食感は改善されつつある。見た目は初代からあまり変わらないが。


「最近のカオス焼きはだいぶマシになったからな。最初の方は料理と呼べない味だった。」


「ならせめて見た目も改善してくれ・・・」


「腹も膨れた所で、金の話をするか。警察はクレイシティ市内にあと32箇所の隠し金庫を持っている。正直、全部襲えば億は稼げるぜ。ただ、いくつかはガチの警備が敷かれてる。ここを襲撃するのはかなり面倒だし、俺達の存在が世間に知れ渡る可能性が高い。」


「なら、辞めておくか。そうまでして警察連中を仕留めたいわけじゃない。アンタに着いて行って、何人か殺せれば充分幸せだ。」


警察にあれだけの被害を出しておきながら、エヴン達は未だに世間に知られていない。それは彼らの犯行が深夜限定な事に加え、常人にはエヴンの姿が見えない事に由来する。エヴンは体をエレメントと魂だけで構築する、亜人類種よりも高次元の生命なのだ。エレメントを肉眼で観測するには、エレメントの力に頼るしかない。よって亜人類種にしかエヴンは見えないのだ。


「次に襲うなら、郊外のギャンゴルド銀行が狙い目だ。地元のマフィアやクスリの売人からせっせと金を集めて隠してるようだ。ここを襲撃すれば大金だけじゃなく、警備連中や銀行職員もブン殴る事ができる。行くか?」


「当然!アンタが勧めるぐらいの銀行なら、相当儲かるんだろ?」


エヴンが勧める場所には決まって大金があった。今更そこを疑う程条は馬鹿ではない。出会ってから既に2年が経過しているのだ。彼らはもはや言葉によるコミュニケーションを必要としない程意思疎通ができている。


〜次の日の深夜〜


「Good morning‼︎」


「イッターッ!?」


強盗の時間になっても条が起きないので、寝てる所にエヴンが飛び蹴りを食らわした。因みに、エヴンの飛び蹴りは鋼鉄製の扉を砕き、本気でやれば町1つ更地に出来る程の威力を持つ。


「眠気が一瞬で消し飛んだぞ‼︎何したんだ!?」


「飛び蹴りした」


「アホかーッ‼︎死ぬわ!俺じゃなかったら死ぬわ‼︎」


割と致命傷になりかけたが、エヴンがそんな事を気にするはずもなく、条を連れて今夜の獲物を仕留めに行った。


「後1時間程でギャンゴルド銀行に500万もの大金が入ってくる。それを奪って銀行職員はギタギタにする。簡単だろう?」


「なんだそりゃ、随分と簡単だな。まるで楽園じゃねーか。」


いつもどおりの会話を続けていたら、気づかぬうちに目的地に着いていた。


「さて、始めるか。」

いかがでしょうか?

以下、エヴンの詳細です。


エヴン・クリムロード(恐らく男性・年齢不詳)


能力を2つ持つ亜人類種。魔眼や天啓の類は持たないが、能力だけで世界を瞬時に破壊できる上に現実を好きなように操作できる。もし世界に存在が認知されていれば確実に抹殺対象にされていた。(殺せるかどうかは別として)

外見は容姿端麗。明るい茶髪に青い両目、色白な肌と見た目は人間に近い。普段は比較的ノリが良く、酒と煙草と友人を愛する破壊癖が強いだけの人物なのだが、一度気に入らない奴を見つけたら相手が死んでも破壊を止めない。

能力は「自己強化」と「現実改変」の2つ。その他、体の機能全てが素で常人を遥かに超える。

好きなものは自由と戦闘。嫌いなものは差別と正義

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